国際交流基金(JF)は、招へい中の海外日本研究者(JFフェロー)を中心とした研究者間のネットワーク形成が促進されるよう、東京と京都にて2022年から毎年フェロー・カンファレンスを開催してきていますが、「次世代共創パートナーシップ―文化のWA2.0―」の開始初年度となる2024年においては、主として東南アジア域内の研究者と域外の研究者を結ぶ人的交流を目的としたネットワーキング・イベントとして再構成し、実施しました。
東京でのネットワーキング
2024年11月8日、東京大学伊藤国際学術研究センターで開催したカンファレンスにおいては、シンガポール国立大学日本研究学科長のリム・ベンチュー先生を基調講演者としてお招きするとともに、タイのパッタジット・タンシンマンコン先生やフィリピンのアレソンⅡ・デセナ・ヴィリョタ先生など滞日中の若手研究者も登壇者に加わったラウンド・テーブル以降は、世界各国のJFフェローをはじめとする内外の研究者らがフロアから対話に参加するなど、東南アジア地域を例として提示された次世代日本研究者のために取り組むべき課題について、様々な角度から活発な議論が交わされました。ネットワーキング・ランチ後の成果発表セッションにおいては、東京大学東洋文化研究所との共同運営によるJF-GJSフェローシップ・プログラムにて招へいしているフィリピンのタナ・マリア先生も発表者のお一人として登壇され、東南アジア域内に留まらない地域横断型の成果還元が図られました。
京都でのネットワーキング
2024年12月20日、京都の国際日本文化研究センターで開催されたカンファレンスでは、ベトナム国家大学ハノイ校からファン・ハイ・リン先生をお招きし、「ベトナムの日本研究からみた若手研究者の現状と支援」についての基調報告を伺いました。続いてタイのタマサート大学からJFフェローとして滞日研究中のキティ・プラシルツク先生などもディスカッサントのお一人として登壇者に加わっていただき、午前セッションのテーマである「日本研究の社会的意義」について、多角的な考察が加えられました。午後は、東南アジア域内に留まらない、地域横断的な対話を深めようとする試みの一環として、参加者を少人数に分けたグループ・セッションを実施し、「社会・文化」「文学・歴史」「言語・言説」「政治・制度」「芸術・思想」といったグループ別のテーマにみる日本研究の現状と社会的意義につき、活発な議論が交わされました。カンファレンス前日夜に京都市国際交流会館で開催されたネットワーキング・レセプションとあわせ、研究者間に新しい関係性を生み出すきっかけとなる有意義なイベントであったとの声が終了後に寄せられました。




日程 |
(東京)2024年11月8日(金曜日) (京都)2024年12月19日(木曜日)~20日(金曜日) |
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会場 |
(東京)東京大学伊藤国際学術研究センター (京都)国際日本文化研究センター、京都市国際交流会館 |
参加者 | 東南アジアをはじめとする世界各国の日本研究者 |
主催 | 国際交流基金日本研究部 |
共催 |
(東京)東京大学東洋文化研究所 (京都)国際日本文化研究センター、京都市国際交流協会 |