佐々木敦氏による「響きあうアジア2019」の総評を公開しました。
佐々木敦――誠実な野心に支えられた祭典「響きあうアジア2019」
「響きあうアジア2019」プログラムの一つとして、国際交流基金アジアセンターは、躍進目覚ましい東南アジア映画をこれまで様々な形で紹介してきた東京国際映画祭と共に、スペシャルプログラムをお届けします! 国際的に活躍する東南アジアの巨匠監督を迎えての上映&トーク、日本と東南アジアの映画交流に関するシンポジウムを実施いたします。ぜひご参加ください。
上映スケジュール
↓クリックして拡大
関連シンポジウム
「映画分野における日本と東南アジアの国際展開を考える」
- 日時:7月3日(水曜日)16時~19時45分(二部構成)
-
会場:東京芸術劇場 ギャラリー1
【第一部】「映画分野における次世代グローバル人材育成について」
登壇者:市山尚三(映画プロデューサー、東京フィルメックス・ディレクター)、藤岡朝子(山形国際ドキュメンタリー映画祭理事)、安岡卓治(映画プロデューサー・日本映画大学教授)【第二部】「映画制作におけるコラボレーションの未来図」
登壇者:エリック・クー、ガリン・ヌグロホ、ブリランテ・メンドーサほか※五十音順、敬称略
シンポジウムの詳細・申込は下記をご覧ください。
シンポジウム:映画分野における日本と東南アジアの国際展開を考える/響きあうアジア
イベント詳細
日程 | 2019年7月3日(水曜日)~7月10日(水曜日) |
---|---|
会場 | |
チケット販売期間 [上映] |
前売券:6月8日(土曜日)12時~7月2日(火曜日)23時59分まで 当日券:7月3日(水曜日)0時~各上映当日 上映終了まで ※お席はお選びいただけません(全席自動指定)。発券後、チケット券面にてご確認ください。 |
チケット料金 [上映] |
前売券:一般 1,000円、U-25・シニア割引 500円 当日券:一般 1,500円、U-25・シニア割引 1,000円 ※税込価格 ※U-25割引(25歳以下)、シニア割引(60歳以上)<要証明書提示> |
チケット取扱い [上映] |
ローソンチケット(Lコード:33683) https://l-tike.com/asia2019-movie TEL:0570-084-003(自動音声) ※1枚につきシステム利用料216円、発券手数料108円がかかります。 店頭:ローソン・ミニストップ店内のLoppi端末 |
注意事項 |
|
問合せ |
【チケットに関するお問い合わせ】 【一般お問い合わせ】 |
主催 | 国際交流基金アジアセンター |
共催 | [上映]公益財団法人ユニジャパン [シンポジウム]公益財団法人ユニジャパン、東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) |
お知らせ
東南アジア映画のガイドブック『躍動する東南アジア映画~多文化・越境・連帯~』発売決定!
現代東南アジアの映画がわかる、ガイドブックの決定版! 本特集の公式カタログとして必携です。
会場までのアクセス
↓クリックして全体をみる [PDF:2.59MB]
※劇場にて配布のチラシ中、『ダイ・トゥモロー』の上映時間が「7月5日(金曜日)19時20分」と記載されておりますが、正しくは「7月5日(金曜日)19時10分」です。
特別予告編
東南アジアの巨匠たち
ガリン・ヌグロホ監督 Garin Nugroho(来日予定)
1961年、インドネシア生まれ。90年代インドネシア映画新世代のパイオニアとしてその名が知られる。監督作はカンヌ、ヴェネチア、ベルリンをはじめとする数多くの映画祭で上映され、多数の映画賞に輝いた。映画以外にも演劇や美術インスタレーションも手がけるほか、2005年にはジョグジャNETPACアジア映画祭を創設した。
ガリン・ヌグロホ監督インタビュー:挑戦するシネアスト、飽くなきインスピレーションに導かれて
『メモリーズ・オブ・マイ・ボディ』Memories of My Body (ジャパンプレミア)
2018年/インドネシア/106分
監督:ガリン・ヌグロホ
『サタンジャワ』に加えてヌグロホ監督の最新作を日本初公開。中部ジャワのレンゲル(女装した男性が踊る女形舞踊)のダンサーを主人公に、地域の芸能に根付くLGBTQの伝統が見てとれる。「ひとつの身体の中に混在する男性性と女性性を描いています」(監督)。ヴェネチア国際映画祭出品。
上映日:
7月4日(木曜日)18時30分 ※上映前オープニングセレモニー/上映後、監督Q&A
7月7日(日曜日)18時40分 ※上映後、リアント(出演)Q&A
『サタンジャワ』 サイレント映画+立体音響コンサート/響きあうアジア2019
ブリランテ・メンドーサ監督 Brillante Ma Mendoza(来日予定)
1960年、フィリピン生まれ。監督第1作『マニラ・デイドリーム』で2005年ロカルノ国際映画祭ビデオ部門金豹賞を受賞。その後数々の国際映画祭で評価される。最もよく知られている受賞は、2009年に『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』でカンヌ映画祭監督賞の栄冠に輝いたことだ。近年、フランス政府より芸術文化勲章シュヴァリエを授与された。
ブリランテ・メンドーサ監督インタビュー:カンヌ受賞監督メンドーサが語る、母国フィリピン映画の黄金期
『アルファ 殺しの権利』Alpha, The Right to Kill
2018年/フィリピン/94分
監督:ブリランテ・メンドーサ
メンドーサ監督が『ローサは密告された』に続いて発表した、フィリピン麻薬戦争を一人の警察官の視座から生々しく切り取る問題作。警察署が麻薬組織にスパイを送り込み、善と悪、表と裏が入り乱れる戦いが展開していく。サンセバスチャン国際映画祭で審査員特別賞を受賞。(字幕協力:東京フィルメックス/配給協力:熱帯美術館)
上映日:7月5日(金曜日)13時15分、7月6日(土曜日)18時50分 ※上映後、監督Q&A
『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』Asian Three-Fold Mirror 2016: Reflections
2016年/日本/118分
監督:ブリランテ・メンドーサ、行定勲、ソト・クォ―リーカー
国際交流基金アジアセンターと東京国際映画祭が共同製作したオムニバス映画シリーズ第1弾。メンドーサ監督は第1話「SHINIUMA Dead Horse」で不法滞在のフィリピン人を主人公に、酷寒の北海道から灼熱のフィリピンへ強制送還の旅路を描く。迫真の臨場感はまさにメンドーサ・マジック! 他に行定勲監督「鳩 Pigeon」、ソト・クォ―リーカー監督「Beyond The Bridge」。第29回東京国際映画祭上映作品。
上映日:7月5日(金曜日)10時 ※上映後、メンドーサ監督Q&A
エリック・クー監督 Eric Khoo (来日予定)
1965年、シンガポール生まれ。数々の国際映画祭で出品を果たしたシンガポールを代表する映画監督。2008年、『私のマジック』(TIFF08出品作)でカンヌ映画祭コンペティション部門に選出。2011年『TATSUMI マンガに革命を起こした男』ではカンヌ映画祭ある視点部門出品、アカデミー賞外国語映画賞シンガポール代表に選出。最新作は『家族のレシピ』(2018)。
エリック・クー監督インタビュー:エリック・クー&カーステン・タン――シンガポールにおける映画製作の系譜を紡ぐ
『ミーポック・マン』[デジタルリストア版] Mee Pok Man ([デジタルリストア版]ジャパンプレミア)
(併映作品:『痛み』Pain )
1995年/シンガポール/110分、1994/シンガポール/32分
監督:エリック・クー
斎藤工・松田聖子共演の『家族のレシピ』が公開されたクー監督、伝説の長編デビュー作『ミーポック・マン』をAsian Film Archiveによるデジタルリストア版で上映! ミーポック(麺料理)売りの青年と娼婦の愛を描き、シンガポール映画の復興を告げた記念碑的作品。ローカルフードへのこだわりは現在まで一貫。本国で上映禁止となった初期の短篇『痛み』を併映。
上映日:7月4日(木曜日)14時45分、7月6日(土曜日)12時25分 ※上映後、監督Q&A
『一緒にいて』Be With Me
2005年/シンガポール/93分
監督:エリック・クー
妻を亡くした商店主、グルメな警備員、同性に恋する女子高生という3人の孤独を静謐でスタイリッシュな様式のなかに優しく見つめたクー監督の初期の代表作。シンガポール映画として初めてカンヌ映画祭監督週間のオープニングを飾った。第18回東京国際映画祭上映作品。
上映日:7月4日(木曜日)12時、7月6日(土曜日)15時55分 ※上映後、監督Q&A
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督 Apichatpong Weerasethakul
1970年、タイ生まれ。映画監督、プロデューサー、アーティスト。監督作は『ブンミおじさんの森』(2010)など。タイ内外で実験的でハイブリッドな物語映画を活発に製作。カンヌ国際映画祭パルムドールの他、最近ではオランダのプリンス・クラウス・アワードを受賞している。「響きあうアジア 2019」では舞台作品『フィーバー・ルーム』を上演。
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督インタビュー:『フィーバー・ルーム』から
フィーバー・ルーム/響きあうアジア2019 特設サイト
『十年 Ten Years Thailand』Ten Years Thailand
2017年/タイ、香港、日本/93分
監督:アーティット・アッサラット、ウィシット・サーサナティヤン、チュラヤーンノン・シリポン、アピチャッポン・ウィーラセタクン
香港・日本・台湾と並んで製作された、10年後の自国を描く近未来オムニバスの国際共同プロジェクトのタイ版。アピチャッポンは第4話「Song of the City」で銅像の建つ公園とそこに集う人々を素描。他にアーティット・アッサラット「Sunset」、ウィシット・サーサナティアン「Catopia」、チュラヤーンノン・シリポン「Planetarium」。第31回東京国際映画祭上映作品。
上映日:7月7日(日曜日)10時30分、7月8日(月曜日)19時
【7月8日 上映後トーク】
ゲスト:徳山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター )、福島真人 (文化人類学者/東京大学教授)
リティ・パン監督 Rithy Panh
1964年、カンボジア生まれ。カンヌ映画祭ある視点部門グランプリ受賞作『消えた画 クメール・ルージュの真実』(2013)等、ドキュメンタリー映画を中心に高い評価を受けている。映画製作の傍ら、カンボジアの視聴覚資料を収集・公開するリソースセンターや、フィルム・コミッションを設立し、カンボジアの映像分野の牽引役として活動している。
『飼育』Shiiku
2011年/フランス、カンボジア/93分
監督:リティ・パン
『消えた画 クメール・ルージュの真実』などで知られるドキュメンタリーの巨匠リティ・パンが、大江健三郎の芥川賞受賞作「飼育」を1972年のカンボジアの物語に翻案して劇映画化。クメール・ルージュの少年兵が墜落した米軍機の黒人パイロットを鎖につないで“飼う”グロテスクな寓話。大島渚監督版『飼育』との比較も一興。第24回東京国際映画祭上映作品。
上映日:7月7日(日曜日)13時10分、7月9日(火曜日)19時
【7月9日 上映後レクチャー:『飼育』はどのようにカンボジアに翻案されたのか?】
講師:福富友子 (東京外国語大学非常勤講師)
東南アジア次世代の巨匠たち
カミラ・アンディニ監督 Kamila Andini (来日予定)
1986年、ガリン・ヌグロホ監督の長女としてジャカルタに生まれる。オーストラリア留学を経て、『鏡は嘘をつかない』(2011)で監督デビュー。東京国際映画祭でTOYOTA Earth Grand Prixを受賞するなど国際的に高い評価を得る。第2作『見えるもの、見えざるもの』(2017)で東京フィルメックス最優秀作品賞を受賞。
カミラ・アンディニ監督登壇シンポジウムレポート:「インドネシア未来図~女性映画人は語る」シンポジウム
『見えるもの、見えざるもの』The Seen and Unseen
2017年/インドネシア・オランダ・オーストラリア・カタール/86分
監督:カミラ・アンディニ
国際的に高く評価されるインドネシアの若手女性監督アンディ二の、『鏡は嘘をつかない』に続く第2作。脳障害で寝たきりの弟を看病する10歳の少女タントリの心は真夜中に解放される。現実と幻想の入り交じった描写が美しい。(協力:東京フィルメックス)
上映日:7月5日(金曜日)16時20分、7月7日(日曜日)15時40分 ※上映後、監督Q&A
ナワポン・タムロンラタナリット監督 Nawapol Thamrongrattanarit (来日予定)
1984年、タイ生まれ。インディペンデント、商業映画の両方で脚本家として活動した後、監督としてデビューした。ユニークでエキセントリックなスタイルは高い評価を得て、国内外の映画賞を多数受賞している。昨年の東京国際映画祭ではBNK48のドキュメンタリー 『BNK48: Girls Don't Cry』が上映された。
『ダイ・トゥモロー』Die Tomorrow (東京初上映)
2017年/タイ/75分
監督:ナワポン・タムロンラタナリット
『マリー・イズ・ハッピー』など新世代タイ映画の旗手ナワポン監督が「死」について思いを巡らすドキュ=ドラマ。「人生の最後の1日は、ごくごく普通の1日でありがち」(監督)という認識のもと、普通の人が最後の一日を過ごすドラマ部分と、人々が死について語るインタビュー部分で構成されている。(協力:大阪アジアン映画祭)
上映日:7月5日(金曜日)19時10分、7月6日(土曜日)10時 ※上映後、監督Q&A
エドウィン監督 Edwin
1978年、インドネシア生まれ。短編『Kara, The Daughter of A Tree』(2005)はインドネシア初のカンヌ映画祭監督週間上映作品。『動物園からのポストカード』(2012)はベルリン映画祭コンペティション部門入選、最新作『アルナとその好物』(2018)は、ベルリン国際映画祭のCulinary部門にて上映。
エドウィン監督登壇シンポジウムレポート:オムニバスで生まれた有機的な関係――『アジア三面鏡2018:Journey』監督シンポジウム
『アジア三面鏡2018:Journey』Asian Three-Fold Mirror 2018: Journey
2018年/日本/83分
監督:デグナー、松永大司、エドウィン
「アジア三面鏡」シリーズ第2弾は若手監督3人の競作。エドウィン監督の第3話「第三の変数」では、倦怠気味の夫婦が東京旅行で謎の男と出会い、関係に変化が生じていく。シュールなエドウィン・ワールド全開!他にデグナー監督「海」、松永大司監督「碧朱」。第31回東京国際映画祭上映作品
上映日:7月10日(水曜日)19時
【7月10日 上映後トーク:東南アジア映画の魅力とは?】
ゲスト:市山尚三(東京フィルメックス・ディレクター)、松下由美(映画プレゼンター)
司会:夏目深雪(映画批評家、編集者)
※各回入替・上映20分前開場
※日本語・英語字幕付き上映(『ミーポック・マン』『痛み』のみ、日本語字幕のみ)
※ゲストイベントは予告なく変更する可能性がございます。予めご了承ください。
「響きあうアジア2019」とは
国際交流基金アジアセンターは、活動5年目の結晶として、日本と東南アジアの文化交流事業を幅広く紹介する祭典、「響きあうアジア2019」を開催いたします。国を超え共に創り上げた舞台芸術、映画から、東南アジア選手による混成サッカーチーム「ASIAN ELEVEN」と日本チームとの国際親善試合、“日本語パートナーズ”のシンポジウムまで、お互いの文化が刺激しあって生まれた珠玉のイベントの数々を楽しめる機会です。この祭典は、国際交流基金アジアセンターがこれまで5年にわたり行ってきた相互交流の成果を振り返るとともに、日本と東南アジアとの関係をさらに深めるための起点となることでしょう。
「響きあうアジア2019」は、東南アジアでも展開予定です。
本事業はbeyond2020の認証事業です。