10月28日、インドネシアは「青年の誓いの日(Hari Sumpah Pemuda)」でした。祝日ではありませんが、インドネシアの人々にとって大切な日の一つです。この場を借りて「青年の誓いの日」について紹介したいと思います。
まず「青年の誓い」とは、1928年10月28日にオランダ領東インドジャカルタにおいて、インドネシアの青年民族主義者が開催した第2回インドネシア青年会議の中で読み上げられた文書で「一祖国、一民族、一言語」を謳った誓いのことです。
当時の民族主義者たちは国内のあらゆる民族を統合し、自分たちは「インドネシア民族」という一つの民族になるのだという、新しい考えを提示してみせたのです。以降、インドネシアでは「民族(bangsa)」は「インドネシア民族」であり、その下位分類は「種族(suku bangsa)」と呼ばれることになりました。ジャワ人、スンダ人、マレー人、バリ人などの、いわゆる民族は、インドネシア内ではすべて「種族」として定義されています。
この日、私はジャカルタ中心部にある「青年の誓い博物館(Museum Sumpah Pemuda)」を訪ねてみました。
インドネシアの国家スローガンは「ビネカ・トゥンガル・イカ(Bhinneka Tunggal Ika)」といい、「(我々は)異なっているけれども、一つである」(「多様性の中の統一」)という意味を持っています。つまり、インドネシアは多様な民族から構成されているけれども、一つの国家であるということを表しています。また、このスローガンはインドネシアの国章の中にも見られ、聖鳥ガルーダがBhinneka Tunggal Ikaと書かれた帯を握っています。民族間対立が現在も残っている国もある中で、このように「青年の誓いの日」を設け、統一国家の意義を再認識するインドネシア国民の姿勢に感銘を受けました。これからのインドネシアのさらなる発展をお祈りします。