国際シンポジウム「アジアの価値観と民主主義」開催レポート

2018年7月5日にホテルオークラにて、国際シンポジウム「アジアの価値観と民主主義」を開催しました。(主催:日本経済新聞社、共催:国際交流基金アジアセンター、ヴィヴェーカナンダ国際財団、中村元東方研究所)

2015年に第1回をインドで開催し、その後、2016年に第2回を東京で、2017年に第3回をミャンマーで開催し、今回第4回目となる本シンポジウムは、「アジアで民主主義が育ち、発展してきた背景には何があるのか」をテーマに開催されました。

アジアにおいて共有されている価値観があるのか、あるとしたらどのような価値観なのか、その価値観を土台として民主主義がどう根付いていったのかについて、アジア各国から政治指導者・宗教家・研究者を招き、「アジアの価値観と民主主義」を探りました。

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バンワリラール・プロヒト タミル・ナド州知事(インド)による開会の辞
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グロリア・マカパガル・アロヨフィリピン共和国元大統領(フィリピン)による基調講演

冒頭、インド政府を代表し、タミル・ナド州知事バンワリラール・プロヒト氏が開会の挨拶を述べられ、その後、グロリア・マカパガル・アロヨフィリピン共和国元大統領をはじめ、3名が基調講演を行いました。

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第一セッションの様子

第一セッションでは、「アジアの価値観と伝統」についてプレゼンター、パネリストから発表がありました。登壇者はアジアに共有する価値観を各国の視点から述べました。アジアのおける「和」や寛容の価値観が民主主義を支える価値観であるなど、様々な意見が交わされました。

シンポジウムの写真4 壇上のアンベス・R・オカンポ先生とキティ・プラサートスック先生の写真
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特別セッションの様子

特別セッションでは、「日本・アジア文化交流の成果と課題~未来の協働に向けて~」というテーマで、東南アジアにおける文化交流の成果と課題について、国際交流基金アジアセンターのこれまでの取り組みを踏まえ、発表が行われました。まずフィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学准教授のアンベス・R・オカンポ先生によりフィリピンにおける日本文化の影響を具体的な事例とともにご紹介いただきました。日本の身近な商品がフィリピンでも広く知られているという事例に多くの聴衆が関心を寄せていました。次に、タマサート大学副学長のキティ・プラサートスック先生により、東南アジアにおける国際交流基金アジアセンターの取り組みの成果と今後の課題が提示されました。交流における多様なアクターや双方向性といった成果や今後ASEAN諸国の多様性にいかに対応していくかなどの課題が述べられました。その後、国際交流基金理事の柄よりアジアセンターでの具体的な事業の紹介や事業の様子がパワーポイントで表示されると、参加者は身を乗り出して発表に聞き入っていました。

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第二セッションの様子

第二セッションでは、「アジアの解放と民主化の経験~ガンジーが遺したもの~」というテーマの中で、台湾やフィリピンにおける民主主義の現状や、今日の民主主義におけるマハトマ・ガンジーの貢献について、各プレゼンター、パネリストから発表がありました。

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ナレンドラ・モディ首相(インド)によりビデオメッセージ
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安倍晋三内閣総理大臣による閉会の挨拶

閉会の挨拶では、インドのナレンドラ・モディ首相によるビデオメッセージが流れ、アジアの民主主義が世界的に果たす役割、そして本シンポジウムの重要性を述べられました。その後、安倍晋三内閣総理大臣が登壇し、本シンポジウム開催を歓迎するお話しをされ、シンポジウムが終了しました。

当日は長時間にわたるシンポジウムにも関わらず、最後まで多くの方が聴講されました。また来場者からもとても有意義だったと声を多くいただきました。また「『民主主義は政治だけではない、生き方である』ということばが印象に残りました。」などの感想が寄せられました。

当日のプログラム、登壇者一覧等の詳細情報は下記ページをご参照ください。
「アジアの価値観と民主主義」シンポジウム 2018年

今後も国際交流基金アジアセンターでは、日本とアジア各国、各地域の間で、相互理解と交流、未来への基盤を築くことを目的として、海外の文化人や研究者との対話を多数実施して参ります。

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