第28回東京国際映画祭(Tokyo International Film Festival)におけるアジア新鋭監督の登竜門である「アジアの未来」部門における「国際交流基金アジアセンター特別賞」受賞監督が、内モンゴル出身のデグナー監督(『告別』)に決定しました。
国際交流基金アジアセンター特別賞は、文化の違いを越え、国際的な活躍が期待される新鋭監督に贈られます。今年の審査員は、佐藤忠男(日本映画大学学長/映画評論家)、松本正道(シネマテーク・ディレクター)、安藤裕康(国際交流基金 理事長)の3名。受賞者には、トロフィーとともに、副賞として日本短期滞在(日本人が受賞した場合は、アジア滞在)の機会が贈呈されます。
受賞監督:デグナー(德格娜) Degena Yun
内モンゴル出身。英国・ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイでメディアアートを専攻し、学士号を取得。その後、北京電影学院の監督学部で修士号を取得。これまで手がけた作品は“The Forest”(2011)、初の長編監督作でモントリオール世界映画祭でノミネートされた“Latitude 52”(2012)、そしてHAF香港アジア映画投資フォーラムに企画が選出された『告別』がある。
東京国際映画祭出品作:『告別』(2015)
作品解説 | 親と疎遠だった娘ががんで余命少ない父と過ごす最期の日々。ふたりの間に新しい関係が芽生えていく…。内モンゴル出身の女性監督デグナーの自伝的な作品で、主人公シャンシャンを自ら演じている。 |
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監督 | デグナー(德格娜) |
出演 | トゥメン、アリア、デグナー、バヤンゲレル |
製作年 | 2015年 |
製作国 | 中国 |
チャオ・イエンミン ラインプロデューサー(デグナー監督の代理)
「感激しています。デグナー監督にとってこの作品が高い評価を頂いたということは本当に名誉なことで、監督をはじめ、全ての人たちを代表して、心から感謝を申し上げます。この作品は卒業制作です。若い力を結集した若い作品に評価を頂いたということで本当に嬉しく思います」
審査委員代表・総評
「現実に直面している問題・状況そういったものに真っ向に取り組んでいる作品が多かったものですから、甲乙つけるのが非常に難しかったです。全体に共通していたものは、のし上がってくる力強さです。その中で、受賞者の作品は本当に堂々たる立派な作品だと思っています」佐藤忠男(日本映画大学学長/映画評論家)
【東京国際映画祭(Tokyo International Film Festival, TIFF)】
東京国際映画祭(以下、TIFF)は日本で唯一の国際映画製作者連盟*公認の国際映画祭です。 1985年、日本ではじめて大規模な映画の祭典として誕生したTIFFは、日本及びアジアの映画産業、文化振興に大きな足跡を残し、アジア最大級の国際映画祭へと成長しました。いまや最も熱気溢れるアジア映画の最大の拠点である東京に、世界中から優れた映画が集まり、国内外の映画人、映画ファンが新たな才能とその感動に出会い、交流する場を提供します。
* 国際映画製作者連盟:世界の映画産業、国際映画祭の諸問題を改善、検討する国際機関。パリに本部を置き、世界 29 ヵ国 (2015年5月現在)が加盟している。