国際交流基金では、大学とインターンシップの受け入れに関する協定を結び、多くのインターン(学部生・院生)を受け入れています。インターン制度は私たち基金スタッフにとっても、より多くの人に当基金の業務を身近に経験し、その趣旨と内容について理解を深めていただける、貴重な機会です。
今回は、アジアセンター文化事業第1チームでのインターンシップを終えた谷口比菜さんのレポートをご紹介します。
こんにちは。私は国際交流基金で2週間のインターンシップをさせていただきました、早稲田大学国際教養学部の谷口比菜と申します。将来は持続可能な観光開発に携わりたいと思っておりまして、今回は国際交流基金がどの様に人々の交流を通して様々な国の人と人との絆を深めているのかを自分の将来の夢への参考として学びたく、参加させていただきました。
私が携わらせていただいたのは、『アジアの絆を強くする』というミッションを持つアジアセンターの文化事業第1チームで、最初の一週間は、「A Working Title 2018-2019 (以下、ワーキングタイトル)」というプロジェクトに参加させていただきました。このプロジェクトは、アジアの映画上映のプロフェッショナルを育成する事業で、フィリピン、マレーシア、インドネシア、日本からの6名の参加者がディスカッションやレクチャー、シンポジウム開催などを一週間かけて行いました。
私が行ったことは、このプロジェクトがスムーズに進行するようにすることで、例えば、話し合いの部屋のセッティング、参加者のホテルと事務所間の送り迎え、最終日に空港へ向かうバスに乗せる、など主に裏方を担っていました。裏方と言いましても、かなり責任の伴う仕事でしたので、始まる前は心配や緊張をして、スケジュールを何度も何度も読み返しました。しかし実際始まると、基金のスタッフの方々は私の気持ちが楽になるよう作業中積極的に話しかけてくださったり、次に何を行うかを逐一リマインドして下さいました。また、ワーキングタイトルの参加者もとても協力的で、何か不明な点がある際は積極的に質問してくださいました。参加者の方々とオフの時間に互いの関心について話し合うことができたのもリラックスになりました。このプロジェクトで最も難しかったのは、参加者から予期せぬ反応を貰うことがあったことです。例えば、雨の日に参加者は1時間程歩いて目的地に到着する予定がありました。私たちは彼らが風邪をひかない様、傘を使用するように伝えましたが、彼らはこのくらいの雨では必要ないと、申し出を断りました。文化や考え方、生活様式の違いが出た瞬間でしたが、私たちはとても心配しました。
このプロジェクトが終わった次の1週間は、デスクワークに従事しました。主には、フェイスブックの投稿、アジアセンターが行ったイベントのアンケート結果の集計、インタビューの文字起こしなど幅広くお仕事をいただきました。特に面白かったのは、日本で上映された東南アジア映画の数、ジャンル、制作国などを2007年から2017年まで調べ、2014年に設立されたアジアセンターはどの様に上映に貢献してきたかを把握する作業です。これを通して、もともとは今まで全く見たことも気にもかけなかった東南アジア映画が身近に感じられるようになり、更に新しいプロジェクトを始める際はこの様な地道な調査が行われているのだという事実そのものを実感しました。
全体的にこの2週間のインターンシップで、私が参加した目的の一つである、国際交流基金が日本と他国の人と人との絆を促進するためにどの様なプロジェクトを行っているのかを知ることができ、大きな達成感があります。それに加え、ワーキングタイトルが開催されたこともあり、様々なお仕事をする様々な人々との出会いがあり、自分の視点、興味関心が広がりました。わからないことを丁寧に教えてくださったり、ランチをセッティングしてくださったり、将来のアドバイスをしてくださったりと、温かく迎え入れてくださったスタッフの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。