2014年に東京国際映画祭(以下、TIFF)の一部門として創設された「国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA」では、国、監督、テーマなど様々な切り口で、アジアの現在(いま)を鋭く切り取った映画の特集上映を行っています。第31回TIFFでは、その第5弾として「ラララ♪東南アジア」と題し、音楽に注目して東南アジアの国の新作映画を幅広く特集します。
第5回目となる本年度は、フィリピンのラップ、タイのイサーン・バンド音楽、カンボジアの歌謡曲など、音楽に注目して様々なジャンルの作品を上映いたします。巨匠から若手作家まで、音楽を通じて東南アジアの歴史と社会を映し出したラインナップとなり、監督や俳優ら来日ゲストによるQ&Aセッションなど、交流できるチャンスもありますので、ご期待ください。
また、10月26日(金曜日)にはシンポジウムを行います。ぜひご参加ください。
CROSSCUT ASIA #05 シンポジウム「それぞれのSoundtrip~映画と音楽のコラボから何が見えるか」
※イベントは終了いたしました。
CROSSCUT ASIA #05「ラララ♪東南アジア」Special Trailer 特別予告編
上映ラインナップ
『BNK48: Girls Don't Cry』
2018年 タイ/108分
監督:ナワポン・タムロンラタナリット
キャスト:BNK48(1期生)
AKB48の姉妹グループとして2017年に結成されたBNK48のドキュメンタリー。メンバーへのインタビューがそれぞれの個性を浮き彫りにする。監督は『マリー・イズ・ハッピー』(13)が話題を呼んだ、ポスト・アピチャッポン世代の筆頭格。
『ブラザー・オブ・ザ・イヤー』
2018年 タイ/124分
監督:ウィッタヤー・トーンユーヨン
キャスト:サニー・スワンメーターノン、ウッラサヤー・セパーバン、ニチクン・バック・ホラウェーチャクン
冴えない兄チュットと才媛の妹ジェーンを中心に展開する軽快なラブコメ。イサーン音楽のバンドが彩りを添え、ジェーンの日本人婚約者を韓国のアイドルグループ2PMのニックンが演じている。
『めくるめく愛の詩』
2016年 インドネシア/91分
監督:ガリン・ヌグロホ
キャスト:チコ・ジェリコ、ペフィタ・ピアース、ノファ・エリザ
幼馴染みのルーミーとユリアの恋の顛末を1970年代から90年代まで追い、それぞれの時代の社会情勢を背景に盛り込んだ巨匠ヌグロホの佳品。70年代の部分はポップ・ミュージカルの形式が挿入される。
『カンボジアの失われたロックンロール』
2014年 アメリカ/カンボジア/107分
監督:ジョン・ピロジー
キャスト:シン・シサモット、ロ・セレイソティア、バイヨン・バンド
クメール・ルージュによって弾圧されるまでのカンボジアのポピュラー音楽史を1950~70年代まで辿った貴重な音楽ドキュメンタリー。生存者へのインタビューやアーカイブ映像を駆使して歴史が甦る。
『輝ける日々に』(『サニー』ベトナム版)
2018年 ベトナム/117分
監督:グエン・クアン・ズン
キャスト:ホン・アィン、タィン・ハン、ミ・ウエン
癌とたたかうミー・ズンのもとに女子高の同級生4人が20年ぶりに集合。再会した彼女らに懐かしい思い出が甦る。韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を日本に続いてリメイクしたベトナム版は歌でいっぱいの青春ストーリー。
『音楽とともに生きて』
2018年 カンボジア/91分
監督:ヴィサル・ソック、ケイリー・ソー
キャスト:ヴァンダリス・ペム、スレイナン・チア、ソウナ・カニカ
クメール・ルージュ以前の平穏な時代、真っ只中の過酷な時代、そして21世紀。激動の現代史をカンボジアの大歌手シン・シサモットの1曲でつなぎ、母から娘に祖国の魂を継承してゆく珠玉の音楽=物語。
『リスペクト』
2017年 フィリピン/99分
監督:トレブ・モンテラスII
キャスト:アブラ、ディド・デ・ラ・パス、ルーニー
犯罪と貧困に囲まれながらヒップホップにのめり込むヘンドリックスと仲間たちは、マルコス時代に傷を受けた老詩人ドクと出会い、世代を超えて詩作の力に共感しあう。ストリートのラップ合戦が見どころ!
『悪魔の季節』
2018年 フィリピン/234分
監督:ラヴ・ディアス
キャスト:ピオロ・パスカル、シャイーナ・マグダヤオ、ピンキー・アマドア
1970年代後半のマルコス独裁政権下、村で医院を開設したロリーナが失踪し、夫のヒューゴが捜索を開始する。『立ち去った女』のディアスが「ロック・オペラ」と呼ぶ4時間のアカペラ歌唱劇。ベルリン2018コンペ出品。
ピート・テオ特集
ミュージシャンにして映画俳優(『ゴースト・イン・ザ・シェル』)・プロデューサー・監督もこなすマルチな活動歴から、テオが関わった映像作品を紹介。
『15Malaysia』
2009年 マレーシア/80分
監督:ホー・ユーハン、ヤスミン・アフマド、アミール・ムハマド、ライナス・チャン、リュウ・センタック、デスモンド・ン、カマル・サブラン、タン・チュイムイ、ウー・ミンジン、ジェームズ・リー、ベンジー&バヒール、ジョアン・ジョン、カイリル・バハール、ナム・ロン、スレイマン兄弟
ピート・テオが企画したマレーシアの監督15人によるオムニバス作品。マレーシア社会の多様性を15の短篇がすくい取っている。注目はヤスミン・アフマド監督(『タレンタイム~優しい歌』)の遺作となった『Chocolate』で、彼女の最後のメッセージが込められる。ジェームス・リー、ホー・ユーハン、タン・チュイムイ、リュウ・センタックら「マレーシア新潮」の作家たちを統括したテオのリーダーシップに刮目させられる。
【ほか上映作品】 『Vote!』『Malaysia Day: Slipstream』『Here In My Home』『I Go』
『Vote!』(原題:Undilah)
2011年 マレーシア/約4分
監督:ベンジー・リム
エグゼクティブ・プロデューサー:ピート・テオ
若い世代に向けて投票に行こうと呼びかける。
『Malaysia Day: Slipstream』(原題:Hari Malaysia)
2013年 マレーシア/約4分
作曲、プロデューサー、監督:ピート・テオ
1957年と63年の建国記念式典のニュース映像を加工。
『Here in My Home』 [Music video]
2008年 マレーシア/約4分
監督:ヤスミン・アフマド、ホー・ユーハン
プロジェクト・プロデューサー、作曲:ピート・テオ
人種差別反対を訴えてヤスミンらと歌い踊る。
『I Go』 [Music video]
2008年 マレーシア/約4分
監督:カマル・サブラン
プロデューサー、作曲、アーティスト:ピート・テオ
『タレンタイム~優しい歌』挿入歌のセルフ・カヴァー。
関連講演
1)ヴィサル・ソック監督、ケイリー・ソー監督(明治学院大学文学部芸術学科 映像芸術学コース)
開催日 | 2018年10月29日(月曜日) |
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会場 | 明治学院大学 文学部芸術学科 映像芸術学コース |
登壇ゲスト | ヴィサル・ソック、ケイリー・ソー(『音楽とともに生きて』共同監督) |
モデレーター | ローランド・ドメーニグ(明治学院大学文学部 芸術学科 准教授) |
2)トレブ・モンテラスII監督(早稲田大学基幹理工学部表現工学科 是枝・土田研究室)
開催日 | 2018年10月30日(火曜日) |
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会場 | 早稲田大学(西早稲田キャンパス) |
ゲスト | トレブ・モンテラスII(『リスペクト』監督) |
モデレーター | 土田 環(早稲田大学基幹理工学部表現工学科講師) |
作品詳細・上映情報
第31回東京国際映画祭 公式Webサイト
「第31回東京国際映画祭」開催概要
日程 | 2018年10月25日(木曜日)~ 11月3日(土曜日・祝日) |
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会場 | 六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)ほか |
チケット | 10月13日(土曜日)より東京国際映画祭公式サイトにて販売開始 |
主催 | 公益財団法人ユニジャパン |
公式サイト | https://2018.tiff-jp.net/ |
「CROSSCUT ASIA #04 ネクスト!東南アジア」特集
「CROSSCUT ASIA #03 カラフル!インドネシア」特集
「CROSSCUT ASIA #02 熱風!フィリピン」特集
本事業はbeyond2020の認証事業です。