三原聡一郎《 鈴》(インスタレーション/2013)
国際交流基金アジアセンターは、國學院大學文学部と共催し、連続フォーラム「アートがつなぐサイエンス・テクノロジー・倫理・美学」を実施しています。本フォーラムは、アート、サイエンス、テクノロジー、倫理等の分野を横断的に結びつける現代アートの実践をテーマに、分野間の相互理解や、専門研究と文化政策、研究者とアーティスト、作品と鑑賞者をつなぐ文化研究・交流のプラットフォームの形成を目指すものです。
※過去のフォーラムついては下記関連ページをご参照ください。
第4回は「ミクロな世界を感知すること――放射線、人間、環境」と題し、アーティストの三原聡一郎氏と国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の眞田幸尚氏、東京電力ホールディングス株式会社福島第一廃炉推進カンパニーリスクコミュニケーターの木元崇宏氏をお招きし開催します。
「ミクロな世界を感知すること――放射線、人間、環境」
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私たちは古くから多種多様な科学的知見と技術を用いて、知覚できない世界を感知可能なものにしようと努め、そしてその世界を想像力によって色付け、意味を与えてきました。そうした世界に住まう放射線は、2011年3月11日以降、私たちの生(命/活)にとって際立った存在になっています。今後私たちはこの存在をどのように色付け、意味を与えていくのでしょうか。
本フォーラムでは、2013年に放射線をメディウムとした作品《 鈴》を発表したアーティスト三原氏、放射線モニタリング技術の専門家である眞田氏、さらには東京電力のリスクコミュニケーターとして原子力発電所と社会を結ぶ木元氏の3名によるレクチャーと、参加者とのディスカッションを通じて、これからの放射線と環境、人間の関係を考えて いきます。
イベント詳細
講師
三原 聡一郎(アーティスト)
世界に対して開かれたシステムを提示し、音、泡、放射線、虹、微生物、苔、気流、土そして電子など、物質や現象の「芸術」への読みかえを試みている。2011年より、テクノロジーと社会との関係性を考察する「空白のプロジェクト」を国内外で展開。北極圏から熱帯雨林、軍事境界からバイオアートラボといった、アートの実践の場から極限環境に至る場で、これまでに計8か国10か所で滞在制作を実施。近年の主な個展に「空白に満ちた場所」(クンストラウム・クロイツベルク/ベタニエン、ドイツ、2013/京都芸術センター、2016)。主な受賞歴にアルス・エレクトロニカ、トランスメディアーレ、文化庁メディア芸術祭など。
※三原氏アジアセンター関連イベント
展覧会:Internet of (No)Things―遍在するネットワークと芸術の介入
眞田 幸尚(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)
福島研究開発部門福島環境安全センター放射線監視技術開発グループリーダー。理学博士。核燃料サイクル開発機構に入社後、再処理施設の放射線管理の現場にて放射線モニタリング機器の開発に携わる。福島事故直後より福島県を中心とするモニタリング技術に関わり、有人のヘリコプターを用いた航空機モニタリング、無人機を用いたモニタリング等の国家プロジェクトの中心的な役割を果たす。
https://researchmap.jp/sanayuki/?lang=japanese
木元 崇宏(東京電力ホールディングス株式会社福島第一廃炉推進カンパニーリスクコミュニケーター)
東京電力に1991年入社して以降、原子力部門にて原子力発電所の建設、設備補修、放射性廃棄物処分、保全の高度化、システム開発など多岐に渡り従事。東日本大震災が発生した際は、福島第二原子力発電所で勤務していた。福島第一の事故後は、地域住民の方々のサポート、地元自治体への説明、地元マスコミへの説明などを経て、現在は東京にてスポークスパーソンとして記者会見の対応を行っている。