グブラ:(C) Nusanbakti Corporation
アット・ザ・ホライズン:(C) Lao New Wave Cinema Productions
開催レポートを公開しました。
シンポジウム・参考上映会「格差を包む信仰~映画が描く東南アジアの赦しと救済」開催レポート
国際交流基金アジアセンターは混成アジア映画研究会との共催で、「格差を包む信仰 映画が描く東南アジアの赦しと救済」と題したシンポジウムおよび上映会を実施します。
民族や言語、経済状況の違いによって人々の間に生まれる壁。東南アジア地域では、多民族・多言語の人々が暮らす社会や、著しい発展の一方で経済格差が進んでいく状況の中で、多様な人々が共生していくための努力が重ねられています。
様々な生活環境の下に暮らす人々の関係を下敷きに描かれた東南アジア映画と、それらに向けられる検閲や批判を通して、自らと異なるものを排斥する傾向が強くなっているようにも見える今日の世界の状況とも照らし合わせながら、互いを理解してその壁を乗り越えていく方法、赦しと救済について考えます。
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イベント詳細
日時 | 2019年11月15日(金曜日)14時~20時45分(13時30分開場) |
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会場 |
国際交流基金ホール[さくら] アクセス ※東京メトロ丸ノ内線 四谷三丁目駅1番出口から徒歩3分 |
入場 | 無料(予約不要)、定員90名 |
言語 | シンポジウム:日本語 上映:日本語・英語字幕 |
主催 | 国際交流基金アジアセンター 混成アジア映画研究会 |
問合せ | 国際交流基金アジアセンター 文化事業第1チーム (担当:山野) E-mail:jfac_film@jpf.go.jp |
プログラム
- 13時30分:開場
- 14時:開会ご挨拶・当日のご案内
- 14時15分:参考上映 映画『グブラ』
- 16時15分:休憩
- 16時30分:シンポジウム
「罰するのは誰か―契りと定め」山本博之
「来世につなぐ功徳と赦し―社会悪とカルマ」橋本彩 - 17時10分:パネルディスカッション・Q&A
- 18時40分:休憩
- 19時:参考上映 映画『アット・ザ・ホライズン』
参考上映作品
『グブラ』(Gubra)
2005年/マレーシア/113分/DVD/マレー語・英語・広東語/日本語・英語字幕
監督:ヤスミン・アフマド
マレーシアの地方都市で、つましくも満たされた暮らしを送る宗教指導者の夫婦が、それぞれの家族を守るために身をひさぐ2人の女性に寄り添おうとする。マレーシアでの公開時には、型破りなイスラム教の指導者像が一部の批評家から激しく攻撃された。(物語の一部は同監督の『細い目』(10月11日から全国で順次公開)の続編にあたります。)
『アット・ザ・ホライズン』(At the Horizon)
2012年/ラオス/101分/DVD/ラオス語/日本語・英語字幕
監督:アニサイ・ケオラ
経済成長が著しいラオスの首都ヴィエンチャンにおける格差問題を2つの家族から描いた作品。父親の権力を背に傍若無人に振る舞う青年シンと、障がいを持ちながらも家族と幸せに慎ましく暮らすラットは、ある事件をきっかけに互いの人生に深く関わっていく。検閲の厳しいラオスにおいて、現代社会の問題に鋭く切り込んだ監督のデビュー作。
登壇者・モデレーター
登壇者
山本博之(京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)
専門は東南アジア地域研究/メディア研究。マレーシア・サバ大学、在インドネシア・メダン総領事館などでの勤務を経て現職。編著書に『マレーシア映画の母 ヤスミン・アフマドの世界 人とその作品、継承者たち』(英明企画編集、2019年)など。混成アジア映画研究会主宰。
橋本彩(東京造形大学准教授)
専門はスポーツ人類学、ラオス地域研究。ラオスの伝統的スポーツの歴史・文化研究に従事。編著書に『スポーツ人類学の世界』(虹色社、2019年)。ラオス映画に関する研究では、「若手映画人によるラオス映画の潮流」(『混成アジア映画研究2015』所収)などを執筆。混成アジア映画研究会メンバー。
モデレーター
西芳実(京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)
専門はインドネシア地域研究。主な研究関心は災害・紛争などの災厄の語り継ぎ・語り直し。1997~2000年にインドネシア・アチェ州に留学。著書に『災害復興で内戦を乗り越える―スマトラ島沖地震・津波とアチェ紛争』(京都大学学術出版会、2014年)など。混成アジア映画研究会メンバー。
関連情報
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