黄金の国:パナイ島スギダヌン叙事詩の継承

Report / アジア文芸プロジェクト”YOMU”(フィリピン)

2.「黄金の王国」ウェビナー・シリーズ

国際交流基金マニラ日本文化センターでは、本プロジェクトの背景や意義、口承文芸継承の実践などについて、様々な視点を提供する全5回にわたるウェビナー・シリーズを企画しました。各ウェビナーのアーカイブ映像をご覧いただけます。

第1回:「パナイ・ブキドノンの人々の物語を語る」

スピーカー:
Alicia P. Magos氏(フィリピン大学ビサヤ名誉教授、パナイ・ブキドノン文学研究者)
Anna Razel Limoso Ramirez氏(フィリピン大学ビサヤ校研究員)
モデレーター:Liby Limoso氏(ヴィジュアル・アーティスト)
言語:英語(日本語の同時通訳あり)

ウェビナー・シリーズ第1回では、1990年代初頭にスギダヌン叙事詩の調査・記録を行ったMagos氏と、その当時の調査助手であったRamirez氏を招待し、豊かなスギダヌン叙事詩の世界と次の世代への継承などについて、詳しくお話を伺いました。

*1 :日本語の同時通訳で「ゴールデン・リアリズム」としている箇所がありますが、正しくは「ゴールデン・レルム」です。
*2 :通訳が「シャンテ」と訳している箇所は「詠唱者、チャンター」を意味します。
*3 :ウェビナー後半、日本語訳が途切れる箇所がありますがご了承ください。

第2回:「先住民族の権利と知的財産権」

スピーカー:
Mary Genevieve F. Tingson-Wuthrich氏(国家先住民族委員会(NCIP)西・中央ビサヤ地方担当審理官)
モデレーター:Eric Divinagracia氏(イロイロ市ディナギャン・フェスティバル2022・コンテストディレクター)
言語:英語(日本語抄訳PDF

スギダヌン叙事詩に関する創作および調査研究には、先住民族との密な連携が必要不可欠です。ウェビナーシリーズ第2回 では、先住民族の権利と知的財産権に対する先住民族国家委員会(NCIP)の組織としての関わり方について考えるべく、同委員会の地域担当審理官で弁護士のMary Genevieve F. Tingson-Wuthrich氏をお招きしました。

第3回:「世界観を語る」

スピーカー:
赤坂憲雄氏(学習院大学教授)
Allan Derain氏(アテネオ・デ・マニラ大学文芸実践研究所ディレクター)
モデレーター:David Gowey氏(フェニックス大学)
言語:英語(日本語の同時通訳あり)

ウェビナーの第3回目となる「世界観を語る」では、スピーカーとして、東北学の赤坂憲雄氏、フィリピン文学・物語の専門家で作家でもあるAllan Derain氏をお招きしました。日本の遠野物語の世界観や、フィリピンの口承文芸やフォークアートの世界についてお話を伺い、日本とフィリピンにおける民間伝承の類似性を探りました。

第4回:「漫画『黄金の国』の誕生」

スピーカー:
Kristoffer Brasileño氏(ThriveArtプロジェクツ漫画制作チーム・プロダクション・マネージャー)
Mia Reyes氏(ThriveArtプロジェクツ漫画制作チーム・作家)
Eric Barbosa氏(ThriveArtプロジェクツ漫画制作チーム・ビジュアル・アーティスト)
モデレーター:Early Sol Gadong氏(西ビサヤ地方の作家団体フボン・マヌヌラット副会長)
言語:英語(日本語抄訳PDF

漫画『黄金の国』の制作を担当したThriveArtプロジェクツのアーティストたちが、スギダヌン叙事詩を若い読者に紹介するために、口承文芸をビジュアル・アート作品に変換した道のりを語りました。

第5回:「伝承の保存と継承」

スピーカー:
飯倉義之氏(國學院大學 准教授)
Grace NonoTao文化芸術財団ディレクター、民族音楽学者、シャーマニズム研究者、フィリピン音楽アーティスト)
モデレーター:Jose Taton Jr. 氏(フィリピン大学ビサヤ校研究員、民族音楽学者)
言語:英語(日本語の逐次通訳あり)

フィリピンと日本、両国の豊かでユニークな口承文芸がどのように進化し、現代に適応しているのか、また、将来の世代がどのようにこれらを継承していくのかについて、國學院大學の飯倉義之氏とフィリピンのTao文化芸術財団ディレクターでフィリピンの民族音楽アーティストとしても著名なGrace Nono氏にお話を伺いました。