特別上映会:映画から見るシンガポール・マレーシアのアイデンティティ

日本

『Sandcastle』

2017年夏、国際交流基金アジアセンターは国立新美術館、森美術館との共催で「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」を同時開催します。ASEAN(東南アジア諸国連合)設立50周年を記念して、加盟10か国の1980年代以降の現代アートの軌跡を紹介する本展覧会は、9つのテーマに基づいて構成される予定です。

この展覧会に向けて今回、シンガポールとマレーシアの2つの国を取り上げ、展覧会のテーマのひとつである「アイデンティティ」の問題に焦点を当てた映画2作品を上映します。1月22日には、両作品の上映の間にトークショーを設け、本展を担当する国立新美術館、森美術館のキュレーターが、両国の映画・舞台芸術の専門家を迎え、それぞれの国が直面する様々なアイデンティティに関する議論の現状について語ります。

上映作品

『細い目』(ヤスミン・アフマド監督)
金城武が好きな17歳のマレー系少女オーキッドと、路上でVCDを売り糊口をしのぐ中華系の青年ジェイソン。市場で出会った2人は、いつしか互いに惹かれあっていくが……。民族の壁を簡単に越えた作品を短期間に発表するなか、2009年に急逝したヤスミン監督のデビュー作。
2005年/マレーシア/107分/日本語・英語字幕

『Sandcastle』(ブー・ジュンフェン監督)
舞台は90年代のシンガポール。18歳のシャンエンは、兵役までの日々を祖父母の元で過ごすことになる。そこで祖父から、死んだ父親が学生時代に反政府運動にかかわっていたという、母からは語られなかった話を聞く。自国の消された過去の歴史を知り、初恋も経験し、やがて自己と向き合うことに……。2016年秋、東京国際映画祭で最新作『見習い』が上映され大きな反響を巻き起こしたブー監督の長編第一作。
2010年/シンガポール/91分/日本語・英語字幕

トークショー登壇者

滝口健(アジアン・シェイクスピア・インターカルチュラル・アーカイブ副代表/翻訳エディター)
国際交流基金クアラルンプール日本文化センター副所長、クアラルンプール・パフォーミングアーツセンターコンサルタント(国際プログラム担当)、劇団ネセサリー・ステージ(シンガポール)運営評議員、シンガポール国立大学英語英文学科演劇学専攻リサーチフェローなどを歴任。2002年、キャメロニアン・アーツアワード(マレーシア)特別賞受賞。
松下由美(映画プレゼンター/キュレーター/プロデューサー)
『99分、世界美味めぐり』東京撮影ライン・プロデューサーなどメディアと映画の製作・コンサルティング・司会・通訳・執筆やキュレーションを行う。2009・2012年にはSintokシンガポール映画祭を東京で主催。現在は映画を通して若い世代と社会の課題をつなぐ活動、多様性社会といったテーマに取り組んでいる。
片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
米田尚輝(国立新美術館研究員)

イベント詳細

開催日① 2017年1月22日(日)13:00~17:55

開場 12:30~

13:00~13:05 イントロダクション

13:05~14:35 『Sandcastle』

14:35~14:50 休憩

14:50~15:55 トークショー(日本語のみ)

15:55~16:05 休憩

16:05~17:55 『細い目』

開催日② 2017年1月29日(日)13:00~16:40

開場 12:30~

13:00~13:05 イントロダクション

13:05~14:55 『細い目』

14:55~15:10 休憩

15:10~16:40 『Sandcastle』

会場 国立新美術館 3階 講堂
東京都港区六本木7-22-2 ≫アクセス
入場料 無料、申し込み不要(先着順260人)
ウェブサイト http://www.nact.jp/10th_anniversary/#concurrent
主催 国立新美術館、森美術館、国際交流基金アジアセンター