CROSSCUT ASIA #04 ネクスト!東南アジア

日本

2014年に東京国際映画祭(以下、TIFF)の一部門として創設された「国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA」では、国、監督、テーマなど様々な切り口で、アジアの現在(いま)を鋭く切り取った映画の特集上映を行っています。第30回TIFFでは、その第4弾として「ネクスト!東南アジア」と題し、東南アジアの国の新作映画を幅広く特集します。

フィリピンのブリランテ・メンドーサ監督(『ローサは密告された』<2016>)、ベトナムのトラン・アン・ユン監督(『ノルウェイの森』<2010>)、タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督(『ブンミおじさんの森』<2010>)、インドネシアのガリン・ヌグロホ監督(『オペラ・ジャワ』<2006>)など、精力的な映画制作や後進の教育活動などで各国の映画界を牽引する名監督たちが、直々に推薦する若手監督たちの作品を紹介し、先輩から後輩へとつながる東南アジア映画の系譜に注目いたします。会期中には、上映作品の監督や出演者らが来日し、Q&Aやシンポジウムを実施いたします。

【CROSSCUT ASIA#04 ネクスト!東南アジア フライヤー】PDF 2.4M

CROSSCUT ASIA #04: 「ネクスト!東南アジア」-Special Trailer 特別予告編

上映ラインナップ

トラン・アン・ユン監督推薦(ベトナム)
『大親父と、小親父と、その他の話』(監督:ファン・ダン・ジー)

102分|2015年|ベトナム/フランス/ドイツ/オランダ
(c) DNY_PRODUCTIONS

映画『大親父と、小親父と、その他の話』のスチル画像

21世紀初頭のホーチミン市。写真を学ぶために田舎から出てきたヴーは、ルームメイトのタン、娼婦のヴァンと奇妙な三角関係に陥っていく……。新世代ベトナム映画の代表格、ファン・ダン・ジー監督はTIFF初登場。

『大親父と、小親父と、その他の話』予告編

ガリン・ヌグロホ監督推薦(インドネシア)
『回転木馬は止まらない』(監督:イスマイル・バスベス)

84分|2017年|インドネシア
(c) Bosan Berisik Lab

映画『回転木馬は止まらない』のスチル画像

バンドを組む3人娘、亡妻が忘れられない男、今の生活から逃げたい娼婦など、複数の人生がクロスする群像劇。バスベス監督はTIFF2015の『三日月』に続く登場。本作では脚本も担当している。

『回転木馬は止まらない』予告編

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督推薦(タイ)
『4月の終わりに霧雨が降る』(監督:ウィットチャーノン・ソムウムチャーン)

77分|2012年|タイ/オランダ

映画『4月の終わりに霧雨が降る』のスチル画像

東北タイのイサーン地方を舞台に、失業して帰郷した男とともに進行するタイならではのユルくて実験的な作品。現実と虚構が絡み合い、映画を撮ることと撮られることが反転する。アジアフォーカス・福岡国際映画祭2012出品。

『4月の終わりに霧雨が降る』予告編

ブリランテ・メンドーサ監督推薦(フィリピン)
『キリスト』(監督:HF・ヤンバオ)

92分|2016年|フィリピン
(c) Eichef Media ∕ HFilms 2016

映画『キリスト』のスチル画像

ボーイは闘鶏で稼いだカネで妻と娘を養っているが、闇社会と隣り合わせのギャンブルの世界では常にボスから過酷な要求が降ってくる……。メンドーサ映画でおなじみのフリオ・ディアスがボス役を好演している。

『キリスト』予告編

女優シャリファ・アマニ推薦(マレーシア)
『私のヒーローたち』(監督:エリック・オン)

122分|2017年| マレーシア
(c) SOL PICTURES SDN BHD

映画『私のヒーローたち』のスチル画像

地方の学校に赴任したシェリル先生は、貧困や家庭問題を抱える生徒たちを前に途方に暮れるが、一緒に英語斉唱コンクールをめざすなかで変化が訪れる。『タレンタイム~優しい歌』に続くマレーシア発ハートフル青春映画。

『私のヒーローたち』予告編

エリック・クー監督推薦(シンガポール)
『ポップ・アイ』(監督:カーステン・タン)

102分|2017年|シンガポール/タイ
(c) Giraffe Picture Pte Ltd, E&W Films, A Girl And A Gun 2017

映画『ポップ・アイ』のスチル画像

失意の建築家がバンコクの街中で幼いころ飼っていた象のポパイと再会。かつて一緒に育った農場をめざして象と人間の旅が始まる。サンダンス映画祭で話題沸騰、新人女性監督カーステン・タンのゆったりゆっくりロードムービー。

『ポップ・アイ』予告編

リリ・リザ監督推薦(インドネシア)
『他者の言葉の物語』(監督:BW・プルバ・ヌガラ)

82分|2016年|インドネシア
(c) Purbanegara Films

映画『他者の言葉の物語』のスチル画像

95歳のスリばあさんが生き別れた夫の墓を探す旅に出る。彼女の最後の願いは夫の墓の隣りで永遠に眠ること。対オランダ独立戦争の記憶が甦る、インドネシアの最新話題作。プルバ・ヌガラ監督は本作で長編デビュー。

『他者の言葉の物語』予告編

石坂健治プログラミング・ディレクター推薦
『ヤスミンさん』(監督:エドモンド・ヨウ)

70分|2017年|マレーシア
(c) Greenlight Pictures

映画『ヤスミンさん』のスチル画像

行定勲「鳩 Pigeon」(『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』の1編)のペナン島ロケのメイキングのはずが、撮影者エドモンドのカメラはいつしか故ヤスミン・アフマド監督(『タレンタイム~優しい歌』)の軌跡をたどる旅へと横滑りを始める。

リティ・パン監督推薦(カンボジア)
「カンボジア若手短編集」

(c) BOPHANA CENTER, (c) Anti Archive & Apsara Films

  • 『ABCなんて知らない』(監督:ソク・チャンラド&ノム・パニット)
    22分|2015年
  • 『赤インク』(監督:リー・ポーレン)
    21分|2016年
  • 『三輪』(監督:ニアン・カヴィッチ)
    21分|2015年
  • 『20ドル』(監督:サン・チャンヴィサル)
    13分|2017年
映画『ABCなんて知らない』のスチル画像
映画『赤インク』のスチル画像
映画『三輪』のスチル画像
『20ドル』(監督:サン・チャンヴィサル)

ディスカバー亜州電影
『カカバカバ・カ・バ?』(監督:マイク・デ・レオン)

106分|1980年|フィリピン

映画『カカバカバ・カ・バ?』のスチル画像

伝説の巨匠マイク・デ・レオンの抱腹絶倒ミュージカル・コメディがデジタル復元で甦る! フィリピンを麻薬漬けにしようと潜伏する日本人ヤクザとその一味。祖国の危機を救うため男女4人が立ち上がった。

作品詳細・上映情報は公式webサイトまで!

関連講演

1)カーステン・タン監督(学習院女子大学国際文化交流学部「国際文化交流演習」)

講演するカーステン・タン監督の写真
開催日時 2017年10月30日(月曜日)
会場 学習院女子大学
登壇ゲスト カーステン・タン(『ポップ・アイ』監督)、タネート・ワラークンヌクロ(『ポップ・アイ』 主演)
モデレーター 土田環(早稲田大学基幹理工学部表現工学科講師/学習院女子大学非常勤講師)
講演抄録 https://asiawa.jpf.go.jp/culture/features/f-ah-tiff2017-kirsten-tan-thaneth-warakulnukroh/

2)ニック・ディオカンポ氏(立教大学観光学部舛谷研究室)

講演するニック・ディオカンポ氏の写真1
講演するニック・ディオカンポ氏の写真2
開催日時 2017年10月30日(月曜日)
会場 立教大学新座キャンパス
ゲスト講師 ニック・ディオカンポ(フィリピン大学フィルム・インスティトゥート准教授、東京国際映画祭「アジアの未来」国際交流基金アジアセンター特別賞審査委員)
討論者 四ノ宮浩(『忘れられた子供たち スカベンジャー』監督)
モデレーター 舛谷鋭(立教大学観光学部教授)
イベント詳細 https://asiawa.jpf.go.jp/culture/events/e-tiff-2017-filipino-movies-lecture/

3)ファン・ダン・ジー監督(早稲田大学基幹理工学部表現工学科  映像制作実習)

講演するファン・ダン・ジー監督の写真
開催日時 2017年10月31日(火曜日)
会場 早稲田大学(西早稲田キャンパス)
ゲスト ファン・ダン・ジー監督(『大親父と、小親父と、その他の話』監督)、ドー・ティ・ハイ・イェン(『大親父と、小親父と、その他の話』主演)

「第30回東京国際映画祭」開催概要

日程:2017年10月25日(水曜日)~11月3日(金曜日)

会場:六本木ヒルズ(港区)、EXシアター六本木(港区)ほか

チケット:10月14日(土曜日)より東京国際映画祭公式サイトにて販売開始

主催:公益財団法人ユニジャパン

CROSSCUT ASIAシリーズ

「CROSSCUT ASIA #01 魅惑のタイ」特集

「CROSSCUT ASIA #02 熱風!フィリピン」特集

「CROSSCUT ASIA #03 カラフル!インドネシア」特集

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