現在開催中の『アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960-1990年代』展に合わせて、関連する国・地域のレクチャーを開催します。
展覧会のテーマとなっている1960~90年代のアジア各国・地域に焦点を当て、当時の文化・芸術をめぐる社会状況を専門家の方々にお話しいただきます。
イベント詳細
開催日 | 第1回 2018年12月8日(土曜日)※終了しました 第2回 2018年12月22日(土曜日)※終了しました 第3回 2018年12月23日(日曜日)※終了しました |
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会場 |
東京国立近代美術館 地下1階講堂 |
定員 | 各回140名(申込不要、先着順) |
参加費 | 無料 ※ただし、本展覧会チケットが必要(使用済み半券可) |
言語 | 日本語 |
主催 | 国際交流基金アジアセンター、東京国立近代美術館 |
お問合せ先 | 国際交流基金アジアセンター文化事業第1チーム Awakenings@jpf.go.jp TEL:03-5369-6140 |
内容
第2回
光州事件と80年代民衆美術―韓国
- 上映映画:『光州5・18』(監督:キム・ジフン、韓国、2007年、DVD上映)
- 講師:真鍋 祐子(東京大学東洋文化研究所教授)
- 日時:2018年12月22日(土曜日)13時から16時30分(開場12時30分)
※終了時間は変更になる可能性がございます
講師
真鍋 祐子(東京大学東洋文化研究所教授)
博士(社会学)。大学院在学中の1987~88年に慶煕大学校に留学し、仁川を中心に黄海道失郷民のシャーマニズムを調査した。91~93年、韓国・啓明大学校客員講師。全斗煥・盧泰愚の二つの軍事政権末期を経験したことで、韓国民主化運動における死者の問題に関心をもち、93年よりソウルおよび光州での調査・研究に携わってきた。映画「光州5・18」の日本公開にあたっては、パンフレットおよび公式サイトに掲載する解説文を担当した。訳書『恨の人類学』(平河出版社、1994年)、著書『烈士の誕生-韓国の民衆運動における「恨」の力学』(平河出版社、1997年)、『増補 光州事件で読む現代韓国』(平凡社、2010年)のほか、半自伝的著書『自閉症者の魂の軌跡-東アジアの「余白」を生きる』(青灯社、2014年)等、論著多数。
レクチャー内容
1980年に発生した光州事件は全世界に大きな衝撃を与えるとともに、韓国内では民主化運動が様々な形で展開される契機となりました。本展でも紹介している韓国の民衆美術も、民主化運動の一つの形といえます。第2回は、光州事件及び同時代の韓国の社会・文化状況に関して長年にわたり研究を続ける真鍋祐子氏をお迎えします。光州事件を題材にした2007年の韓国映画『光州5・18』を上映後、光州事件に対する韓国内の見方が現在どのように変化しているのか、また同事件や民主化運動に80年代の民衆美術がどのように関係し、日本をはじめとした諸外国とどのように接続されていたのかについて、最新の研究成果含めお話しいただきます。
第3回
東南アジアの民衆演劇運動とマレーシア現代演劇:ファイブ・アーツ・センターの活動から
- 講師:滝口 健(ドラマトゥルグ、翻訳家)
- 日時:2018年12月23日(日曜日)14時30分~16時(開場14時)
講師
滝口 健(ドラマトゥルク、翻訳者)
1999年から2016年までマレーシア、シンガポールに拠点を置き、国際交流基金クアラルンプール日本文化センター副所長、劇団ネセサリー・ステージ運営評議員、シンガポール国立大学英語英文学科演劇学専攻リサーチフェローなどを歴任。近著にExcavations, Interrogations, Krishen Jit & Contemporary Malaysian Theatre (Kuala Lumpur: Five Arts Centre, Singapore: Epigram Books, 2018、共編著)など。現在、世田谷パブリックシアター勤務。東京藝術大学大学院非常勤講師。PhD(シンガポール国立大学)。
レクチャー内容
東南アジアを中心に、一時期大きな影響力を持った民衆演劇運動。しかし、マレーシアにおける動きはあまり取り上げられてきませんでした。今回のレクチャーでは、1984年から活動を続けるアーティスト・コレクティブ、ファイブ・アーツ・センターの活動を分析することで、マレーシアの現代演劇を地域的な文脈の中に位置づけ、その理由を探ることを目指します。また、同時代のマレーシアと周辺国の状況を比較することで、当時の東南アジアにおける民衆演劇運動とはどのようなものであったのかが浮かび上がることでしょう。
第1回
越境する中華圏の文化と社会―中国、香港、台湾
※第1回は終了しました。
- 上映映画:『あの頃、この時』(原題『那時.此刻』、監督:楊力州、台湾、2014年)
- 講師:倉田 徹(立教大学教授)、林 ひふみ(明治大学教授)
- 日時:2018年12月8日(土曜日)13時から16時30分(開場12時30分)
※終了時間は変更になる可能性がございます
講師
倉田 徹(立教大学法学部政治学科教授)
2008年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。在香港日本国総領事館専門調査員、金沢大学国際学類准教授、立教大学法学部政治学科准教授などを経て2017年より現職。研究テーマは香港現代政治。著書『中国返還後の香港 ―「小さな冷戦」と一国二制度の展開』(名古屋大学出版会、2009年)=2010年度サントリー学芸賞、『香港:中国と向き合う自由都市』(共著、岩波新書、2015年)、『香港を知るための60章』(共編著書、明石書店、2016年)など。最近の論文に「雨傘運動とその後の香港政治―一党支配と分裂する多元的市民社会」(『アジア研究』第63巻1号、2017年)「返還後20年の香港政治:中国と香港の巨大な変化」(『立教法学』第98号、2018年)などがある。
林 ひふみ(明治大学教授)
早稲田大学在学中に北京外国語学院、広州中山大学に留学。1990年代より中文コラムニスト(筆名:新井一二三)として、香港『明報』、台湾『自由時報』、中国『南方都市報』など十数紙にコラムを連載。現在は上海『澎湃』、台湾『蘋果日報』特約コラムニスト。中国語著書に『我這一代東京人』(上海訳文出版社)、『独立、一個人旅行開始』(台湾大田出版)など約三十点。日本語著作に『中国語はおもしろい』(講談社現代新書)、『中国、台湾、香港映画のなかの日本』(明治大学出版会)など。
レクチャー内容
政治体制や社会状況が異なる中国、香港、台湾の中華圏において、文化や芸術がどのように伝播し互いに影響を与え、その時どきの政治や社会状況が各地の文化にどのような変化をもたらしたのかを考えます。台湾の映画賞・金馬奨の歴史を描いたドキュメンタリー映画『あの頃、この時』の上映の後、専門家のお二人を迎え、主に1980年代以降の様々な文化領域における中華圏内の越境の歴史と現状について、ご自身の経験を踏まえつつお話しいただきます。(協力:山形国際ドキュメンタリー映画祭)