開催レポートを公開しました。
Visual Documentary Project 2019 上映・トークイベント開催レポート
2019年は「ジャスティス」をテーマとして、短編ドキュメンタリー映像作品を募集しました。上映作品選考には、今年はマレーシアの映画監督ホー・ユーハン氏、ミャンマーの医師・脚本家・監督のアウン・ミン氏が新たに選考委員に加わり、選考委員によって公募作品の中から入選作品を厳選しました。また、今年の新たな試みとして、カンボジアのリティ・パン監督によるスペシャル・メンション(特別賞)を創設。上映会で賞を発表いたします。
上映会は12月12日(木曜日)に京都、12月14日(土曜日)に東京で開催し、入選作品の上映にあわせて入選作品の監督と関係者が来日します。
京都上映会のコメンテーターには慶應義塾大学名誉教授の倉沢愛子氏をはじめとする東南アジア地域を研究している研究者の方々と、山形国際ドキュメンタリー映画祭・東京事務局の若井真木子氏を迎えてトーク・ディスカッションを行います。 また、東京上映会のコメンテーターには日本映画大学教授・東京国際映画祭「アジアの未来」部門プログラミング・ディレクターの石坂健治氏と若井真木子氏、また京都大学地域研究研究所の准教授、マリオ・ロペズ氏と山本博之氏を迎えて監督たちの制作動機や作品の背景に迫ります。 映画鑑賞とあわせて、ぜひこの機会にご参加ください。
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作品情報
『私たちは歌で語る』
監督:Dony Putro Herwanto
インドネシア/2018/Color/24min
ある出来事を巡る真実を次の世代に伝える手段にはいろいろなものがある。歌を通して伝えることはその一つだ。ディアリタ合唱団は、1965年に自分たちが経験した出来事の真実を歌にする道を選んだ。その歌詞は、両親・友人や自然の美しさ、そして祖国への愛を謳いながらも、この歴史的な出来事の暗い側面を理解するための別の見方を提供する。
『落ち着かない土地』
監督:Nguyen Thi Khanh Ly
ベトナム/2019/Color/28min
ホー・チミン市の新都市計画が進む2区の中にあるトゥーティエムとアンフー地区に、1000平方メートルもの土地を持つ74歳のホンさんは、幸運にも土地の収用を免れたが、彼女の5人の子供たちは土地を収用されてしまった。今、彼女の唯一の願いは、残された土地を自分と子供達のために守り抜くことだ。
『叫ぶヤギ』
監督:Thunska Pansittivorakul
タイ/2018/Color/22min
「タイ南部の国境地帯は危険で恐ろしく、住むべきところではない、暴力に満ちた場所だ。」メディアはたいていこの地方をこのように紹介する。しかし、南部の国境地帯は実際にはどのようなところなのだろうか。この作品は、女性同士のカップルの目を通じて、この地方についてのもう一つの見方にいざなう。
『あの夜』
監督:Jeremy Luke Bolatag
フィリピン/2018/Color/20min
2016年9月2日にフィリピン・ダバオ市のロハス夜市で起こった爆弾事件の二人の生存者に、その後の生活を取材した。爆発で重傷を負った市場の露店商と、マッサージ中だった妻と息子を爆発で亡くしたトラック運転手の二人を中心に語られる。本作は、二人の生存者の悲劇から一年後の記録である。
『物言うポテト』
監督 :Sein Lyan Tun
ミャンマー/2016/Color/22min
「ポテト」という名の、障がいを持つカレン族の若い女性の物語。彼女は2014年に近所に住む既婚者によってレイプされた。男は訴えられたが、婚外の性的関係を持ったという誘惑事件としてうやむやにされた。しかし、固い意思を持つポテトと家族は、長い間口をつぐんで苦しんできた女性たちとこの事件を共有するため、真実と正義を求めて立ち上がった。
プログラム
【東京上映会】
タイムスケジュール
- 13時30分 作品上映(1)私たちは歌で語る
- 14時20分 作品上映(2)落ち着かない土地
- 15時05分 作品上映(3)叫ぶヤギ
- 15時45分 休憩
- 15時55分 作品上映(4)あの夜
- 16時30分 作品上映(5)物言うポテト
- 17時10分 トークセッション&総評
登壇者
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- 『私たちは歌で語る』 (インドネシア)
監督:Dony Putro Herwanto、撮影・編集:Abul Ala Maududi Ilhamda - 『落ち着かない土地』(ベトナム)
監督:Nguyen Thi Khanh Ly、編集:Nguyen Thu Huong - 『叫ぶヤギ』(タイ)
監督:Thunska Pansittivorakul、出演:Anthicha Sangchai - 『あの夜』(フィリピン)
監督:Jeremy Luke Bolatag、ラインプロデューサー:Arun Singh - 『物言うポテト』(ミャンマー)
監督 :Sein Lyan Tun、プロデューサー:Phyo Nge
- 『私たちは歌で語る』 (インドネシア)
コメンテーター
石坂 健治(日本映画大学教授・学部長)
若井 真木子(山形国際ドキュメンタリー映画祭・東京事務局)
マリオ・ロペズ(京都大学 東南アジア地域研究研究所 准教授)
山本 博之(京都大学 東南アジア地域研究研究所 准教授)
東京上映会詳細
日時 | 2019年12月14日(土曜日)13時30分~18時(13時開場)途中入退場可 |
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会場 | 東京ウィメンズプラザ アクセス 東京都渋谷神宮前5-53-67 Google map 東京メトロ銀座線・半蔵門線「表参道」B2出口から徒歩7分 |
入場 | 無料、予約不要 |
言語 | 日英逐次通訳 日英字幕付き |
主催 | 国際交流基金アジアセンター |
共催 | 京都大学東南アジア地域研究研究所 |
問合せ | 国際交流基金アジアセンター 文化事業第1チーム(担当:滝本) TEL:03-5369-6140 E-mail:jfac_vdp_info@jpf.go.jp |
【京都上映会】
タイムスケジュール
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- 13時30分 表彰式
- 14時 作品上映(1)私たちは歌で語る
- 14時35分 作品上映(2)落ち着かない土地
- 15時15分 作品上映(3)叫ぶヤギ
- 15時50分 休憩
- 16時 作品上映(4)あの夜
- 16時30分 作品上映(5)物言うポテト
- 17時05分 トークセッション&総評
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登壇者
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- 『私たちは歌で語る』 (インドネシア)
監督:Dony Putro Herwanto、撮影・編集:Abul Ala Maududi Ilhamda - 『落ち着かない土地』(ベトナム)
監督:Nguyen Thi Khanh Ly、編集:Nguyen Thu Huong - 『叫ぶヤギ』(タイ)
監督:Thunska Pansittivorakul、出演:Anthicha Sangchai - 『あの夜』(フィリピン)
監督:Jeremy Luke Bolatag、ラインプロデューサー:Arun Singh - 『物言うポテト』(ミャンマー)
監督:Sein Lyan Tun、プロデューサー:Phyo Nge
- 『私たちは歌で語る』 (インドネシア)
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コメンテーター
倉沢 愛子(慶應義塾大学名誉教授 インドネシア社会史)
坂川 直也(京都大学東南アジア地域研究研究所連携研究員 東南アジア映画史)
ピヤダー・ションラオーン(天理大学准教授 東南アジアの社会と歴史)
青山 和佳(東京大学東洋文化研究所教授 東南アジア地域研究(南部フィリピン))
小島 敬裕(津田塾大学学芸学部准教授 地域研究、文化人類学)
総合コメンテーター
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- 若井 真木子(山形国際ドキュメンタリー映画祭・東京事務局)
京都上映会詳細
日時 | 2019年12月12日(木曜日)13時30分~18時(13時開場)途中入退場可 |
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会場 | 京都大学東南アジア地域研究研究所 稲盛財団記念館3階 大会議室 アクセス 京都市左京区吉田下阿達町46 Google map |
入場 | 無料、予約不要 |
言語 | 日英逐次通訳 日英字幕付き |
主催 | 京都大学東南アジア地域研究研究所 |
共催 | 国際交流基金アジアセンター |
問合せ | vdp@cseas.kyoto-u.ac.jp |
Visual Documentary Project公式ウェブサイト
Visual Documentary Projectとは
東南アジアは、多様な民族、宗教、文化で構成されています。その多様性を共存させつつ、地域全体としては経済的な前進を遂げ、人、モノ、カネ、情報の流れのハブとなっています。しかし、同時に、熱帯林の減少や生物多様性の危機、災害、疫病、高齢化、民族や宗教の抗争、経済的階層化と貧困など、多くの問題をも抱えています。
このような多様性の中で、人々はどのように共存し、社会の持続性を維持しているのでしょうか。人々の日々の生活を支える地域の社会基盤を、どうすれば公的な資源にできるのでしょうか。そして、それらを既存のガバナンス・システムと組み合わせて諸問題の解決につなげるには、どうすればよいのでしょうか。
Visual Documentary Projectは、これらの疑問への答えを東南アジアの現状に即して見いだすために、2012年、京都大学東南アジア地域研究研究所が開始したプロジェクトです。2014年度から、国際交流基金アジアセンターも共催者として加わり、作品を通して東南アジア地域の現状を捉え、諸問題の解決へとつなげる試みを行っています。
本事業はbeyond2020の認証事業です。