【配信日・プログラム変更】三陸国際芸術祭2021「髪長姫 アジアが紡ぐ笛ものがたり」

日本

アーカイブ映像が特設サイトでご覧いただけます。

国際交流基金アジアセンターは、三陸国際芸術祭2021の一環として実施している「ふえLab」プロジェクトの成果発表をオンラインで配信します。

新型コロナウイルスの世界的流行が長期化し、国境を越えた人の移動困難な状況が続く中で、アジアと三陸の民俗芸能・郷土芸能の担い手がいかに交流を継続していくかは、芸術祭にとっても大きな課題となりました。そうした状況を逆手にとり、作品の創作、発表のすべてのプロセスをオンラインで行うという新たな挑戦をすることとしました。今年5月、インドネシア、カンボジアの団体と三陸の3団体がオンラインで顔を合わせ、各国の芸能で舞台芸術で重要な役割を担っている楽器、竹笛を軸に、意見交換しながら一つの作品を作り上げてきました。

今回は、三陸地方の伝わる民話『髪長姫』を題材にして、5つの団体による協働作品を、「東京2020 NIPPONフェスティバル共催プログラム」としてオンラインで発表します。

写真1
写真2

オンラインでの「ふえLab」交流の様子

イベント詳細

【配信日・プログラム変更のお知らせ】
当初は、2021年9月5日(日曜日)13時30分から16時30分にオンラインでライブ配信を行う予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の現状に鑑み、感染防止に万全の対策を講じた上で、すべてのプログラムを事前収録してお届けすることにしました。
そのため、配信日時を、2021年9月12日(日曜日)13時30分からに変更いたします。ご視聴を楽しみにしてくださっている皆さまをお待たせしますが、事情につきご了承ください。

日時 2021年9月5日(日曜日)13時30分~16時30分
2021年9月12日(日曜日)13時30分から配信
プログラム
  • 第1部:開会式、オープニングパフォーマンス
  • 第2部:『髪長姫』ふえLab交流成果発表
    インドネシア、カンボジア、三陸の5団体の共演
  • 第3部:トークセッション「未来への新たな挑戦」
    出演団体による交流の振り返り
     ※中止
出演
  • オマ・ガムラン(インドネシア)※自国からオンライン参加
  • シルバーベル ダンスグループ(カンボジア)※自国からオンライン参加
  • 十一日町えんぶり組(青森県八戸市)
  • 中野七頭舞保存会(岩手県岩泉町)
  • 大槌虎舞協議会(岩手県大槌町)
  • 喜多七福神(岩手県陸前高田市)※オープニングパフォーマンス
視聴方法 特設サイトにてオンライン配信
視聴無料、事前申込み不要、配信後はいつでもご視聴いただけます。
言語 日本語・英語
問合せ 三陸国際芸術推進委員会事務局
Tel:019-656-8145
公式サイト 三陸国際芸術祭

ふえLabとは
アジアの民俗芸能にはなくてはならない旋律と舞の構成を担う楽器「竹笛」に着目し、互いの芸能を学び合い、意見交換をしながらコラボレーションするプロジェクト。アジア各地に共通する、あるいは異なった文化で育まれた旋律やリズムを知り、学び合うことを通して、参加者に共感と共有を生み出しながら三陸とアジアの国々における民俗芸能の新たな挑戦を試みます。

プロフィール

『髪長姫』出演団体

オマ・ガムラン(Omah Gamelan)/インドネシア、ジョグジャカルタ

アノン・スネコさんの写真

芸術監督:アノン・スネコ(Anon Suneko)
国立大学教授、舞踊家、音楽家、オマ・ガムラン主宰。1981年生まれ。
著名な芸能家である両親の元、ジャワの伝統芸能、舞踊とガムラン音楽に囲まれた環境で育つ。幼少の頃から芸術に興味を抱き多数の受賞歴を持つ。
ガムラン音楽への探求に打ち込む傍ら、電子音楽にも精通しアルバム2枚を含む数多くの作品を創作。オーストラリア・パース領事館従事、ミシガン大学客員アーティストなど海外経験も豊富。国際交流基金主催事業「伝統のチカラ、芸能のカタチ」では日本に招へいされ研究に携わる。
現在、インドネシア国立芸術大学ジョグジャカルタ校、舞台芸術学部カラウィタン学科にてガムラン教授として指導にあたる傍ら、宮廷芸能存続の使命を掲げ、ジョグジャカルタ第2王宮「プロ・パクアラマン」宮廷に仕えている。

シルバーベル ダンスグループ(SilverBell Dance Group of Performing Artists)/カンボジア、プノンペン

チュムヴァン・ソダチヴィーさんの写真

芸術監督:チュムヴァン・ソダチヴィー(Chumvan Sodhachivy)
ダンサー、振付家、シルバーベル ダンスグループの創設者。
チュムヴァン・ソダチヴィー(別名ベル) は9歳からクメール古典舞踊を始めた。 先祖代々伝わっている芸術の基礎を数年かけて習得した後、主に男性役(ニーロン)を演じながらカンボジアの伝統民族舞踊や影絵人形劇などに出演。
16歳の時にコンテンポラリーダンスとその幅広い可能性に出会った。その後はロサンゼルスのウォルト・ディズニー・ホールで上演されたピーター・セラーズ演出のオペラを含む、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカなど様々な地域へ公演やフェスティバルに出演。
シルバーベル ダンスグループを創設し、これまで多くの作品の振付を手がけ、発展に貢献してきた。現在はプノンペンのカンボジア王立芸術大学振付学部の副学長を務めている。

十一日町えんぶり組/青森県八戸市

十一日町えんぶり組の写真
撮影:二ツ森護真

えんぶりは八戸市を中心とした青森県三八上北(さんぱちかみきた)地方に伝わる豊作を祈願する祭り。国重要無形民俗文化財の「八戸えんぶり」は毎年2月17日から20日まで八戸市中心街などで行われている。 十一日町えんぶり組は、1891年に地元消防団が中心となって旗を揚げ、えんぶりに参加してから130年以上の歴史を持つ。代表的な演目は、太夫の摺りのほか、大黒舞、恵比寿舞、えんこえんこ、八戸舞など。幼児から年長者まで多世代が参加することで受け継がれてきた、大人顔負けの繊細で華やかな祝福芸が見もの。

中野七頭舞保存会/岩手県岩泉町

中野七頭舞保存会の写真

岩泉町中野地区に伝わる芸能で、発端は1840年頃にさかのぼるといわれる。当時、神楽太夫と呼ばれた工藤喜太郎が、神楽舞の一部の舞込みを基本に創始したといわれる。演舞する人数は、2人1組の7組で、舞の種類も「道具取り」「横跳ね」「チラシ」「戦い」「ツットウツ」「三足(鳥居掛かり)」「道具納め」の7つに分かれている。当初は神楽で踊られていたが、時代と共に変化し集落の祭典に奉納。五穀豊穰家内安全大漁を祈願して踊る勇壮で活発な舞であり、舞う者達は、原野を開拓するため、汗を流しながら精いっぱい労働に励み、協力して大切な作物を育て、その年の収穫に感謝し仲間と共に喜びをわかちあうという一連の流れを想いながら、力強くそしてしなやかに踊る。

大槌虎舞協議会/岩手県大槌町

大槌虎舞協議会の写真

1990年、大槌町郷土芸能保存団体連合会が発足したと同時に、虎舞部門の部会としてスタート。町内の「虎舞」を伝承する4団体(安渡、向川原、陸中弁天、大槌城山)から構成され、団体間の親睦を深めつつも互いの技術の向上、社会貢献等その活動は多岐に渡る。
2011年3月の東日本大震災では全団体が被災。大切な仲間、演舞に使う道具や装束を失うも、復活・継承をめざして再び結束し、以降は支援に対する感謝の想いを虎舞を通じて全国に発信し続けている。演目には、矢車(やぐるま)、跳虎(はねとら)、笹喰み(ささばみ)、甚句踊り、手踊りなどがある。

オープニングパフォーマンス

喜多七福神/岩手県陸前高田市

喜多七福神舞は福徳の神に扮装し御伊勢様や黒崎神社に奉納されている。

演出

前川十之朗
演出家、作曲家

前川十之朗さんの写真

1987年から、作曲家、音楽プロデューサーとして、レコーディング主体に活動を開始。2002年に、パフォーミングアーツカンパニー「未國」を設立。身体と声を組み合わせたユニークな演出は、ジャンルに捕らわれない作品とともに高く評価される。ベルリン市に演出家として招かれ1年半の活動後、2012年に帰国。東京大学研究員として三陸に入り被災者を取材。その証言をもとに創られたミュージカル「いのちてんでんこ」は、5万人の高校生に観劇されている。2014年から三陸国際芸術祭ディレクターを担う。

サポートアーティスト

大部仁(笛)
尺八・篠笛奏者、製作家

大部仁さんの写真

茨城県在住。第46期NHK邦楽技能者育成会卒。
琴古流尺八を関一郎氏、明暗流・錦風流尺八を前川耕月氏に師事。ミュージカル「いのちてんでんこ」への参加、尺八&ピアノユニット「つちのこ」での演奏活動などと並行しながら藍空(らんくう)工房を主宰し尺八・篠笛の製作家としても活動している。

佐藤公哉(太鼓、謡)
音楽家、作曲家、歌手

佐藤公哉さんの写真

北海道生まれ。シュルレアリスムの影響から幼少より画家を志し、後に音楽へ転向。多彩な声の表現に加え、ビオラ等の弦楽器、各種の打楽器、稀に鍵盤楽器も奏し演奏活動を国内外で行う。越境的な室内楽を得意とし、映画音楽、舞台音楽、即興パフォーマンス、地域に密着したプロジェクトも手がける。ソロのほか、バンド「表現(Hyogen)」、デュオ「3日満月」などで活動し、プロジェクト「Torus Vil.」を主催。東京藝術大学音楽環境創造科在学中より東京都を拠点に活動し、2017年より長野県松本市を拠点に活動中。