世界各地の文化施設や教育機関、フェスティバルで目にするようになったメディアアートは、1970 年代以降、「アート&テクノロジー」の視点を有する先駆的な活動としてさまざまに試行されてきた芸術表現の系譜にあります。同時代のテクノロジーを駆使したアート作品は、経済成長や技術革新、グローバル化といった社会現象とともにあり、私たちに新たな創造性を与えるだけでなく、ときに社会への批評的眼差しをもたらし、新たなアートフォームへの実験を見せてくれます。
本報告書は、メディアアート表現の変遷と同時代の実践的な活動を紹介したシンポジウム「“ アート&テクノロジー” ―時代の変遷、同時代の動向、これからのプラットフォーム―」の記録です。シンポジウムでは、国内外から招いた多彩なゲストがアートとテクノロジーの関係性を再検証し、現在と未来、社会と芸術、個人と公共をつなぐ芸術文化における新たなプラットフォームのあり方を提示しました。
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【目次】
はじめに─報告書発行にあたって
[第1部|レクチャー]メディアアート:日本の歴史的変遷/アジアの文化的特異性
- 日本における「アート&テクノロジー」の変遷 畠中実
- 移行していく分断─メディアコンバージェンスと文化多様性をめぐるアートの立場 イヴォンヌ・シュピールマン
[第2部|プレゼンテーション]アーティストの視点/テクノロジーの動向
- ライゾマティクスの10年の活動 真鍋大度
- プロフェッショナルなアマチュアたち アンドレアス・シアギャン
- 来たるべきアートとその軌跡 ジェフリー・ショー
[第2部|プレゼンテーション]アーティストの視点/テクノロジーの動向
- ライゾマティクスの10年の活動 真鍋大度
- プロフェッショナルなアマチュアたち アンドレアス・シアギャン
- 来たるべきアートとその軌跡 ジェフリー・ショー
[第3部|ディスカッション]メディアアートのプラットフォームとして、東京はいかに可能か
- ジェフリー・ショー×アンドレアス・シアギャン×真鍋大度×畠中実| 阿部一直
寄稿
- アジアにおけるメディアアートの位置について 藤幡正樹
2017年3月10日発行
発行:独立行政法人国際交流基金アジアセンター、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
編集担当:石戸谷聡子 小野寺啓 千葉薫(アーツカウンシル東京)、廣田ふみ(国際交流基金アジアセンター)
編集・執筆協力:阿部謙一
翻訳:松谷容作(10頁から16頁):株式会社リンクトランス・サイマル(20頁から23頁)
翻訳協力:佐野明子(国際交流基金アジアセンター)(10頁から16頁)、岩谷聡徳(20頁から26頁、28頁から37頁)
撮影:相川健一
デザイン:松川祐子
※英語版PDFは、英語ページよりダウンロードいただけます。
開催概要
タイトル | メディアアート国際シンポジウム 「“アート&テクノロジー”―時代の変遷、同時代の動向、これからのプラットフォーム―」 |
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開催日 | 2016年7月9日(土曜日) |
登壇者 | 畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員) イヴォンヌ・シュピールマン(メディア学者、芸術学者) 真鍋大度(アーティスト/ライゾマティクス) アンドレアス・シアギャン(アーティスト、エンジニア/ライフパッチ) ジェフリー・ショー(アーティスト/香港城市大学ACIMディレクター) 阿部一直(山口情報芸術センター[YCAM]副館長) |
会場 | NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] |
主催 | アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、国際交流基金アジアセンター |
特別協力 | NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] |
イベント詳細 | https://asiawa.jpf.go.jp/culture/events/art-and-technology-160709/ |