Condition Report: Almost There

フィリピン

国際交流基金アジアセンターは、東南アジアと日本のキュレーターの協働キュレーション・プロジェクト「Condition Report」を、東南アジア各国で開催します。
本プロジェクトは、東南アジアの4つの都市――ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、バンコク――での大型協働展と、14のローカル展で構成されています。
この「Almost There」は、3番目の協働展としてマニラで開催します。

イベント詳細

タイトル Condition Report: Almost There
会期 2017年3月2日(木)- 5月6日(土)
会場 フィリピン大学付属ヴァルガス美術館
主催 フィリピン大学付属ヴァルガス美術館

国際交流基金アジアセンター

キュレーター パトリック・D.フローレス/ヴァルガス美術館キュレーター(フィリピン)

崔敬華/東京都現代美術館学芸員(日本)

コ・キュレーター アヨス・プルウォアジ・スリップ・マワルディ/チプトラ大学講師、キュレーター(インドネシア)

リサ・イトウ・タパン/フィリピン大学講師(フィリピン)

リノ・ヴュス/Sa Sa Art Project アーティスティック・ディレクター(カンボジア)

出品作家 ユニヴァース・バルドーサ(フィリピン)

カロリーナ・カイセド(英国/コロンビア/米国)

シァン・ダイリット(フィリピン)

ホー・ルイ・アン(シンガポール)

ウィナー・フマロン(フィリピン)

カプワニ・キワンガ(カナダ/フランス)

ルノ・ラゴマルシーノ(スウェーデン/ブラジル)

アン・ミー・レー(ベトナム/米国)

ミヤギフトシ(日本)

能作文徳(日本)

Philippine Educational Theater Association/PETA(フィリピン)

シェン・シャオミン(中国)

マリア・タニグチ(フィリピン)

エイドリアン・ヴェルガラ(フィリピン)

関連サイト 国際交流基金 マニラ文化日本センター(英語のみ)

フィリピン大学付属ヴァルガス美術館 Facebookページ(英語のみ)

本プロジェクトの全体概要パンフレット(PDF/4.62MB)

[キュレーターからのメッセージ]

この展覧会では、フィリピンの一地方で見られる光景や精神生活についてのある研究で用いられた、「親密さと力」という概念に応答し、探求を試みる。人類学者のフェネラ・カネルは、他者との親近感や共感を形成するプロセスを明らかにするためにこの概念を提示した。そのプロセスは常に、模倣しても反復せず、帰属しながらも同化しない努力と、経験を共有するために互いに投じる努力を必要とする。同時にそれは、利害関係や、承認の欲求や、表出の熱望に駆られてもいる。本展は、この隔たりと近しさの間にある緊張関係を探ろうとするものである。よって「Almost There」というタイトルは、居場所や目的地にまだ達しない距離、あるいは「極端な近さ」を表している。

展覧会では、このテーマに基づいて選ばれたアーティストによる絵画、立体、映像、インスタレーション、パフォーマンスなど、多様なメディアを用いた作品やプロジェクトが展示されると同時に、本展に関連する具体的な文脈や展示作品に応答する3人のキュレーター(アヨス・プルウォアジ・スリップ・マワルディ、リサ・イトウ・タパン、リノ・ヴュス)によるプロジェクトも紹介する。これらの作品やプロジェクトの多くは、展示室の外で人々と直接的に関わり合う要素を含む。ヴァルガス美術館前の芝地には、建築家である能作文徳とロサリオ・エンカルナシオン=タンによるプラットフォームが設置され、会期中、パフォーマンス、レクチャー、ディスカッション、ツアー等が開催される予定。

(パトリック・D.フローレス&崔敬華)