ASEAN諸国を中心に、アジアの多様な文化・芸術を紹介することを目的とした「国際交流基金アセアン文化センター」が誕生したのは、1990年1月。当時画期的とも言えたのが、日本ではほとんど顧みられることのなかった各国の同時代の芸術文化紹介を重視する方針でした。以降、国際交流基金によるアジアの美術交流事業は、組織改編を経つつ、現在に至るまで展覧会やシンポジウム、キュレーター育成など、時代に沿った方法や形態を選択しながら継続されています。そうしたアジア美術関連の事業を振り返るためのウェブページが「国際交流基金アジア美術関連アーカイブ」です。
1990年代以降、それまで注目されることの少なかったアジア地域の美術は、徐々に世界中から関心を集めるようになります。欧米の手法の受容から始めた各国のアーティストは、やがて自らの表現を見出すこととなり、今日では国際的に活躍するアジア出身の作家がますます増えています。この30年にわたる過程を振り返ると、国際交流基金の美術交流活動の進展と軌を一にしているようでもありました。
今回は、プロジェクトの概要、美術展カタログやシンポジウム報告書の目次、シンポジウムのプログラムなどを公開しました。この「国際交流基金アジア美術関連アーカイブ」は今後、デジタル化したカタログやその他展覧会に関する資料の一覧などを追加して、年内をめどに全面公開する予定です。
お問い合わせ:国際交流基金 アジアセンター文化事業第1チーム