キュレーターズ・フォーラム2018「新たなエコロジーの想像に向けて」

日本

国際交流基金は、東南アジアと日本の次代を担うキュレーターによる協働企画事業を、「Media/Art Kitchen」(2013-14年)、「Run & Learn」(2014-15年)、「Condition Report」(2015-17年)と継続して東南アジア各国で実施してきました。
これら3つのプロジェクトは、テーマを設定し、ワークショップ、調査、ディスカッション、展覧会を幾重にも組み合わせた構造を持ち、協働を通じてネットワークを構築し、連帯感を醸成し、参加者が事業とともに展覧会づくりの経験を充実していくというものでした。さらに開催地もこれまでのようにジャカルタ、バンコクといった大都市だけでなくキュレーターが実際に住むペナン、コタキナバル、スマラン、青森など、地方都市での事業展開を試みました。
本フォーラムでは、これらの事業に参加したキュレーターに新しいメンバーを加えて、さまざまな環境において、キュレーターとはどのような役割なのか、美術活動を通じてなにをめざすのか、その公共性をどのように担保するのかなどについて、1.パブリック、2.歴史、3.教育という3つのセッションを設定して議論していきます。
お互いの現場からの経験知を共有し、問題提起と議論を通じて2018年現時点における現代美術をめぐるキュレーションの課題を明らかにするとともに、状況をよりよい方向に改革していくためのアイデアを探っていきます。皆様のご参加をお待ちしています。

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Condition-Reportのリーフレット1ページ目

イベント詳細

日時 2018年10月17日(水曜日)セッション1 パブリック
2018年10月18日(木曜日)セッション2 歴史
2018年10月19日(金曜日)セッション3 教育
毎回午後2時から5時
会場

国際交流基金本部2階ホール[さくら] アクセス
東京都新宿区四谷4-4-1 google map

言語 日英同時通訳
入場 無料(要事前申込)、定員50名
主催 国際交流基金アジアセンター
申込み [申込み方法]
必要事項(下記1~5)を明記のうえ、件名を「キュレーターズ・フォーラム2018」としてメールでjfac_visual_arts@jpf.go.jpまでお申込みください。

1.参加希望日、2.氏名(フリガナ)、3.所属・肩書き、4.電話番号、5.E-mailアドレス

問合せ 国際交流基金アジアセンター 文化事業第1チーム(担当:古市)
TEL:03-5369-6140
E-mail:jfac_visual_arts@jpf.go.jp

パネリスト

アヨス・プルウォアジ(インディペンデント・キュレーター、ライター/インドネシア)
レオンハルト・バルトロメウス(ruangrupa メンバー/インドネシア)
シャフィアトディナ(KUNCI キュレーター/インドネシア)
ビヴァリー・ヨン(RugueArt 編集者、ライター/マレーシア)
マウン・デイ(アーティスト、詩人、キュレーター/ミャンマー)
リサ・イトー・タパン(フィリピン大学講師/フィリピン)
ゴー・ヅィーイン(シンガポール国立美術館アシスタント・キュレーター/シンガポール)
セレネ・ヤップ(インディペンデント・キュレーター/シンガポール)
ヴィパート・プリチャーノン(インディペンデント・キュレーター/タイ)
ビル・グエン(The Factory Arts Centre キュレーター/ベトナム)
ウェン・レー(インディペンデント・キュレーター/ベトナム)
崔 敬華(東京都現代美術館キュレーター/日本)
堀内 奈穂子(アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT] キュレーター/日本)
熊倉 晴子(森美術館アシスタント・キュレーター/日本)
白木 栄世(森美術館ラーニング・キュレーター/日本)
西田 雅希(インディペンデント・キュレーター/日本)
長谷川 新 (インディペンデント・キュレーター/日本)

プログラム

セッション 1 パブリック

キュラトリアルな実践は、「パブリック(公共/性)」の想像、もしくはその希求によって形づけられるといえます。しかし、現代美術がその多様な提示方法や関わり方を通じて、より幅広い社会階層へと働きかけるにつれ、「パブリック」という言葉はより複雑な意味合いを含むことになります。このセッションでは、組織、コミュニティ・ベースを問わず、キュラトリアルな実践において「パブリック」を形成することの意味や可能性について考えます。大規模な美術組織において、単一的な主体の集合という近代的なパブリックの概念を乗り越えることはできるのでしょうか。インディペンデントな実践、もしくはコミュニティ・ベースのプロジェクトにおいて、社会的変化をもたらす新たなパブリックと、それを織りなすエージェンシーを想像し、形成することはどのように可能なのでしょうか。

モデレーター:崔 敬華+堀内 奈穂子
発表:ゴー・ヅィーイン、アヨス・プルウォアジ、マウン・デイ、セレネ・ヤップ、熊倉 晴子

セッション 2 歴史

歴史は、それが美術史的であれ社会政治的観点であれ、多くの美術制作における魅力的な出発点となっています。それぞれの事象が互いに関係し合い、絶えず協議され、再定義され、現代的なアイデンティティや儀式、価値の中でそのあり方を問われているようです。アーティストやキュレーターの視点がどのように歴史を作り、あるいはそれを再定義してゆくことができるか。言い換えればどのように歴史は形作られ、文脈化され、歴史的/現代的な断片として解釈され得るのか。セッション2では、歴史という概念に関するいくつかの実践を通じて、これらの問題や多様な形式における視覚化について焦点を当て、議論を行います。

モデレーター:ビヴァリー・ヨン+崔 敬華
発表: ヴィパート・プリチャーノン、リサ・イトー・タパン、レー・トァン・ウエン、
長谷川 新、 西田 雅希

セッション 3 教育

美術の表現の拡張や、特定のコミュニティや歴史、文脈に着目したキュレーションの手法が多様化する中で、教育をはじめレジデンス、出版、アーカイブの構築、トークなど、展覧会に関連したプログラムづくりもより活発になっています。幅広い鑑賞者に向けて学びの場を作ることは、いまや、展覧会とそれを取り囲む社会や政治などの文脈と一緒に考える上で、不可欠な要素であると考えられます。美術は、様々な知識と結びつきながらどのような対話や議論を生むことができるのでしょうか。また、それを享受する側は、どのような知識を美術の学びから得たいと思っているのでしょうか。このセッションでは、様々な美術の教育やラーニングの場づくりを行う美術館やアーティスト・コレクティヴ、アートスペースなどの考えを紹介しながら、新たな美術の学びについて考察します。

モデレーター: ビヴァリー・ヨン+ 堀内 奈穂子
発表: シャフィアトディナ、ビル・グエン、レオンハルト・バルトロメウス、白木 栄世

全体のまとめ

本事業はbeyond2020の認証事業です。