「Audiences. Responsibilities. Value. Ecosystem. Embedded.」(観客。責任。価値。エコシステム。入り込んで。)これは、国際交流基金アジアセンターのプログラムNext Generation: Producing Performing Arts 2018の開始以来、4カ月に及ぶ実に多くの議論のなかでNext Generation 2018の参加者が口にしてきた言葉です。同プログラムには東南アジアと日本の計6カ国から10人のメンバーが参加し、2カ国4都市を訪れて40作品以上の公演を鑑賞、計17日間をともに過ごしました。
各メンバーはそれぞれ独自の経験、バックグラウンド、これまで受けたトレーニング、専門知識を携えこのプログラムを経験した結果、多様な考え方や、これまでとは異なる視線を得ることとなりました。
そのプロセスから生まれた刺激的な問いを、国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2019(TPAM)にて再び集まるのを機に取りあげます。
Next Generation 2018のメンバーはこの度、TPAM2019の参加者を招き、共に以下の3つの問いについて活発な議論を展開し、また、これらの問いが生まれた経緯について説明いたします。
(1)フェスティバルの観客の次世代とは誰か?
(2)次世代のプロデューサー、キュレーター、フェスティバルのプログラマーの責任とは何か?
(3)芸術の商品化について―芸術を買うのは誰か、芸術のためにお金を支払うのは誰か、芸術のためのお金を将来負担するのは誰だろうか?
多くの答えを見つけられることを願っています。ぜひご参加ください。
イベント詳細
「Audiences. Responsibilities. Value. Ecosystem. Embedded.」
日時 | 2019年2月16日(土曜日) 午後1時30分~午後4時 (無料・予約不要) |
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会場 | mass×mass関内フューチャーセンター1階 アクセス 神奈川県横浜市中区北仲通3-33 Google map |
主催 | 国際交流基金アジアセンター |
問合せ | 国際交流基金アジアセンター 文化事業第1チーム(担当:山口) TEL:03-5369-6140 FAX:03-5369-6141 E-mail:acinfo@jpf.go.jp |
イベントページ | Next Generation: Producing Performing Arts 2018 |
参加者プロフィール
フランチェスカ・カサウアイ (HERESY共同創設者、クリエイティブ・プロデューサー)
フリーランスとしてサウンド・アート、映像、詩を中心に分野横断的に創作活動に従事。年間を通じてプロデューサー・マネージャーとしてさまざまな国内・国際プロジェクトにかかわる傍ら、開発分野・クリエイティブ産業分野のリサーチや執筆も手がける。
最近の活動に、フィリピンと日本のアーティストをとりあげるニューメディア・アート・フェスティバルWSK AXIS 2017の共同ディレクター(2017年10月マニラ)、MeCA Media Culture in Asia: A Transnational Platformコーディネーター、ワークショップ・プレゼンター(2018年2月東京)、 クリエイティブ・プロデューサー/パフォーマー、フィリピン・ワールド・リスニング・デイ2018内のデジタルアルバムのリリースおよびエクスペリメンタル・サウンド・アンサンブル公演など。いずれも女性だけのキュレーションによるアートプラットフォームHERESYによる(2018年7月マニラ)。
グレイ・ヨー (シニア・プログラム・マネージャー、ナショナル・ギャラリー・シンガポール)
ナショナル・ギャラリー・シンガポールのフェスティバルのプログラムマネジメントを担当。現在Children's Festival, Children's BiennaleおよびLight-to-Night Festivalをサポートしている。複数の分野で活動するアーティストのインスタレーションやパフォーマンスの実施にかかわる。2010年から2017年まで、マレーシアのブリティッシュ・カウンシルでアート・クリエイティブ産業部門の東南アジア地域チーフ。2016年にはオーストラリアのブリティッシュ・カウンシルへアーツ部長として出向し、英国を拠点とする多数のアーティストや芸術団体・コレクティブを、マレーシア、オーストラリアおよび東南アジアのカウンターパートと引き合わせた。
2008年、マラヤ非常事態における左派の歴史証言や植民地支配の遺産、現代社会における反共産主義にフォーカスした美術史展「12 Years」および「Emergency Festival」の共同キュレーションを手がけた。 ダンサーで振付家のマリオン・デクルーズによる『Gostan Forward』(マーク・テ演出)、賞の候補になった『Wayang Fajar』及び『Something I Wrote』(以上ファイブ・アーツ・センター)など、マレーシアの舞台作品のビジュアル・デザインも手がけた。
ネス・ロケ (映画・舞台俳優、パフォーマンス・メーカー、作家、ドラマトゥルグ、アーティスト・マネージャー、シパット・ラウィン・アンサンブル 主要メンバー)
マニラ・ケソンシティを拠点に、舞台・映画俳優、パフォーマンス・メーカー、作家、ドラマトゥルグ、アーティスト・マネージャーとして活動。パフォーマンス・カンパニーシパット・ラウィン・アンサンブル、教育におけるイノベーションに取り組むデザイン研究グループHabi Education Lab及び、アートと科学をコミュニティベースの教育と開発に活用するアーティストとリサーチャー集団ProdJxの主要メンバー。
リン・ファム (Mat Tran Ensemble創設者・芸術監督)
ベトナムを拠点に活動する人形劇アーティスト。ニューヨークのサラ・ローレンス・カレッジ卒業。主にOriental GalleryやVincom Center for Comtemporary Arts(以上ハノイ)、Soul Live Project(ホーチミン)、Brick Theatre、CPR Center for Performance Research、HERE Arts Center(以上ニューヨーク)で作品を上演。教師・ファシリテーターとしても活動、ベトナム全土で動き、人形の扱い、ライティング等のワークショップを、支援を必要とする人々を含む多様な層に向けて行なう。社会の変革を提唱し、また人々が自分の内なる声を見つける手助けをするツールとしてのアートをとりあげ、社会学・経済学・環境研究所(iSEE)、Hagar International、LIN、CCIHP(Center for Creative Initiatives in Health and Population)、Nhat Hong Center for the Blind and Visually Impaired、Westchester Correctional FacilityなどのNGOと協働している。
インクルーシブ・アーツを創作するMat Tran Ensembleを設立、シンガポール国際財団(SIF)やFRIDA- Young Feminist Fund、Prince Claus Foundationから助成を受けている。2018年10月には、ジョグジャカルタの国際人形劇ビエンナーレでMat Tran Ensembleの作品を上演。
野崎美樹 (プロジェクト・マネージャー、NPO法人スローレーベル)
プロジェクト・マネージャーおよびエデュケーターとして、アートの分野で幅広く活動している。子ども、若者、高齢者、多様なバックグラウンドを持つ人々、障害のある人々とともに、アートプロジェクト、アートワークや舞台作品の創作にかかわる。
パーウィニー・サマッカブット (デモクレイジー・シアター・スタジオ 共同芸術監督)
2000年に大学卒業以来、演劇を含む舞台芸術の分野で俳優、照明デザイナー、プロデューサーとして、タイの様々な劇団との活動に舞台芸術への情熱を傾け、スキルを磨いてきた。タイ・バンコクの革新的なインディペンデント・スタジオであるデモクレイジー・シアター・スタジオDemocrazy Studioの共同設立者(設立は2008年)および共同芸術監督。同スタジオは演劇作品、イベント、国際フェスティバルを幅広く制作してきた。芸術団体Arts on Locationとデモクレイジー・シアター・スタジオはこのたび、タイ初の児童青少年向けの国際演劇フェスティバルとなる、バンコク国際児童演劇フェスティバル(BICT Fest)を共同主催している。
ピライパン・タンマミット (インディペンデント・プロデューサー)
フリーランスで音楽・サウンドシステムのレンタル会社でアシスタントを務めるほか、子供向けの英語学校の講師でもある。プロデューサー、フロントマネージャー、ときにステージ・マネージャーとして、タイにおける様々な舞台制作に関わっている。
レナン・ラルアン (フリーランスのリサーチャー・キュレーター、フィリピン・コンテンポラリー・アート・ネットワーク(PCAN)の教育プログラム・コーディネーター)
リサーチャー、キュレーター、フィリピン・コンテンポラリー・アート・ネットワーク(PCAN) 設立メンバー。ヴァルガス博物館/フィリピアナ・リサーチセンターを拠点とするフィリピン・コンテンポラリー・アート・ネットワーク(PCAN)にて教育プログラムのコーディネーター(Public Engagement and Artistic Formation Coordinator)も務める。2012年から2015年まで、分野横断型プラットフォームDiscLab| Research and Criticismを運営・ディレクションした。
(共同)キュレーターを務めたフェスティバルおよび美術展に、「the 8th OK. Video – インドネシア・メディア・アーツ・フェスティバル」(ジャカルタ、2017)、「A Tripoli Agreement」(シャルジャ芸術財団、2018)、ライトニング・スタディーズ:圧迫・抗争・汚染翻訳センター[CTCCCs]「パサ・パサ」 (TPAM2018、 横浜/ロペス美術館・図書館、マニラ2016)、「An Ecological, The Obligatory」 (フィリピン・コンテンポラリー・アート・ネットワーク/ヴァルガス博物館 、マニラ、2017);「The Artist and the Social Dreamer」Forecast Festival(世界文化の家、ベルリン、2017)など。
世界各国の芸術文化団体よりフェローシップ、レジデンシーへの招待等多数受けている。現在、フィリピン国家文化芸術委員会の支援を受け、ミンダナオのコミュニティに立脚した文化関連の初期の出版物に関する、テキストとイメージの関連性についてのリサーチを率いている。
タナノップ・カーンチャナウティシット (演劇実践者、デモクレイジー・シアター・スタジオ)
バンコクを拠点に、主にドラマトゥルグ、プロデューサーとして活動する演劇実践者。2012年よりデモクレイジー・シアター・スタジオに所属。パフォーマー、プロデューサー、ドラマトゥルグとして同スタジオにおいて幅広く活動している。かかわった作品に、『Boxes』『Hipster the King』『Happy Hunting Ground』『The Retreat』など。そのほか、バンコク国際児童演劇フェスティバル2018の制作に従事。さらにはタイ同時代戯曲を収集・英訳して出版するCollective Thai Scriptsを立ち上げた(2018年後半に出版予定)。
タウフィック・ダルウィス (ドラマトゥルグ・共同創設者、バンドゥン・パフォーミング・アーツ・フォーラム)
インドネシア・バンドゥンで活動するドラマトゥルグ。バンドゥン・パフォーミング・アーツ・フォーラム(BPAF)共同創設者であり、2016年3月よりインドネシア・ダンス・フェスティバル(IDF)の共同キュレーター。2018年、ジョグジャカルタのシアター・ガラシ/ガラシ・パフォーマンス研究所のCabaret Chairil Programにゲストキュレーターとして招かれた。2016年にはインドネシア・アート・サミットに、またウゴラン・プラサットとピーター・エッカサルによるニュー・ドラマトゥルギー・ワークショップに参加。シアター・ガラシが主催し、現在はドラマトゥルギー・アセンブリという名のもと開催されるフォーラムにもかかわっている。2018年シンガポールのシアターワークス主催のキュレーターズ・アカデミー、TPAM2018でのアジアン・ドラマトゥルグ・ネットワークのシンポジウムに参加。2018年9月には、BPAFのthe US / NOT-US Projectを通してジョグジャカルタのアジアン・ドラマトゥルグ・ネットワーク・ラボラトリ2018に参加した。
Next Generation: Producing Performing Arts
ASEAN諸国と日本の同時代舞台芸術の分野において、アーティストと協働し、その作品を観客や社会とつなげる若手のプロデューサー、プログラマー、プレゼンター、キュレーター、ドラマトゥルク、批評家のためのプログラム。このプログラムへの参加を通して、アジア域内の、またアジア発の、多様で注目すべき作品に多数触れ、現地の関係者に会い、アジア内外で今何が起こっているかを知り、多様な文脈を理解し、国境を越えたプロフェッショナルなネットワークに入り、近い将来における仕事の展開につなげることを期待しています。参加者は1年に3カ所の同時代現代舞台芸術フェスティバルを訪れます。東南アジア1カ所、アジア域外1カ所、そして日本です。2018年度には、シドニーの実験的フェスティバルであるLiveWorks, ジャカルタのインドネシア・ダンス・フェスティバル(IDF)およびソロのUndisclosed Territory #11を訪れたほか、ジョグジャカルタではリサーチも行ないました。TPAM2019では、自分たちのアイデアと思考を提示します。国際交流基金アジアセンター主催。