アジアで民主主義が育ち、発展してきた背景には、何があるのでしょうか。
本シンポジウムでは、アジアにおいて共有されている価値観があるのか、あるとしたらそれはどのような価値観なのか、その価値観を土台として民主主義がどう根付いていったのかについて、アジア各国から政治指導者・宗教家・研究者を招き、議論します。
本シンポジウムは、日本・インド両国首脳の合意に基づき、2015年9月にインドにて開催されたシンポジウム‘A Global Hindu-Buddhist Initiative on Conflict Avoidance and Environment Consciousness’に引き続いて開催されるものです。
「アジアの価値観と民主主義」公式サイト:
http://www.npr-event.jp/asianvalue/index.html
開催概要
日時 | 2016年1月19日(火曜日)13時30分から18時15分 |
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会場 | 日経ホール |
主催 | 日本経済新聞社 |
共催 | 東京財団、国際交流基金、ヴィヴェーカナンダ国際財団 |
後援 | 外務省 |
協力 | 国際仏教連盟 |
参加費 | 無料 |
参加申込方法 | 公式サイトよりお申込みください。 |
言語 | 日英同時通訳 |
プログラム詳細
13時30分から13時50分 開会挨拶
秋山昌廣(日本:東京財団理事長)
インド国政府
ニルマル・チャンダル・ヴィジュ(インド:ヴィヴェーカナンダ国際財団理事長)
13時50分から14時50分 基調講演
森本公誠(日本:東大寺長老)
スシロ・バンバン・ユドヨノ(インドネシア前大統領)
14時50分から15時10分 休憩
15時10分から16時10分 パネルセッション1
「リーダーが語るアジアの価値観」
【パネリスト】
スワミナサン・グルムルティ(インド:サストラ大学主幹研究教授)
スリン・ピッスワン(タイ:前ASEAN事務総長)
サンガジャブ・バヤルツォグト(モンゴル:モンゴル国内閣官房長官)
森本公誠(日本:東大寺長老)
山内昌之(日本:東京大学名誉教授、明治大学特任教授、国際交流基金アジアセンター事業諮問委員会座長 )
16時10分から16時15分 ビデオ・メッセージ
ナレンドラ・モディ(インド首相)
16時15分から16時30分 休憩
16時30分から17時50分 パネルセッション2
「アジアの価値観と民主主義」
【パネリスト】
猪口孝(日本:新潟県立大学学長、東京大学名誉教授)
川島真(日本:東京大学大学院総合文化研究科教授)
松本紹圭(日本:浄土真宗本願寺派光明寺僧侶、一般社団法人お寺の未来理事)
R ヴァイディヤナタン(インド:バンガロール経営大学教授)
ラヒマ・アブドゥラヒム(インドネシア:ハビビセンター所長)
シャムスル・アムリ・バハルディーン(マレーシア:マレーシア国民大学民族問題研究所所長)
ティン・マウン・マウン・タン(ミャンマー:シンガポール国立大学東南アジア研究所ビジティング・シニア・フェロー)
アンベス・オカンポ(フィリピン:アテネオ・デ・マニラ大学准教授、前歴史学部長)
ティティナン・ポンスディラック(タイ:チュラロンコン大学安全保障国際問題研究所所長)
于鉄軍 (中国:北京大学国際戦略研究院副院長)
渡部恒雄(日本:東京財団上席研究員兼外交・安全保障担当ディレクター)
【モデレーター】
加藤創太(東京財団上席研究員兼政策研究担当ディレクター)
18時5分から18時15分 閉会挨拶
日本国政府
出演者
秋山昌廣(Masahiro Akiyama)
東京財団理事長1964年東京大学法学部卒業後、同年大蔵省入省。在カナダ日本国大使館参事官、大蔵省銀行局調査課長、主計局主計官、奈良県警察本部長、東京税関長、大蔵大臣官房審議官などを歴任。1991年防衛庁長官官房防衛審議官、経理局長、防衛局長、防衛事務次官を経て、1998年11月退官。1999-2001年ハーバード大学客員研究員、2001から2012年6月海洋政策研究財団会長。この間、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授。北京大学国際関係学院招聘教授。2012年6月より東京財団理事長。東京財団CSR委員会委員。
ニルマル・チャンダル・ヴィジュ(Gen. N.C. Vij, PVSM, UYSM, AVSM)
ヴィヴェーカナンダ国際財団理事長2002年12月から2005年2月まで、第21代インド陸軍大将。在職期間中、数々の軍事体制の改善に努めたことで名高い。陸軍を定年退職後、2005年から2010年まで、国家防災委員会の副議長を務める。現在は、無党派の先導的なシンクタンクであるヴィヴェーカナンダ国際財団の理事長。
森本公誠(Kosei Morimoto)
東大寺長老、文学博士1934年生まれ。1949年 東大寺に入寺。1957年 京都大学文学部卒業。1961年から1962年 カイロ大学留学。1964年 京都大学大学院博士課程修了。1968年 京都大学文学博士学位取得。1965年から1998年 京都大学文学部講師(非常勤)。1975年から2004年 東大寺図書館長、東大寺学園常任理事、東大寺財務執事、同教学執事、執事長・華厳宗々務長、同上院院主・東大寺学園理事長等を歴任。2004年5月から2007年4月 東大寺第218世別当・華厳宗管長、2007年5月から東大寺長老。2010年5月から2013年4月 東大寺総合文化センター総長著書に『初期イスラム時代エジプト税制史の研究』(岩波書店1975)(日経・経済図書文化賞受賞)、『イブン・ハルドゥーン―人類の知的遺産 22』(講談社、1980)、『善財童子 求道の旅―華厳経入法界品・華厳五十五所絵巻より―』(朝日新聞社・東大寺、1998)、『世界に開け華厳の花』(春秋社、2006)(圓山記念文化賞受賞)、『聖武天皇 責めはわれ一人にあり』(講談社、2010)、『イブン・ハルドゥーン』(講談社、2011)など。
また訳書に『イブン=ハルドゥーン 歴史序説』全4冊(岩波文庫、2001)。
スシロ・バンバン・ユドヨノ(Susilo Bambang Yudhoyono)
前インドネシア大統領軍、政界で重職を歴任後、インドネシア史上初の大統領直接選挙により第6代大統領に就任。SBYの愛称で知られるアジアで最も尊敬を集める政治家の一人。2期10年(2004年から2014年)の任期中は、世界経済フォーラムが「黄金の10年」と称したとおり、国内政治の安定、経済成長、紛争解決などに尽力し、国際社会での立ち位置も磐石なものとする。世界各地で民主化のプロセスが難航するなか、ユドヨノ前大統領のリーダーシップによりインドネシアの民主化は確実に前進した。世界最大のイスラム人口を有する国家の元首として、国内外に向けて平和的で穏健なイスラムの姿を積極的に打ち出し、西欧とイスラム世界の友好的な関係構築に注力したほか、軍の改革や軍によるグローバルな平和維持活動への参画にも積極的に貢献。現在は韓国ソウルに本部を置くシンクタンクGlobal Green Growth Institute (GGGI)の会長を務める。2015年11月現在、TwitterおよびFacebookのフォロワーはそれぞれ820万人と500万人にのぼる。
スワミナサン・グルムルティ(Swaminathan Gurumurthy)
サストラ大学主幹研究教授インドを代表する著名な法律・金融専門家、調査ジャーナリスト、著者、学者、活動家。インド工科大学ムンバイ校客員研究員、サストラ大学法人類学教授。ヴィヴェーカナンダ国際財団の諮問委員、役員も務める。オーストラリア人ジャーナリスト、ハミッシュ・マクドナルドにより、「非常に誠実で、彼のジャーナリズムには強い説得力がある」と賞賛された。経済学、金融、会計の知識はメディアにも定評があり、1990年代から最も影響力のあるインド人として注目されている。
スリン・ピッスワン(Surin Pitsuwan)
前ASEAN事務総長米国ハーバード大学で修士号及び博士号を取得(政治学、中東研究)。タマサート大学、アメリカン大学(ワシントン)で教鞭をとった後、8期にわたり国会議員に選出され、その間タイ外務大臣の職を務めた。外相職を退いた後、国連の「人間の安全保障委員会」委員等の国際機関の主要ポストを歴任。2008年から2012年までASEAN事務総長に就任。2013年よりタマサート大学名誉教授。
サンガジャブ・バヤルツォグト(Sangajav Bayartsogt)
モンゴル国内閣官房長官モンゴルの現職国会議員(5期目)。環境大臣(1998年から1999年)、内閣官房長官(2004年から2006年)、財務大臣(2008年から2012年)、モンゴル国家大会議副議長(2012年から2013年)を歴任。M.V.ロモノーソフ・モスクワ国立総合大学及びモンゴル国立大学で学士号、コロンビア大学国際公共政策大学院(SIPA)にて修士号取得。1990年のモンゴル民主化運動の際に青年組織のリーダーを務めたほか、モンゴルで初めて民主的な憲法を採択した議会に史上最年少で選出された政治家でもある。
山内昌之(Masayuki Yamauchi)
東京大学名誉教授、明治大学特任教授、国際交流基金アジアセンター事業諮問委員会座長1971年北海道大学文学部卒業。東京大学学術博士。カイロ大学文学部客員助教授、東京大学教養学部助教授、トルコ歴史協会研究員、ハーバード大学客員研究員、東京大学大学院総合文化研究科教授などを経て2012年6月より明治大学特任教授、フジテレビジョン特任顧問、三菱商事顧問。他に、国家安全保障局顧問会議座長、戦後70年の総理談話を助言する懇談会委員、横綱審議委員などを務める。紫綬褒章、吉野作造賞、司馬遼太郎賞、毎日出版文化賞(2回)、サントリー学芸賞、発展途上国研究奨励賞などを受賞。著書「帝国とナショナリズム」「中東国際関係史研究」「歴史という武器」「歴史とは何か」「第3次世界大戦の罠」(佐藤優氏との共著)ほか
猪口孝(Takashi Inoguchi)
新潟県立大学学長、東京大学名誉教授1944年生まれ。東京大学卒業後、マサチューセッツ工科大学にて政治学博士号取得。上智大学外国語学部助教授、東京大学東洋文化研究所教授、国連大学上級副学長、日本国際政治学会理事長、日米教育委員会委員、中央大学法学部教授などを経て、現在新潟県立大学学長、東京大学名誉教授。日本政治学術研究誌創立編集長、アジア太平洋国際関係学術誌創立編集長、アジア比較政治学術誌創立編集長。アジア全域の「生活の質」世論調査指導者。専攻は政治学、国際関係論。著書150冊以上。
川島真(Shin Kawashima)
東京大学大学院総合文化研究科教授1968年生まれ。博士(文学、東京大学)。北海道大学法学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科准教授を経て2015年4月より現職。世界平和研究所上席研究員、nippon.com 編集長、内閣府国家安全保障局顧問、21世紀構想懇談会委員などを兼任。中国・台湾の政治外交史、国際関係史を専門とする。『中国近代外交の形成』(2004年)でサントリー学芸賞を受賞。著書に、『グローバル中国への道程』(共著、岩波書店、2009年)、『近代国家への模索』(岩波書店、2010年)、『日中関係史』(共著、有斐閣、2013年)、『近代中国をめぐる国際政治』(編著、中央公論新社、2014年)、『チャイナ・リスク』(編著、岩波書店、2015年)などがある。
松本紹圭(Shokei Matsumoto)
浄土真宗本願寺派光明寺僧侶、一般社団法人お寺の未来理事1979年北海道生まれ。一般社団法人お寺の未来理事・未来の住職塾塾長。東京神谷町・光明寺僧侶。武蔵野大学客員准教授。東京大学文学部哲学科卒。2010年、ロータリー財団国際親善奨学生としてインド商科大学院(ISB)でMBA取得。2012年、住職向けのお寺経営塾「未来の住職塾」を開講。2013年、世界経済フォーラム(ダボス会議)のYoung Global Leaderに選出される。
近著に『お寺の教科書』(徳間書店)。
R ヴァイディヤナタン(R Vaidyanathan)
バンガロール経営大学教授フルブライト奨学生、インド社会科学研究会議フェローとして米英の数々の大学で客員研究員を務めており、全インド経営大学における最も優れた10人の教授の一人に選ばれた。インドの様々な金融規制機関の委員や組織コンサルタント、会社の取締役を歴任。インド、アジアの価値体系に焦点をあてた最近の著作INDIA UNINCは、政策立案者・企画官から好評を博している。現在研究中の非課税地域の分野での著作も近日出版予定。
ラヒマ・アブドゥラヒム(Rahimah“Ima”Abdulrahim)
ハビビセンター所長インドネシアにおいて宗教と文化に基づく独立した公正な民主社会の実現に取り組むハビビセンターの所長。2001年、アジア財団の米国政治学協会コングレッショナル・フェローシップ・プログラムに参加し、米国の議員事務所で勤務。2015年、米イェール大学のリーダーシップ・ディヴェロップメント・プログラムに参加。マレーシアの国際イスラム大学で政治学及び啓示人文学の学士号取得。ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院で国際関係・外交論の修士号取得。現在、英国イースト・アングリア大学にて政治・社会・国際関係学部にてPh.D. candidate。
シャムスル・アムリ・バハルディーン(Shamsul Amri Baharuddin)
マレーシア国民大学民族問題研究所所長福岡アジア文化賞を受賞した、東南アジアを代表する社会人類学者。マレーシアの近代国家建設の過程において、民族・宗教など社会的要素と開発政策の相互作用を草の根レベルで明らかにする手法で国際的な注目を獲たほか、主に東南アジア島嶼部を中心とする多国間の研究プロジェクトを主導してきた。
ティン・マウン・マウン・タン(Tin Maung Maung Than)
シンガポール国立大学東南アジア研究所ビジティング・シニア・フェローヤンゴン芸術科学大学原子物理学修士。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院政治学博士。国際戦略研究所、アメリカアジア学会会員。主な研究実績にState Dominance in Myanmar: The Political Economy of Industrialization (Singapore: ISEAS, 2007) ;“Myanmar in 2014: Great Expectations Unfulfilled” in Asian Survey 55:1 (January/February 2015)がある。研究領域は、開発政治経済学、民主化と民軍関係、人間の安全保障、核拡散、ミャンマーの政治経済。
アンベス・オカンポ(Ambeth R. Ocampo)
アテネオ・デ・マニラ大学准教授、前歴史学部長国家文化芸術委員会、国家歴史委員会の会長を歴任したフィリピンを代表するパブリック・ヒストリアン。主に19世紀末のフィリピンを対象に、芸術、文化、国民の創出に関わった人物などを研究している。フィリピン大学ディリマン校フィリピン語フィリピン文学科で教壇に立つほか、京都大学、チュラロンコーン大学、最近は上智大学で研究教育に従事。これまで21の著作を出版しており、フランス、スペイン、フィリピンからの勲章を含む多数の賞を受賞している。国内で幅広く購読されている日刊紙「フィリピン・デイリー・インクワイアラー」のコラムニストとしても知名度が高く、フェイスブックのファンページも持つ。主な著書にRizal Without the Overcoat [外套のないリサール](ナショナルブックアワード受賞、Anvil Publishing、1990年)、Prehistoric Philippines: Looking Back 6 [先史時代のフィリピンをふりかえる 6](Anvil Publishing、2012年)など。
ティティナン・ポンスディラック(Thitinan Pongsudhirak)
チュラロンコン大学安全保障国際問題研究所所長チュラロンコン大学安全保障国際問題研究所長。同大准教授(国際関係論)。タイ、ASEAN、東南アジア大陸部に関する著書多数。カリフォルニア大学サンタバーバラ校で学士号取得、ジョンズホプキンス大学ポール・H・ニッツェ高等国際関係大学院(SAIS)で修士号取得、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で博士号取得。ヴィクトリア大学ウェリントン校、ジョン・ホプキンズ大学、スタンフォード大学、ヤンゴン大学で客員を務めた。アジア出版者協会賞評論部門で優秀賞受賞(2015年)。研究領域は、タイの政治、経済、外交政策、ASEAN 協力及び東アジアの安全保障等。
于鉄軍(Tiejun Yu)
北京大学国際戦略研究院副院長北京大学国際関係学院准教授、北京大学国際戦略研究院副院長。北京大学にて修士号及び博士号取得1998年から2000年まで東京大学に学び、スタンフォード大学およびハーバード大学客員研究員(2005~2006 年)を経て現職。専門は、国際関係論及び東アジア関係。
渡部恒雄(Tsuneo Watanabe)
東京財団上席研究員兼外交・安全保障担当ディレクター東北大学歯学部卒業。歯科医師を経てニュースクール大学で政治学修士。1996年より、CSIS戦略国際問題研究所客員研究員となり、研究員、主任研究員、2003年3月から上級研究員。2005年に帰国、三井物産戦略研究所主任研究員を経て、現職。現在、CSIS戦略国際問題研究所非常勤研究員、沖縄平和協力センター上席研究員を兼ねる。
加藤創太(Sota Kato)
東京財団上席研究員兼政策研究担当ディレクター東京大学法学部卒業後、1991年に通産省入省(官房総務課企画室)。経産省国際経済課課長補佐、経済産業研究所上席研究員などを経て現職。国際大学教授を兼ねる。ミシガン大学政治学部博士課程(Ph.D.)、ハーバード大学ビジネススクール修士課程(MBA、優等号受賞)修了。専門分野は比較政治経済学、政治学方法論。著作等に、『身近な疑問が解ける経済学』(共著)(日本経済新聞出版社、2014)、『日本経済の罠』(共著)(日本経済新聞社、2001、2009。第44回日経・経済図書文化賞、第1回大佛次郎論壇賞奨励賞)など。