第34回東京国際映画祭 バラエティ豊かなアジア映画を多数上映!

日本

国際交流基金アジアセンターは、10月30日(土曜日)から11月8日(月曜日)にかけて開催される第34回東京国際映画祭(Tokyo International Film Festival:以下、TIFF)と共催し、多数のアジア映画を上映します。「国際交流基金アジアセンター×東京国際映画祭 co-present アジアの未来」部門を共同開催するほか、「コンペティション」部門、「ガラ・セレクション」部門、「ワールド・フォーカス」部門などで魅力あふれるアジア映画を10本共催上映し、アジアの多様で豊かな映画文化を紹介します。

「コンペティション」部門では、フィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサ監督による『復讐』(2021)や、2016年のTIFFで『バードショット』が「アジアの未来」部門作品賞を受賞したフィリピンの俊英ミカイル・レッド監督の『アリサカ』などが上映されます。また、「ガラ・セレクション」部門では、同じくブリランテ・メンドーサ監督による日本とフィリピンの合作映画『GENSAN PUNCH 義足のボクサー(仮)』(2021)や第74回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクン監督による『MEMORIA メモリア』(2021)を上映。さらに、「ワールド・フォーカス」部門では、国際交流基金アジアセンターとTIFFが共同製作したオムニバス映画『アジア三面鏡2018:Journey』の一篇を監督したインドネシアのエドウィン監督の新作で、今年のロカルノ国際映画祭で金豹賞を受賞した『復讐は神に任せて』が上映されるなど、見逃せないラインナップとなっています。

TIFF会期中に開催する「トークシリーズ@アジア交流ラウンジ」にはブリランテ・メンドーサ監督、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督のほか、「コンペティション」部門で『四つの壁』が上映されるバフマン・ゴバディ監督も登壇予定です。上映作品の鑑賞とあわせ、ライブ配信されるトークシリーズもお楽しみください。

アジア映画の魅力に触れる絶好の機会です。ぜひご期待ください。

国際交流基金アジアセンター共催上映ラインナップ

「コンペティション」部門

『アリサカ』(Arisaka
2021年/フィリピン/90分
監督:ミカイル・レッド
出演:マハ・サルバドール、モン・コンフィアード

映画アリサカのワンシーン
©TEN17P

護送中の証人が襲撃され、ただひとり生き残った女性警官が先住民の家にかくまわれる。だが、そこにも追手が迫ってきて…。バターンを舞台に繰り広げられるアクション・スリラー。


『その日の夜明け』(The Dawning of the Day
2021年/スリランカ/108分
監督:アソカ・ハンダガマ
出演:ルイス・J・ロメロ、アン=ソレンヌ・ハット、リティカ・コディトゥワック

映画その日の夜明けのワンシーン
©Asoka Handagama

1929年、英領セイロンにチリ領事として赴任した詩人パブロ・ネルーダは、前任地で受けた心の傷を癒すため海辺で静かな生活を始める。植民地時代のスリランカを描いた意欲作。


『復讐』(Payback
2021年/フィリピン/105分
監督:ブリランテ・メンドーサ
出演:ヴィンス・リロン、ナッシュ・アグアス、ジェイ・マナロ

映画復讐のワンシーン
©Cignal TV, Inc.

警察に目をつけられたバイク泥棒のイサークは、ボスに庇護を頼むが冷たい扱いを受ける。イサークはボスに対する復讐を企むが…。スラム街の犯罪組織の中でもがく男を描いた作品。

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「アジアの未来」部門

『アメリカン・ガール』(American Girl
2021年/台湾、香港、中国/101分
監督:ロアン・フォンイー
出演:カリーナ・ラム、カイザー・チュアン、ケイトリン・ファン

映画アメリカン・ガールのワンシーン

SARSが猛威を振るう2003年、アメリカから台湾に帰還した13歳の少女と家族。母の病や同級生との確執など、監督の自伝的要素も挿入される。母親役は『百日告別』(2015/トム・リン監督)のカリーナ・ラム。


ASU:日の出』(Asu
2021年/スリランカ/97分
監督:サンジーワ・プシュパクマーラ
出演:ウダリ・ワーナクラスーリヤ、シャム・フェルナンド、ディナラ・プンチヘワ

映画ASU:日の出のワンシーン

幸せな日々を送る妊娠中の妻に癌が見つかる。夫の説得も聞かず、子供を守るべく癌治療を拒み続けるが、自身は衰弱していく。新鋭サンジ―ワ監督(『バーニング・バード』/東京フィルメックス2017審査員特別賞)第3作。


『もろい絆』(The Brittle Thread
2021年/インド/97分
監督:リテーシュ・シャルマー
出演:メーガー・マートゥル、ムザッファル・カーン、シヴァン・スペクター

映画もろい絆のワンシーン
©Hardhyaan Films

ヒンドゥー教とイスラム教の複雑な歴史背景をもつ古都ヴァラナシを舞台に、手織りサリー職人の男、ストリートダンサーの女、それぞれのドラマが並行して進行するが、ある事件が起こり…。


『ブローカーたち』(The Brokers
2021年/フィリピン/106分
監督:ダニエル・R・パラシオ
出演:JC・デ・ヴェラ、マクセン・アイゲンマン、ジョエル・トーレ

映画ブローカーたちのワンシーン
©Center Stage Productions (CSP) Co.

新人社員マイクが手がける土地開発ビジネスと、土地を追われる多くの人々との衝突を描く緊迫の社会派ドラマ。新鋭パラシオ監督(『アンダーグラウンド』/TIFF2017出品)注目の第2作。


『異郷の来客』(The Coffin Painter
2021年/中国/95分
監督:ダーフェイ
出演:ルオサンチュンペイ、ジャン・ズーム―、リウ・ルー

映画異郷の来客のワンシーン
©Shenzhen Moon Pictures Co., Ltd.

息子殺しの犯人が刑期を終えて出所するのを待ち続ける画棺匠(棺桶に絵を描く画家)の老父。ところが近所に越してきた母娘との交流で変化が兆す。果たして復讐の行方は?


『最後の渡り鳥たち』(The Last Birds of Passage
2021年/トルコ/98分
監督:イフェト・エレン・ダヌシュマン・ボズ
出演:シェンヌル・ノガイラル、ネジメティン・チョバンオウル、ティムル・オルケバシ

映画最後の渡り鳥たちのワンシーン
©IEDB Film

夏と冬が来る度にラクダやヤギとともに移住するテント暮らしの遊牧民の家族。伝統的な暮らしと近代化の間で揺れるなか、移動の季節が巡ってくる。彼らはどんな未来を選択するのか?


『ザクロが遠吠えする頃』(When Pomegranates Howl
2021年/アフガニスタン、オーストラリア、オランダ、イラン/83分
監督:グラナーズ・ムサウィー
出演:アラファト・ファイズ、エルハム・アフマド・アヤジ、サイーダ・サダト

映画ザクロが遠吠えする頃のワンシーン

内戦の最中、働いて家族を支える少年がオーストラリア人記者と知り会い、俳優になる夢を叶えようとするが…。イラン出身の女性監督が隣国の子供たちを活写。


『世界、北半球』(World, Northern Hemisphere
2021年/イラン/84分
監督:ホセイン・テヘラニ
出演:レザ・ショハニ、メーラン・アタシュザイ、サイデー・アルバジ

映画世界、北半球のワンシーン

14歳の少年は父のいない家族の中で重要な働き手。母の希望で農地を借りて耕すことになるが、地中から人骨が見つかり家族は翻弄されていく。テヘラニ監督渾身のデビュー作。

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「ガラ・セレクション」部門

『チュルリ』(Churuli
2021年/インド/115分
監督:リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ
出演:ヴィナイ・フォート、チェンバン・ヴィノード・ジョーズ、ジョジュ・ジョージ

映画チュルリのワンシーン
©Movie Monastery

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』(2019)の監督ペッリシェーリの新作。山奥の村チュルリで起こっていることを調査するために村にやってきた刑事たちが巻き込まれる奇怪な出来事を描く。


GENSAN PUNCH 義足のボクサー(仮)』(GENSAN PUNCH
2021年/フィリピン、日本/110分
監督:ブリランテ・メンドーサ
出演:尚玄、ロニー・ラザロ、南果歩

映画GENSAN PUNCH 義足のボクサー(仮)のワンシーン
©2021 GENSAN PUNCH Production Committee

義足のため日本でのプロボクサーへの道が閉ざされた津山尚生はフィリピンへ渡って挑戦を続ける。くじけず目標に向かう実在のボクサーをモデルに、彼を支える異国のコーチ、仲間たちの姿を描くヒューマンドラマ。


MEMORIA メモリア』(Memoria
2021年/コロンビア、タイ、フランス、ドイツ、メキシコ、カタール/136分
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
出演:ティルダ・スウィントン、エルキン・ディアス、ジャンヌ・バリバール

映画メモリアのワンシーン
©Kick the Machine Films, Burning, Anna Sanders Films, Match Factory Productions, ZDF/Arte and Piano, 2021.

全編が南米コロンビアで撮影されたアピチャッポンの最新作。不気味な爆発音に悩まされつつ、ボゴタから山の中の小さな町へと旅するヒロインをティルダ・スウィントンが演じる。

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「ワールド・フォーカス」部門

『テロライザーズ』(Terrorizers
2021年/台湾/127分
監督:ホー・ウィディン
出演:リン・ボーホン、ムーン・リー、アニー・チェン

映画テロライザーズのワンシーン

第21回東京フィルメックスで上映された『幸福城市』の監督ホー・ウィディンの最新作。台北駅で起こった通り魔事件に始まり、台北に住む数人の若者たちの日常を錯綜させたドラマ。トロント映画祭でワールドプレミア上映された。


『復讐は神にまかせて』(Vengeance Is Mine, All Others Pay Cash
2021年/インドネシア、シンガポール、ドイツ/114分
監督:エドウィン
出演:マルティーノ・リオ、ラディア・シェリル

映画復讐は神にまかせてのワンシーン
©Palari Films

マッチョな荒くれ者の青年は、ケンカに強い女性と恋に落ちるが、実は性的不能のコンプレックスを抱えていた…。撮影は名手・芦澤明子。Tokyo Gap-Financing Market 2020参加企画の作品。

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「TIFFシリーズ」部門

『フォークロア2:お出かけ』(Folklore 2: The Excursion
2021年/シンガポール/48分
監督:ニコール・ミドリ・ウッドフォード
出演:ミンディー・オン、ダレン・リム、イーサン・ン・カイ・エン

映画フォークロア2:お出かけのワンシーン
©2021 HBO Pacific Partners, v.o.f Folklore is a service mark of HBO Pacific Partners, v.o.f. All rights reserved.

小学生の息子ウェイミンと暮らすエンは、常に何かの気配を感じ、不眠に悩まされている。一方、ウェイミンは学校で不思議な少年を目撃する。家族の絆を感動的に描くゴースト・ストーリー。


『フォークロア2:あの風が吹いた日』(Folklore 2: The Day the Wind Blew
2021年/日本/55分
監督:松田聖子
出演:森崎ウィン、高橋春織、モト冬樹

映画フォークロア2:あの風が吹いた日のワンシーン
©2021 HBO Pacific Partners, v.o.f Folklore is a service mark of HBO Pacific Partners, v.o.f. All rights reserved.

憧れの歌手のコンサートに行くためにアルバイトに励む少女が、公園で歌の練習をしている青年に出会う。それは憧れの歌手その人だった...。森崎ウィンが歌手役を演じる、ファンタジックなラブストーリー。


『最初の花の香り』(Fragrance of the First Flower
2021年/台湾/102分
監督:エンジェル・テン
出演:ザイザイ・リン、ルゥルゥ・チェン、リー・イー

映画最初の花の香りのワンシーン
©Portico Media Co., Ltd

LGBTQ作品に特化した台湾の動画配信サイトGagaOOLala製作のミニ・シリーズ。平凡な家庭の主婦が、高校の後輩との再会を通して新しい自分を発見するまでを描いた作品。パリで開催されるSeries Maniaで上映された。

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「第34回東京国際映画祭」開催概要

日程 2021年10月30日(土曜日)から11月8日(月曜日)
会場 シネスイッチ銀座(中央区)角川シネマ有楽町、TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、有楽町よみうりホール、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場、東京国際フォーラム、TOHOシネマズ 日比谷(千代田区)ほか、都内の各劇場および施設・ホール
主催 公益財団法人ユニジャパン(第34回東京国際映画祭実行委員会)
共催 経済産業省、国際交流基金アジアセンター(アジア映画交流事業)、東京都(コンペティション部門、ユース部門)
公式サイト 第34回東京国際映画祭