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国際交流基金アジアセンターは国の枠を超えて、
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第6回「三陸国際芸術祭-秋-」を開催しました

国際交流基金アジアセンターは、三陸国際芸術推進委員会と共に「三陸国際芸術祭-秋-」を岩手県大船渡市・山田町・久慈市・大槌町、青森県八戸市にて開催いたしました。今回は、インドネシア・バリ島よりバロン(獅子の姿の聖獣)ダンスの踊り手とガムラン奏者を招へいし、日本のガムラン演奏グループであるトゥラン・ブーランとともに岩手県、青森県を巡りました。プログラムの一部を紹介します。

招へい者

イ・マデ・マハルディカ(バロンダンス)

イ・マデ・マハルディカさんのプロフィール写真

1972年生まれ。インドネシア・バリ島ギャニャール県バトゥブラン村デンジャラン地区の、芸術家の家系の家に生まれる。7歳より男性舞踊の基本であるバリス(戦士の舞)を踊り始め、やがてトペン(仮面舞踊)、そして、聖なる獅子バロンに魅せられその踊り手となり、現在に至る。踊り手、役者、クンダン(太鼓)奏者としてもその才能を発揮し、伝統からコンテンポラリーまで幅広いジャンルで活躍している。

デワ・グデ・グナ・アルタ(バロンダンス)

デワ・グデ・グナ・アルタさんのプロフィール写真

1987年生まれ。インドネシア・バリ島ギャニャール県ウブド村プンゴセカン地区出身。
幼い頃より父に連れられ、地区のガムラン音楽の練習に参加し、いつの間にか演奏をするようになっていた。バロンの踊り手、イ・マデ・マハルディカ氏の後ろ足役としてパートナーシップを組んでいる。伝統からコンテンポラリーまでこなす世界的に有名なガムラングループ、スダマニのメンバーとしても活躍中。

イ・デワ・プトゥ・ライ(ガムラン奏者)

イ・デワ・プトゥ・ライさんのプロフィール写真

1977年生まれ。インドネシア・バリ島のガムラン音楽と芸術絵画で知られる、ギャニャール県ウブド村プンゴセカン地区出身。演奏家である父のもと、4歳ですでにクンダン(太鼓)奏者としての才能を発揮、他の楽器も含め演奏家として活躍している。子どもから成人までの様々なグループのガムラン指導も行い、また優れた作曲者としても有名。伝統からコンテンポラリーまでこなす世界的に評価の高いガムラングループ、スダマニのメンバーとして、日本、アメリカ、オーストラリなど海外公演に多数参加。

プログラム報告

11月2日(土曜日):国際共同制作芸能「シシの系譜/その先へ」(岩手県大槌町)

日本とインドネシアのそれぞれの系譜を持つ「シシ」たち ―臼澤鹿子踊×大槌町虎舞協議会×吉里吉里太神楽×バロンダンス×ガムラン― が御社地公園に一堂に会し、広い青空のもと、大迫力の共演を行いました。
「シシの系譜/その先へ」終了後は、バロンダンスやガムランを実際に触ってみるワークショップや、トーク会を行いました。

バロンダンスの写真
大槌町虎舞の写真
鹿子踊りの写真
トーク会の様子

11月3日(日曜日):習いに行くぜ!三陸へ!! ~八戸で神楽体験編~(青森県八戸市)

八戸白銀地区に伝わる「白銀四頭(しろがねしとう)権現神楽」の踊りを体験しました。参加者たちは、初めにお手本として白銀四頭権現神楽を見た後、実際に10キロ以上ある権現様の頭を使って神楽のリズムを習ったり、お盆を使った盆舞を習ったりして、最後にお囃子に合わせて演技を披露しました。

白銀四頭権現神楽で使用する面の写真
盆舞で使用する面の写真

11月3日(日):カドヅケ×商店街 〜「門付け」の風習に迫る〜 (青森県八戸市)

「カドヅケ(門付け)」とは、お正月などに門の前に立って行う芸能のことで、商店の商売繁盛や居合わせたお客さんの無病息災を願うという意味を持っています。今回は、八戸の商店街や横丁などを、白銀四頭権現神楽チーム、法霊神楽・日比野桃子チームの2手に分かれて横丁をカドヅケしながら練り歩き、バロンダンス&トゥランブーランチームは「八戸まちなか広場マチニワ」内を練り歩きました。

カドヅケしながら練り歩く写真1
カドヅケしながら練り歩く写真2
バロンダンス&トゥランブーラン・チームの写真1
バロンダンス&トゥランブーラン・チームの写真2

11月4日(月曜日・休日):南部会館公演(青森県八戸市)

白銀四頭権現神楽、法霊神楽、バロンダンス&トゥラン・ブーラン、そして左比代虎舞による、南部会館公演が行われ、バロン、権現様、虎など様々な形のシシを見比べる良い機会となりました。

白銀四頭権現神楽の写真
バロンダンスの写真
トゥラン・ぶーらんの写真
法霊神楽の写真

今回の三陸国際芸術祭-秋-プログラムでは、令和元年台風19号のため、開催がかなわなかった地域もありました。このたびの台風により被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。 被災地の皆様の安全と一日も早い復興を祈念いたします。また、今回ご協力いただいた方々、ご来場いただいた皆様には、深く感謝申し上げます。

2020年3月1日から3月15日までは、岩手県宮古市を中心として三陸国際芸術祭-冬-プログラムを開催予定です。
第6回 三陸国際芸術祭 『触レル』 冬プログラム

国際交流基金「をちこちMagazine」にもレポートを掲載しています。あわせてお読みください。
「三陸国際芸術祭―秋―」レポート 芸能の源流を訪ねて(前編)
「三陸国際芸術祭―秋―」レポート 芸能の源流を訪ねて(後編)