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国際交流基金アジアセンターは国の枠を超えて、
心と心がふれあう文化交流事業を行い、アジアの豊かな未来を創造します。

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第33回東京国際映画祭 魅力あふれるアジア映画を多数上映!

日本

国際交流基金アジアセンターは、10月31日(土曜日)から11月9日(月曜日)にかけて開催される第33回東京国際映画祭(Tokyo International Film Festival:以下、TIFF)と共催し、多数のアジア映画を上映します。アジアセンターとTIFFは、2014年から共同でアジアに焦点を当てた映画交流の取り組みを続けてきました。この取り組みの一環として、今年は「TOKYOプレミア2020」部門と「ワールド・フォーカス」部門において、魅力あふれるアジア映画の20作品を上映し、アジアの多様な魅力や映画文化を紹介します。

ワールド・プレミアやアジアン・プレミアの作品を中心に、内外の個性豊かな監督による新作を披露する「TOKYOプレミア2020」部門では、昨年のTIFFで上映され話題を集めたフィリピンのホラー映画女優のモキュメンタリー『リリア・カンタペイ、神出鬼没』(2011)から一転、アイドルを追っかける青春を描いたアントワネット・ハダオネ監督による『ファン・ガール』(2020)や、マレーシア出身のリム・カーワイ監督が大阪を舞台に豪華多国籍キャストで贈る新作『カム・アンド・ゴー』(2020)などが上映されます。また、「ワールド・フォーカス」部門では、『僕の帰る場所』(2017)で第30回TIFF「アジアの未来作品賞」と「国際交流基金アジアセンター特別賞」をW受賞した藤元明緒監督による、サンセバスチャン国際映画祭出品作品『海辺の彼女たち』(2020)など国際映画祭の受賞歴をもつ数多くのアジア作品を上映。さらに、アジアセンターの東南アジア映画修復事業の一環として4Kデジタル修復を行ったマレーシアの巨匠ヤスミン・アフマド監督の名作『ムクシン』(2006)が世界初上映されるなど、見逃せないラインナップとなっています。

また、一部作品では来日が叶わない外国映画の監督たちをオンラインでつなぐ、「TIFFトークサロン」の開催を予定しています。詳細はTIFF公式ページをご確認ください。

会期中は、アジア映画とその背景にある豊かな文化の魅力を紹介する特別冊子『CROSSCUT ASIA SPECIAL』を東京国際映画祭会場で無料配布します。

本冊子では、下記20作品の紹介のほか、『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』の「Beyond The Bridge」(ソト・クォーリーカー監督)に出演した加藤雅也氏の特別インタビューや、TIFFの「Japan Now」部門で特集上映が行われる深田晃司監督とリリ・リザ監督(インドネシア)のオンライン対談など、アジア映画にゆかりのある多彩な顔ぶれによる記事も掲載しています。

アジア映画の魅力に触れる絶好の機会です。ぜひご期待ください。

上映ラインナップ

<「TOKYOプレミア2020」部門>

『オマールの父』(Abu Omar
2020年/イスラエル/113分
監督:ロイ・クリスペル
出演:カイス・ナーシェフ、シャニー・ヴェルシク

映画オマールの父のワンシーン
©Laila Films - DaProd

イスラエル側で手術の甲斐なく死んだわが子を抱いてチェックポイントに向かうパレスチナ人の父親が、イスラエル人の妊婦と出会って二人旅に。普段なら接することのない男女が織りなすふれあいの物語。


『アラヤ』(Alaya
2020年/中国/150分
監督:シー・モン
出演:ホウ・インジュエ、ジャン・シューシュエン、ジャオ・シャオドン

映画アラヤのワンシーン

息子を失い山に隠遁した男。暴行され心を閉ざした女。私生児として生まれた娘。やがて歳月が流れ、運命の歯車が動き始めた…。因果や無常など独特の世界観に彩られたシー・モン監督、驚愕のデビュー作。


『遺灰との旅』(Ashes on a Road Trip
2020年/インド/109分
監督:マンゲーシュ・ジョーシー
出演:アメーイ・ワーグ、モーハン・アーガーシェー、ギーターンジャリー・クルカルニー

映画遺灰との旅のワンシーン
©Nine Archers Picture Company, 2020

一家の大黒柱が亡くなった。遠く離れた思い出の地に遺灰を撒くまでは遺書を読むな、との指示に従い、残された者らは車で一路パンダルプールの川を目指す。インド的な笑いと涙に溢れたシニアたちのロードムービー。


『カム・アンド・ゴー』(Come and Go
2020年/日本、マレーシア/158分
監督:リム・カーワイ
出演:リー・カンション、兎丸愛美、千原せいじ、渡辺真紀子

映画カム・アンド・ゴーのワンシーン
©cinemadrifters

AV嬢と偽って接待に駆り出される韓国女性、夢ばかり大きいネパール青年、帰国を許されないベトナム青年、借金を抱えた沖縄出身の映画監督。大阪でサバイブするアジア人たちの実像を描く未曾有のノンストップ群像劇。


『ファン・ガール』(Fan Girl
2020年/フィリピン/101分
監督:アントワネット・ハダオネ
出演:チャーリー・ディソン、パウロ・アヴェリーノ

映画ファン・ガールのワンシーン
©Epicmedia Productions Inc., Project 8 corner San Joaquin Projects

『リリア・カンタペイ、神出鬼没』で『映画秘宝』誌のTIFF2019裏グランプリに輝いた女性監督ハダオネ、注目の新作。人気俳優の追っかけ少女が俳優の自宅に忍び込み、アイドルの知られざる姿を目撃してしまう。


『赦し』(Forgiveness
2020年/トルコ/95分
監督:ジェム・オザイ
出演:ティムル・アジャル、エミネ・メルイェム、ハカン・アルスラン

映画赦しのワンシーン
©ABC Film

厳しい父に愛されずに育った兄はある日、間違って猟銃で弟に発砲してしまう。お気に入りの次男に起こった事故に愕然とする父、沈黙する母、絶望する長男。家族に希望は訪れるのか。新鋭監督の重厚なドラマ。


『チャンケ:よそ者』(Jang-Gae: The Foreigner
2020年/台湾/107分
監督:チャン・チーウェイ
出演:ホー・イェウェン、キム・イェウン、イ・ハンナ

映画チャンケ:よそ者のワンシーン
©2020 JOINT PICTURES CO., LTD

韓国に住む台湾系華人クァンヤンは優秀な高校生だが、自らのアイデンティティに悩んでいる。いじめと初恋、父親との確執を織り込んだ辛口の青春映画。新人監督チャン・チーウェイは、タレンツ・トーキョー2013出身。


『恋唄1980』(Love Song 1980
2020年/中国/127分
監督:メイ・フォン
出演:リー・シェン、ジェシー・リー、マイズ

映画恋唄1980のワンシーン
©Parallax Films

デビュー作『ミスター・ノー・プロブレム』でTIFF2016芸術貢献賞受賞の才人メイ・フォンの第2作。脚本を担当した『天安門、恋人たち』(06)に先立つ物語として、1980年代を生きる男女の運命的な恋愛が展開する。


『Malu 夢路』(Malu
2020年/マレーシア、日本、フランス/112分
監督:エドモンド・ヨウ
出演:セオリン・セオ、メイジュン・タン、永瀬正敏、水原希子

映画Malu 夢路のワンシーン
©Kuan Pictures, Asahi Shimbun, Indie Works, Mam Film

謎めいた詩情とともにマレーシアと日本を往還する、美人姉妹の永年の確執の物語。『アケラットーロヒンギャの祈り』でTIFF2017コンペ監督賞に輝くE・ヨウの日・マ合作。永瀬正敏・水原希子出演。音楽は細野晴臣!


『ノー・チョイス』(No Choice
2020年/イラン/108分
監督:レザ・ドルミシャン
出演:ファテメ・モタメダリア、ネガール・ジャワヘリアン、パルサ・ピルズファル

映画ノー・チョイスのワンシーン
©Iranian Independents

愛する男に利用されお金のために代理出産をさせられる16歳のホームレス少女。彼女を救済しようと人権派の女性弁護士が行動を開始するが大きな壁が立ち塞がる。イラン社会の裏面を描き出した衝撃の問題作。


『兎たちの暴走』(The Old Town Girls
2020年/中国/104分
監督:シェン・ユー
出演:ワン・チエン、リー・ゲンシー、ホァン・ジュエ

映画兎たちの暴走のワンシーン
©Beijing Laurel Films Co., Ltd.

父親と継母と暮らす高校生シュイ・チンのもとに、生後間もない自分を捨てて出奔した母親が現れる。憧れを抱いていた母との時間を楽しむが、徐々に現実の姿が見えてきて…。注目の女性監督シェン・ユーのデビュー作。


『スレート』(Slate
2020年/韓国/100分
監督:チョ・バルン
出演:アン・ジヘ、イ・ミンジ、パク・テサン

映画スレートのワンシーン
©2020 CONTENTS VILLAGE and MCMC All Rights Reserved.

ヒロインを夢見るアクション女優のタマゴ。スタント仕事の現場でパラレルワールドに入り込んでしまい、極悪の独裁者から村人を救うために戦うハメに。「キル・ビル×カメ止め」と言いたくなる傑作ファンタジー。


『ティティ』(TiTi
2020年/イラン/103分
監督:アイダ・パナハンデ
出演:エルナズ・シャケルデュースト、パルサ・ピルーズファル、ホウタン・シャキバ

映画ティティのワンシーン
©2020 Evar Film Studio

入院中のエリート物理学者と病室清掃員のロマの女性が心を通わせていく。注目の女性監督パナハンデは“Nahid”(15)でカンヌ「ある視点」新人賞、続く『二階堂家物語』(18)は奈良ロケ作。

<「ワールド・フォーカス」部門>

『チンパンジー属』(Genus Pan
2020年/フィリピン/157分
監督:ラヴ・ディアス
出演:ナンディン・ジョセフ、バート・ギンゴナ、DMs・ブーンガリン

映画チンパンジー属のワンシーン
©Lav Diaz

孤島を舞台に3人の男たちが騒動を繰り広げる、ラヴ・ディアス(『立ち去った女』)の新作。人類は果たして猿から進化しているのかという命題が全編を覆う。ディアス作品としては短い2時間半に独自の美学が満載。


『第一炉香』(Love After Love
2020年/中国/140分
監督:アン・ホイ
出演:マー・スーチュン、ユー・フェイホン、エディ・ポン

映画第一炉香のワンシーン
©Fortissimo Films

上海事変後の香港で、社交界に染まっていく女性を描いたアイリーン・チャンの原作を、巨匠アン・ホイが映画化。撮影のドイル、音楽の坂本龍一、衣装のワダエミと豪華スタッフ陣も話題。ヴェネチア国際映画祭出品作。


『メコン2030』(Mekong 2030
2020年/ラオス、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム/93分
監督:ソト・クォーリーカー、アニサイ・ケオラ、サイ・ノー・カン、アノーチャ・スウィチャーゴーンポン、ファム・ゴック・ラン

映画メコン2030のワンシーン

“2030年のメコン河”という共通テーマのもと、流域5か国から若手5監督が集った国際オムニバス作品。カンボジア編は『シアター・プノンペン』(TIFF2014出品)のソト・クォ―リーカーが久々の登場。


『悪は存在せず』(There Is No Evil
2020年/ドイツ、チェコ、イラン/151分
監督:モハマッド・ラスロフ
出演:エーサン・ミルホセイニ、シャガイェグ・シュリアン、カヴェ・アハンガル

映画悪は存在せずのワンシーン
©Films Boutique

イランの死刑制度にまつわる4つのエピソードから、人間の尊厳を問う本年度屈指の話題作。穏やかな日常とドラマティックな展開の対比が素晴らしい。ベルリン映画祭では、イラン政府と対立した監督が不在の受賞式となった。


『荒れ地』(The Wasteland
2020年/イラン/103分
監督:アーマド・バーラミ
出演:アリ・バゲリ、ファッロク・ネマティ、マーディエ・ナッサジュ

映画荒れ地のワンシーン
©Persia Film Distribution

煉瓦工場が突然の閉鎖に。解雇を告げられた労働者たちは、個別に工場主への嘆願に向かう。モノクロ・長回しの美学が光る、新感覚のイラン映画の登場。


『ムクシン【4Kデジタル修復版】』(Mukhsin [4K Digitally Restored Version] )
2006年/マレーシア/101分
監督:ヤスミン・アフマド
出演:モハマド・シャフィー・ナスウィプ、シャリファ・アルヤナ、シャリファ・アレヤ

映画ムクシンのワンシーン

故ヤスミン・アフマドの傑作『ムクシン』(TIFF2006上映)を、撮影監督ロウ・スン・キョン監修のもと国際交流基金アジアセンターが4Kデジタル修復。10歳の少女オーキッドと転校生ムクシンの小さな恋の物語がよみがえる!


『海辺の彼女たち』(Along the Sea
2020年/日本、ベトナム/88分
監督:藤元明緒
出演:ホアン・フォン、フィン・トゥエ・アン、クィン・ニュー

映画海辺の彼女たちのワンシーン
©2020 E.x.N K.K. / ever rolling films

3人のベトナム人女性。搾取された前職場を脱出して北の港町に向かい、職を得るが…。日本における外国人労働者の苦境を、厳しいリアリズムと詩情で描く。『僕の帰る場所』に続き、在日アジア人の姿を見つめる藤元監督新作。

「第33回東京国際映画祭」開催概要

日程 2020年10月31日(土曜日)から11月9日(月曜日)
会場 六本木ヒルズ、EX シアター六本木(港区)、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場、東京国際フォーラム(千代田区)、ほか都内の各劇場および施設・ホール
主催 公益財団法人ユニジャパン(第33回東京国際映画祭実行委員会)
共催 経済産業省(TIFFプラス)、国際交流基金アジアセンター(アジア映画交流事業)、東京都(TOKYOプレミア2020部門、ユース部門)
公式サイト 第33回東京国際映画祭