『珈琲哲學』の続編と今後の活動について
アンガ:続編の舞台は本作の2年後で、コーヒー業界も変化しつつあります。カフェFilosofi Kopiはいまや伝説となり、ベンたちは店を閉め、車でインドネシア中を巡りコーヒーを売っています。あるとき、一緒にやってきた仲間が全員辞めることになります。仲間たちは2年間ジョディとベンの夢につき合ったわけですが、彼らにもそれぞれの夢がある。だからいつまでもジョディやベンと一緒にはいられない。そこで、ジョディとベンはジャカルタに戻り、Filosofi Kopiをカフェとして再開することに決めます。しかし、ジョディは2年間の巡業で、ビジネスマン的な考え方をしてこなかったので、肝心の資金を使い果たしてしまった…。このような、ジャカルタの変わりつつあるコーヒー文化の中で、新しい投資家や仲間を探して、Filosofi Kopiをどう再建していくかという話になります。
AC:リオさんとチコさんは役者として、今後どのような役を演じてみたいですか?
リオ:まだまだこれから自分で探るべきこと、学ぶべきことがたくさんあります。今までやったことがない役に挑戦したい、何か変わったことをやりたいと思いますが、まだその探求の途上です。
チコ:とても難しい質問ですが、私が演じることが好きなのは、演じることで人間について常に新しい何かを学ぶからです。役柄を作り上げるというプロセスが、とても好きなんです。もちろん、その作品がよい映画かどうかは、脚本にかかっていますが。
アンガ:インドネシアの映画産業はかなり大きいですが、それを支える人材が不足しています。特に、よい脚本家は両手で数えられる程です。脚本を書くのがお好きでしたら、インドネシアに行けば、たくさん仕事があると思いますよ(笑)。
AC:本日は貴重なお話をありがとうございました。
【2016年11月2日(水)六本木アカデミーヒルズにて】
- インドネシア国内では、『珈琲哲學』の続編『Filisofi Kopi 2: Ben & Jody』(予告編はこちら)が、2017年7月13日から公開予定。
- アンガ監督に関しては、アジアフォーカス・福岡国際映画祭でのシンポジウムをまとめた以下の記事でも紹介しています。「インドネシア映画の新たな潮流」。
編集:西川亜希(国際交流基金アジアセンター)
写真:平岩亨