アジア舞台芸術人材育成部門(APAF-Asian Performing Arts Farm)は、2002年に開始された「アジア舞台芸術祭」を前身に、2017年から東京芸術祭の1部門となった人材育成のプログラムです。アジアの舞台芸術を通じた相互理解と文化交流の促進、アーティストの相互交流による舞台芸術の創造と水準向上、優れた人材と作品の発掘と、アジアにおける芸術・文化の振興に貢献することを目指しています。10年間プロデューサーを務めた宮城聰(演出家、静岡県舞台芸術センター芸術総監督)に代わり、2018年から新たにディレクターとして多田淳之介(演出家、東京デスロック主宰)が就任しました。
2016年からは国際交流基金アジアセンターが共催に加わり、特に東南アジアからの多彩な参加者を募ることで、アジア域内での若手演劇人ネットワークの構築と、国際共同制作へのトライアルの場としての役割を一層強化します。
2019年からAPAFはアジアの若いアーティストたちが集う場であった“Forum”から“Farm”へモデルチェンジします。アジアのアーティストたちによる作品上演の可能性を提示する「APAF Exhibition」、アートキャンプ形式による自立したアジアのアーティスト育成を目指す「APAF Lab.」の二つのプログラムを中心に、これからのアジアの舞台芸術シーンを耕すアーティスト、プログラムを輩出する、アジアの“Farm”が開園します。
(APAFディレクター 多田淳之介)
2017年度、2018年度および2019年度の本事業はbeyond2020の認証事業です。
2019年プログラム
APAF Exhibition
2018年APAFの国際共同制作ワークショップに参加したフィリピンの演出家イッサ・マナロ・ロペス、京極朋彦を中心に、出演者として東南アジアや、日本含む東アジアから合計6名程度が参加してオリジナル作品を制作します。作品作りを模索する過程で、各参加者が従来慣れている環境から離れ、異なる演劇のあり方や創作方法について気づき、発見しながら、自分たちの集団的創作を試みます。
今後のアジアの舞台芸術を担う世代のアーティストが、国際コラボレーションによる舞台芸術の可能性を拓いていくことを目指しています。
APAF Lab.
インドネシアのジョグジャカルタと東京にそれぞれ一週間ほど滞在し、観劇、レクチャー聴講、アートスペース訪問、ワークショップ、ディスカッション等を通して、互いの問題意識や作品創作における思考について理解を深めます。
滞在期間中はキャプテンと呼ばれるファシリテーターが、参加者みずからが課題を設定し、対話を通じてそれを掘り下げていく作業をサポートします。後半の東京滞在では、初日に中間報告会を行い、また最終日には一般公開でのプレゼンテーションを実施し、各参加者がラボで得たものを何らかの形で観客と共有します。
通常の作品上演とは異なり、完成度よりもそこに至るまでのプロセスや今後の可能性を重視する場となります。国境を越えた活動が求められていくであろう未来の舞台芸術界にとって、必要な人材や活動を育成するプログラムです。
APAF 公式ウェブサイト http://butai.asia/ja/
- 主催:東京芸術祭実行委員会〔豊島区、公益財団法人としま未来文化財団、フェスティバル/トーキョー実行委員会、公益財団法人東京都歴史文化財団(東京芸術劇場・アーツカウンシル東京)〕
- 共催:国際交流基金アジアセンター
- 協力:台北市文化局
- 令和元年度 文化庁 国際文化芸術発信拠点形成事業(豊島区国際アート・カルチャー都市推進事業)
【APAF2018 国際共同制作ワークショップ】
【APAF2018 アートキャンプ】
【APAF2017 国際共同制作ワークショップ】