日本語パートナーズはアジアへ赴き、現地の主に中等教育機関の日本語授業でアシスタントとして活動します。さらに、現地の人々と交流し、日本の魅力をたくさん知ってもらい、日本とアジアの友好関係につなげていくことも期待されています。そのため、日本語教授法のみならず、現地の文化や教育制度、日本とその国との関係、異国での暮らし方や身の守り方等に対する幅広い知識が必要となります。
年齢も経歴もさまざまな日本語パートナーズたちが、現地で活動する際に必要となる知識を効率的に習得するため、約4週間の特別な研修プログラムを用意しました。研修の主な目的は次の3点です。
1.事業の趣旨を理解し、日本語パートナーズ としての心構えを身につける
2.派遣先で安全に生活するための安全管理、健康管理の知識と技術を身につける
3.日本語パートナーズ としての活動に必要な知識と技術を身につける
日本語パートナーズ が渡航する前に行われる派遣前研修は、国際交流基金の研修センターにて実施されます。講師陣は、国際交流基金の日本語教育専門員、ネイティブスピーカーである現地語教師のほか、大学教授や医師等、高度な知識を持つ専門家たちです。
現地の人々と円滑にコミュニケーションをとるために、現地語研修には特に力を入れています。午前中は少人数制の授業で、集中して現地語を学びます。
日本語教授法の研修も多角的に実施されます。日本語に慣れていない現地の人々が無理なく理解できる授業にするためには、やはり工夫が必要です。研修では、易しい言葉を使った話し方・聞き方を学び、授業形態に応じた教え方や、現地で使用されている教材の研究などを行います。模擬授業や発表をする場も設けられ、コミュニケーションをとりながら授業を進める技術なども実践的に学べるようになっています。
また、海外で現地の人々と交流するには、日本を知っているだけでなく、その国と日本との関係も知っておく必要があります。日本語パートナーズは、日本の伝統文化について調べたり、東南アジアで人気がある日本のポップカルチャーについて講義を受けたり、日本とその国の関係や歴史を学んだりします。同時に、日本語パートナーズ派遣事業が両国関係に対して持つ意味も学び、心構えと責任感を身につけます。
海外での活動では心身の健康を維持することも大切です。現地でかかりやすい病気や予防法、ストレスマネジメントの講義もカリキュラムに組み込まれています。希望者は個別相談もでき、年齢や個人の不安に応じた内容となっています。
研修期間中、食事はセンター内の食堂が利用できるほか、キッチンスペースを借りて自炊することもでき、休日を利用して日本語パートナーズが一緒になって料理する姿も見られます。宿泊棟には、世界各地から短期長期での研修参加者が滞在しているため、研修中から早くも国際交流の花が咲くこともあります。また、4週間という長い期間を一緒に過ごすことによって、日本語パートナーズ同士の連帯感も生まれています。