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国際交流基金アジアセンターは国の枠を超えて、
心と心がふれあう文化交流事業を行い、アジアの豊かな未来を創造します。

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沖縄×アジア 交流プロジェクト -無形文化遺産でつながるアジアの芸能-

日本

座談会のアーカイブ映像を公開しました。
無形文化遺産でつながるアジアの芸能 座談会(YouTube)

国際交流基金アジアセンターでは、現在、沖縄とアジアをつなぐ交流プロジェクトを実施中です。2022年2月、プロジェクトのひとつとして、国立劇場おきなわとの共催で「無形文化遺産でつながるアジアの芸能」を実施します。
沖縄とアジアは、古来、海洋を通じて政治、経済、文化の多方面で盛んに交流が行われてきました。一方、アジアの各国、各地域にはそれぞれに多様な伝統芸能が存在し、さまざまな形で現在に継承されています。
今回は、アジア・太平洋地域の伝統文化の交流の拠点である国立劇場おきなわを軸として、沖縄の「組踊」をはじめ無形文化遺産代表一覧表に記載されているアジア各国の伝統芸能の紹介と、アジアの伝統芸能関係者による座談会を実施します。各芸能の歴史的背景や特徴、保存や継承の実情などについて互いに知ることを通じ、アジアの芸能の活性化とネットワーク化につなげていきます。

本事業は、動画による各国の芸能の紹介、及びアジアの伝統芸能関係者による座談会の二本立てで実施します。今回取り上げる芸能は、インドのクーリヤッタム(サンスクリット古典劇)、インドネシアのワヤン・ゴレック(人形劇)、タイのコーン(仮面劇)、ベトナムのニャーニャック(宮廷音楽)、マレーシアのマ・ヨン(舞踊劇)、そして沖縄の組踊(歌舞劇)の6つです。また2月9日(水曜日)には、6か国の芸能関係者をオンラインでつなぎ座談会を開催します。

各国伝統芸能の動画公開

2022年2月1日(火曜日)より、国立劇場おきなわ公式YouTubeチャンネルにて公開中です。
各国の芸能紹介

座談会「無形文化遺産でつながるアジアの芸能」

アーカイブ映像がYouTubeにて視聴できます。

日時 2022年2月9日(水曜日)18時30分開演(18時開場)
会場

国立劇場おきなわ 3階 大稽古室
沖縄県浦添市勢理客4-14-1 Google Map

登壇者
  • ゴーパル・ヴェヌ(インド、ナタナカイラリ創設者、同所長)
  • カピラ・ヴェヌ(インド、ナタナカイラリ エグゼクティブ・ディレクター)
  • エンド・スアンダ(インドネシア、ヌサンタラ芸術教育機関(Lembaga Pendidikan Seni Nusantara )所長)
  • スックサンティ・ウェーンワン(パタナシン・タイ国立芸術大学(タイ文化省)助教授)
  • ホアン・チョン・クオン(ベトナム、フエ宮廷伝統芸術劇場副館長)
  • エディン・クー(マレーシア、PUSAKA創設者)
  • 嘉数 道彦(公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団芸術監督)
  • 金城 真次(公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団芸術参与)
モデレーター 福岡 正太(国立民族学博物館教授)
言語 日本語・英語(同時通訳あり)
入場 無料、定員20名、要予約
下記までお申し込みください。
電話:098-871-3308(国立劇場おきなわ 企画制作課)(平日10時~18時)
ウェブページ:「無形文化遺産でつながるアジアの芸能」(国立劇場おきなわ公式ウェブサイト内)
※申込期限:2月9日(水曜日)12時まで
※会場の様子は国立劇場おきなわYouTubeチャンネルでも生中継いたします。(日本語音声のみ、視聴無料・予約不要)
主催 公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団、国際交流基金アジアセンター
問合せ 国際交流基金アジアセンター 文化事業第2チーム
Tel:03-5369-6045 Email : ab2@jpf.go.jp

登壇者・協力団体

ゴーパル・ヴェヌ / Gopal Venu(インド)

ゴーパル・ヴェヌ氏のプロフィール写真

クーリヤッタムの演者、指導者、研究者。ナタナカイラリ創設者、同所長。クーリヤッタムは2008年にユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載されたサンスクリット古典劇。その第一人者であるアマヌール・マータヴァ・チャーキャールに師事。デリーの国立演劇学校、シンガポールの演劇学校では客員講師として指導、カーリダーサやバーサの戯曲をクーリヤッタムに改編するなど、クーリヤッタムの保存・普及に努めている。クーリヤッタムを含む地方伝統芸術についての活動が評価され、Kerala Sahitya Academy award(1977)、日経アジア文化賞(2007)など、インド国内外で数々の賞を受けている。

カピラ・ヴェヌ / Kapila Venu(インド)

インド・ケーララ州出身、クーリヤッタム演者。アマヌール・マータヴァ・チャーキャールと、父ゴーパル・ヴェヌに師事。伝統的な古典劇を継承しながらも、新たな視点から役やストーリーを作り上げている。伝統舞踊モヒニヤッタムを含むケーララ州の伝統芸術の研究と再興に深い関心を持ち、現在はナタナカイラリのエグゼクティブ・ディレクターを務める。

ナタナカイラリ / Natanakairali, Research Training and Performing Centre for Traditional Arts(インド)

衰退の一途をたどっていたケーララ州の伝統芸術の保存・普及を理念として、1975年、ゴーパル・ヴェヌによって設立。(1)次世代芸術家の指導・育成、(2)伝統芸能の活性化、(3)生計維持を可能にする芸術活動機会の創出、(4)芸術家間の協働のためのプラットフォーム構築、(5)廃演目の復活と芸術様式の拡充の5つを主なミッションとし、クーリヤッタム、ナンギャ-ルクートゥ、モヒニヤッタム、ムディエットゥ、カタカリなど、ケーララ州の多様な古典的、民族的、また儀式的な芸術様式の成長と発展に多大な貢献をしてきた。厳格な訓練システムにより、国際的に著名な舞台芸術センターの一つとして、妥協のないパフォーマンスを維持している。

エンド・スアンダ / Endo Suanda(インドネシア)

エンド・スアンダ氏のプロフィール写真

民族音楽学者。ヌサンタラ芸術教育機関(Lembaga Pendidikan Seni Nusantara)所長。Tikar Media代表。1970年代以来、ワヤン・ゴレック(ジャワ島西部の人形芝居)やトペン・チルボン(チルボン仮面舞踊)への出演、公演の運営、演出を数多く手がけ、インドネシア国内外の公演、ワークショップや講演会を多数開催。インドネシア国内外の教育機関での活動や、学術プロジェクト“Multiculturalism”(インドネシア国内のワークショップ、セミナー、視聴覚資料のアーカイブ活動等を通じた、舞台芸術における文化的多元主義についての多角的な研究促進事業)への参加等、教育・研究分野でも重要な役割を担っている。

ヌサンタラ芸術教育機関 / Lembaga Pendidikan Seni Nusantara(LPSN)(インドネシア)

2002年にアーティスト、研究者、美術教育者らによって設立されたNGO。インドネシアの中学・高校を対象とし、芸術文化に関するカリキュラムや教材の開発を行い、インドネシアの芸術や文化の普及に努める。これまでに「弦楽器」「織物」「大衆音楽」「演劇」など10のテーマの教材を、書籍と視聴覚パッケージの形で製作、インドネシアの約1,000校の美術教師に配布され、10万人の生徒が通う学校で活用されている。また、芸術や文化を記録化・視聴覚アーカイブ化するシステムを開発した。2015年以降は竹を使用した楽器のワークショップや実習に力を入れている。

スックサンティ・ウェーンワン / Suksanti Wangwan(タイ)

スックサンティ・ウェーンワン氏のプロフィール写真

パタナシン・タイ国立芸術大学(タイ文化省)助教授、タイ古典舞踊家。 特に仮面舞踊劇コーンを専門とし、ローイエット芸能カレッジ(タイ演劇芸術研究所)でタイ舞踊を学び、チュラロンコン大学芸術学部でタイ演劇・舞踊の修士・博士号を取得した。アーントーン演劇大学では30年以上に渡り、タイ古典舞踊の普及に努め、また、タイ国内外での国際会議、フェスティバル、舞台等、さまざまな場面でタイ古典舞踊の知識と実践を発信している。

パタナシン・タイ国立芸術大学(タイ文化省)(バンディットパタナシン・インスティテュート) / Bunditpatanasilpa Institute(タイ)

1998年、タイ王宮伝統芸術の伝承と普及を目的とし、国立の芸術機関として設立。地域の芸術文化や国内外の演劇、音楽、映像分野における基礎から、職業、高等レベルに至る高水準の教育を提供し、これまで、多くの著名な人材を輩出してきた。芸術の伝承、普及のみならず、芸術文化についての知識の集積、研究、保存など、研究者の育成にも力をいれ、その高い教育レベルは「教育のプロフェッショナリズム」として国内外に広く認められている。芸術分野の牽引的存在として、タイの芸術を国内外に発信、タイの芸術文化の振興に貢献し続けている。

ホアン・チョン・クオン / Hoang Trong Cuong(ベトナム)

スックサンティ・ウェーンワン氏のプロフィール写真

トゥアティエン・フエ演劇芸術家協会副会長、フエ宮廷伝統芸術劇場(フエ遺跡保存センター直轄)副館長。伝統的な楽器を用いたさまざまな種類の宮廷音楽の演奏に長け、これまで日本、韓国、タイ、ヨーロッパなど、ベトナム内外の演奏会に多数参加。また、無形文化遺産の継承・保存のため、若い世代に宮廷音楽の知識を伝える音楽教師としても活動している。2019年、ベトナムにおいて芸術に貢献した芸術家に送られる「功労芸術家」の称号を授与された。

フエ宮廷伝統芸術劇場 / The Theatre Of Hue Traditional And Royal Arts(ベトナム)

1994年設立。ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載された宮廷雅楽ニャーニャックをはじめ、舞踊・古典劇などの宮廷芸術の保存と発展のための機関。現在までに40作品以上の儀式音楽、宮廷舞踊、宮廷古典劇(抜粋)を収集、アレンジし上演している。その演目は国内外の芸術祭でも上演され、受賞歴も多い。所属芸術家たちの献身的な努力はベトナム政府に評価され、舞台芸術における多大な業績に対し送られる「人民芸術家」の称号を1名が、芸術に貢献した芸術家に送られる「功労芸術家」の称号を9名が授与されている。

エディン・クー / Eddin Khoo(マレーシア)

エディン・クー氏のプロフィール写真
Courtesy of PNB, photo by Sunlee Khan

詩人、作家、翻訳家、ジャーナリスト、「PUSAKA」の創設者。「PUSAKA」はマレーシアの地方伝統芸能・儀式等の実践団体との連携を図る非営利団体で、地域の中心的文化センターの一つとなっている。ニュースサイト「The Vibes」では編集長を務め、「カルチャー&ライフスタイル」「ニュース特集」「東南アジア」を統括している。伝統芸能における口承、儀式、文化、宗教、政治的側面について、各分野の著名な芸術家とともに活動、研究に従事し、各国の主要なニュース/アート関連のプラットフォームにて、論評寄稿やジャーナリズム活動なども積極的に行っている。

プサカ / PUSAKA(マレーシア)

マレーシアにおける文化的伝統の地域レベルでの活性化と、その存続を強化することを目的とした文化団体。公演やコミュニティ向けの指導プロジェクトを定期的に実施し、伝統文化の継承を支援している。マレーシア全土の伝統芸能や口承芸能の優れた演者や指導者と密接に連携する一方、国際的に著名な演者等を公演に招へいしている。また、マレーシアの文化、儀式、芸能に関わる伝統の包括的なドキュメンタリー・アーカイブを構築するため、様々な伝統文化を視聴覚資料や文書化している。

嘉数 道彦(かかず みちひこ)(日本)

かかず みちひこ氏のプロフィール写真

初代宮城能造、宮城能里に師事。宮城流能里乃会師範。伝統組踊保存会・伝承者。琉球舞踊保存会・伝承者。沖縄県立芸術大学大学院音楽芸術研究科修士課程修了。沖縄県立芸術大学非常勤講師を経て、2013年4月より公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団芸術監督に就任。沖縄タイムス芸術選賞大賞受賞。松尾芸能賞舞踊部門新人賞受賞。

金城 真次(きんじょう しんじ)(日本)

きんじょう しんじ氏のプロフィール写真

谷田嘉子、金城美枝子に師事。玉城流扇寿会教師。伝統組踊保存会・伝承者。琉球舞踊保存会・伝承者。県指定無形文化財「琉球歌劇」保持者。沖縄県立芸術大学大学院音楽芸術研究科修士課程修了。国立劇場おきなわ組踊研修修了(第一期生)。2021年12月より公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団芸術参与に就任。2022年4月より公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団芸術監督に就任予定。琉球新報社主催琉球古典芸能コンクール最高賞受賞。沖縄タイムス芸術選賞奨励賞受賞。

国立劇場おきなわ(日本)

国の重要無形文化財「組踊」をはじめとする沖縄伝統芸能の保存振興を図るとともに、沖縄の地理的、歴史的な特性を活かし、伝統文化を通じたアジア・太平洋地域の交流の拠点となることを目的として、2004年1月沖縄県浦添市に開場。組踊、琉球舞踊、琉球音楽等の公演事業、「組踊」の立方、地方の伝承者の養成事業、調査研究、資料の収集、公演記録の作成及びこれらの展示・公開事業、伝統芸能を通したアジア・太平洋地域との交流事業の4つの事業を柱に活動している。

福岡 正太(モデレーター)

福岡 正太氏のプロフィール写真

国立民族学博物館教授。民族音楽学専攻。東南アジア、特にインドネシア、西ジャワのスンダ伝統音楽について研究。共著に『東南アジアのポピュラーカルチャー――アイデンティティ・国家・グローバル化』(共著、スタイルノート、2018年)、『民族音楽学12の視点』(共著、音楽之友社、2016年)など。代表を務めた研究プロジェクトに「島嶼社会における芸能伝承の課題」(2018~)、「徳之島の民俗芸能に関するフォーラム型情報ミュージアムの構築」(2014~2016)、「1930年代の東アジアにおけるマスメディアを媒体とする文化の形成発展と相互交流」(2005~2010)などがある。

各国の芸能紹介

インド:クーリヤッタム(Kutiyattam)

クーリヤッタムの写真

現存する世界最古のサンスクリット古典劇。インド南西部に位置するケーララ州で、ヒンドゥー寺院のために働くコミュミティの特定の家系の人々によって、千年以上にわたり代々伝承されてきた。クーリヤッタムでは、ムドラ―と呼ばれる複雑なハンドジェスチャーが言葉一語一語を表し、特徴的な目の使い方や表情によって細やかに感情が表現される。2008年、ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載。

インドネシア:ワヤン・ゴレック(Wayang golek)

ワヤン・ゴレックの写真
© LPSN – Adi Nugroho

インドネシアのジャワ島西部に住むスンダ人の伝統的な人形劇。一人の人形遣いが複数の木偶人形を操りながら、ガムランの伴奏に合わせて語りと歌を披露する。割礼、結婚、田植え、収穫などの祭礼でよく演じられている。2003年、ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載。

マレーシア:マ・ヨン(Mak yong)

マ・ヨンの写真
Photo courtesy of PUSAKA, photo by Ahmad Fikri Anwar

マレーシアの伝統歌舞劇。現在のタイ南部地方に位置するマレー人が支配していた宮廷に生れ、200年以上前にマレー半島東海岸の‬クランタン州に伝わった。かつては大衆芸能としてマレーシア東海岸の北部やタイ南部の農村で、娯楽や治療行為を目的に演じられていた。主な演者は女性で、歌いながら手や指、腕を優雅に動かして舞う。2005年、ユネスコ無形文化遺産一覧表‬に記載。

タイ:コーン(Khon)

コーンの写真

400年以上にわたって受け継がれてきたタイの古典舞踊劇の一つ。コーンの演者は「フアコーン」(“コーンの頭”の意味)という仮面を被り、曲芸や武術から発展した舞踊を披露する。コーンで演じられるのは、古代インドの大長編叙事詩『ラーマーヤナ』に由来する『ラーマキエン物語』。2018年、ユネスコ無形文化遺産登録一覧表に記載。

ベトナム:ニャーニャック(Nha nhac)

ニャーニャックの写真
©The Theatre Of Hue Traditional And Royal Arts

ベトナムの古都フエに継承される宮廷雅楽。15世紀より黎朝の時代に発展し、阮朝の時代には高度に体系化され、宮廷音楽としての地位を確立した。ニャーニャックは、器楽演奏、歌、踊りで構成され、演者がきらびやかな衣装をまとうのも特徴の一つ。20世紀には、阮朝の滅亡と数十年にわたる戦争により消滅の危機に瀕したが、残存した少数の宮廷音楽家により維持された結果、世界的にその価値が再評価され、2008年、ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載された。現在も復興・継承活動が行われている。

沖縄:組踊

組踊の写真
国立劇場おきなわ

沖縄の伝統的な歌舞劇。台詞・音楽・所作によって構成され、琉球古典語、琉球音楽、琉球舞踊を用いるのが特徴。18世紀初頭、中国皇帝の使者である冊封使を歓待するため、踊奉行に任命された琉球の役人・玉城朝薫によって創始された。琉球古来の芸能や故事を基礎に、大和芸能や中国芸能の要素も取り入れながら構成されている。1972年、国の重要無形文化財に指定、2010年、ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載。