長谷川 愛「(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合」(インスタレーション、2015)
国際交流基金アジアセンターは、國學院大學文学部と共催し、連続フォーラム「アートがつなぐサイエンス・テクノロジー・倫理・美学」を実施しています。本フォーラムは、アート、サイエンス、テクノロジー、倫理等の分野を横断的に結びつける現代アートの実践をテーマに、分野間の相互理解や、専門研究と文化政策、研究者とアーティスト、作品と鑑賞者をつなぐ文化研究・交流のプラットフォームの形成を目指すものです。
※過去のフォーラムついては下記関連ページをご参照ください。
第3回は「明るい??家族計画:科学技術と倫理、スペキュラティブ・デザインによるアプローチ」と題し、現代アーティストの長谷川愛氏と國學院大學の小手川正二郎准教授をお招きします。
「明るい??家族計画:科学技術と倫理、スペキュラティブ・デザインによるアプローチ」
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2018年11月末、中国のある科学者が遺伝子を改変した受精卵を使用して双子の女児が生まれたと発表し、世界中の人々に驚きと混乱を招きました。この発表が衝撃的だったのは、学術研究のみならず、生命や人間存在に深く関わる倫理的な問題を多分に孕んでいたからです。こうした先端科学技術と倫理の問題にアートはどのようなアプローチをとるのでしょうか。本フォーラムでは、生物学的課題や科学技術の進歩をモチーフに、現代社会に潜む諸問題を掘り出す作品を発表している長谷川氏と、現象学・フランス哲学を基盤に性や家族などの倫理的問題について考察する小手川氏によるレクチャーのあと、そして参加者とのディスカッションを通じて、この問いについて考えていきます。
イベント詳細
日時 | 2019年1月17日(木曜日) 第1部 15時から16時30分 登壇者によるレクチャー 第2部 17時から18時30分 ディスカッション |
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会場 |
國學院大學渋谷キャンパス 5号館3階 5302教室 キャンパスマップ |
言語 | 日本語 |
入場 | 無料、申込不要 |
問合せ | 国際交流基金アジアセンター 文化事業第1チーム 担当:鹿島、廣田 TEL:03-5369-6140 |
主催 | 国際交流基金アジアセンター、國學院大學平成30年度学部研究費による共同研究「アート、サイエンス、テクノロジー、倫理をつなぐプラットフォーム形成のための調査研究」 |
講師
長谷川 愛(アーティスト、デザイナー)
バイオアートやスペキュラティブ・デザイン、デザイン・フィクション等の手法によって、テクノロジーと人がかかわる問題にコンセプトを置いた作品を多数発表。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー[IAMAS]卒業後に渡英。2012年英国Royal College of ArtにてMA修士取得。2014年から2016年秋までMIT Media Labにて研究員、MS修士取得。2017年4月から東京大学特任研究員。「(不)可能な子供/ (im)possible baby」が第19回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞。森美術館、アルス・エレクトロニカ等、国内外で多数展示。
※長谷川氏アジアセンター関連イベント
展覧会:Internet of (No)Things―遍在するネットワークと芸術の介入
小手川 正二郎(國學院大學准教授/現象学・フランス哲学)
1983年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修了。著書に『甦るレヴィナス――『全体性と無限』読解』(水声社、2015年)、訳書にマルカ『評伝レヴィナス』(共訳)、共著に『続・ハイデガー読本』、『終わりなきデリダ』など。最近の関心は、性差の現象学(フェミニズム、男性性)、家族の現象学(親子関係、養子縁組、虐待)、責任の現象学(日本国内の難民問題)。