(左より)エドモンド・ヨウ、シャリファ・アマニ、行定勲監督、スロシュナ・バラン、ウー・ミンジン @tianchad
東京国際映画祭と国際交流基金アジアセンターの連携事業の一環として、日本を含むアジアの気鋭監督3名が、ひとつのテーマのもとにオムニバス映画を共同製作するアジア・オムニバス映画製作シリーズ第一作目『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』。
ブリランテ・メンドーサ、行定 勲、ソト・クォーリーカーの3監督による本作が、4月21日(金曜日)、マレーシア・プレミアを迎え、日本から行定監督が上映後の質疑応答に登壇。マレーシア・ペナンで撮影を行った本作の一篇『鳩 Pigeon』に出演したシャリファ・アマニ、スロシュナ・バラン、共同プロデューサーのウー・ミンジン、エドモンド・ヨウら同国のキャスト・スタッフと再会の喜びを分かち合いました。
また、本作の上映と併せて、エドモンド・ヨウ氏が本作の舞台裏に迫ったメイキング・ドキュメンタリー『Yasmin san』を初上映。行定監督が本作に籠めたマレーシアの名匠、故ヤスミン・アフマドへのオマージュについて思いをめぐらせました。
日本を含むアジアの監督3名が、「アジアで共に生きる(Living Together in Asia)」を共通のテーマとしてオムニバス映画を共同製作する東京国際映画祭初の映画製作プロジェクト「国際交流基金アジアセンター×東京国際映画祭 co-produce アジア・オムニバス映画製作シリーズ「アジア三面鏡」」第2弾は今年10月25日(水曜日)~11月3日(金曜日・祝日)の期間で開催予定の第30回東京国際映画祭にて詳細が発表される予定です。
4月21日(金曜日)マレーシア・プレミアの質疑応答でのコメント
行定勲監督(『鳩 Pigeon』監督)
――マレーシアを撮影地に選んだ理由について
海外の方と一緒に仕事することは自分自身を成長させてくれるし、視野を広げてくれる。全く知らなかった人間を知ることで、非常に寛容になれます。私がマレーシアで撮影したいと思った理由の一つには、ヤスミン・アフマド監督の作品があります。彼女の作品は寛容な物語が多く、心が洗われますが、そういう作品を生み出した国で撮りたいと思いました。異なる文化の二人が出会ったときに、互いを信じるというキーワードが生まれることが重要でした。今回、マレーシアを選んで本当に良かったと思います。スタッフやキャストとすごくフレンドリーになれたことはすごく大きな収穫でした。またマレーシアで撮影したいです。
シャリファ・アマニ(女優・『鳩 Pigeon』出演)
――日本映画への出演の感想について
とても楽しい現場でした。日本人の映画づくりに対する真摯な姿勢や役者に対する接し方は、私たちがプロの役者であることを再認識させてくれました。ほかの役者やスタッフの仕事から学ぶことが多く、とても有意義な時間でした。
エドモンド・ヨウ(『鳩 Pigeon』プロデューサー、『Yasmin san』監督)
――『Yasmin san』を作るきっかけについて
最初はメイキング映像だけ撮るつもりで、現場の撮影や取材をしていました。行定監督やアマニさんを始め、全員がそれぞれの形でヤスミン・アフマド監督の記憶を残そうとしているのに気づいて、アマニさんがInstagramに投稿した、アフマド監督に向けた写真とメッセージは僕にインスピレーションを与えてくれました。アフマド監督の存在がいかにこのプロジェクトにとって大きいものなのか、彼女の影響が何かしらの形で皆をつないでくれていたことを知り、取材をさらに進めました。