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第27回東京国際映画祭 国際交流基金アジアセンター特別賞に輝いたソト・クォーリーカー監督の作品。本作品は、2014年12月にカンボジア国際映画祭のオープニングを飾るほか、シンガポール国際映画祭に出品されることも決まっています。
『遺されたフィルム』 The Last Reel
プノンペンの少女が、ふとしたきっかけで1970年代のカンボジア映画と出会い、ポル・ポト派に蹂躙された祖国の映画史を発掘し、新たな形の“再生”を仲間と試みていく。リティ・パニュ『消えた画 クメール・ルージュの真実』で話題のカンボジア映画界から期待の女性監督デビュー作。
プノンペンに住むソポンは父親との諍いの挙げ句に家を飛び出し、不良たちと付き合いながら、廃屋となった映画館を根城にしていた。ある日、ソポンは映写室に放置されていたボロボロのフィルムを上映する。それは1970年代、クメール・ルージュがカンボジアを支配する直前に作られたメロドラマで、そのヒロインこそ、いま病の床にある母の若き日の姿であった。カンボジアの映画史に関心を持ったソポンは、ベテラン映写技師の助けを借りて、母の主演作の失われた最終巻をリメイクしようと行動し始める…。カンボジア映画は近年、リティ・パニュの『消えた画 クメール・ルージュの真実』(13)などのドキュメンタリーが注目されているが、本作は1973年に生まれた女性監督による劇映画である点、カンボジア映画の新しい息吹を感じさせる。母親役のディ・サヴェットは実際の往年の大女優で、TIFF12で復活上映されて大きな話題となった主演作『怪奇ヘビ男』(70)は記憶に新しいところ。
監督 | ソト・クォーリーカー (第27回 東京国際映画祭 国際交流基金アジアセンター特別賞受賞監督) |
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出演者 | マー・リネット/ソク・ソトゥン/トゥン・ソーピー/ディ・サヴェット/ルオ・モニー |
製作年 | 2014 |
製作国 | カンボジア |
上映分数 | 105分 |
国際交流基金アジアセンター特別賞 (The Spirit of Asia Award by The Japan Foundation Asia Center)
「アジアの未来」部門において、文化の違いを越え、国際的な活躍が期待される新鋭監督に贈られます。日本映画大学学長および国際交流基金理事長、2名の委員による審査で決定します。受賞者には、トロフィーとともに、副賞として日本短期滞在(日本人が受賞した場合は、アジア滞在)の機会が贈呈されます。