インドネシア・バリ州のデンパサール第8国立高校に赴任して2週間が経ちました。私が担当する日本語クラスをまだすべては回り切れていないのですが、今までのところ、どのクラスでも津軽三味線を弾き、生徒たちにも三味線に触れてもらっています。三味線を紹介できたらいいなあと思って日本から持ってきましたが、最初からこんなふうになるとは思いませんでした。
きっかけは、私の自己紹介で趣味は津軽三味線と話したら、生徒たちから「弾いてほしい」と声があがったことです。「持ってきましょうか」とCPの先生に聞くと「ぜひぜひ」と。職員室に取りに戻って、教室で組み立てて弾きました。組み立てて弾く、というのは、三味線は3つに分解して小さなケースにしまってあるからです。三味線を組み立てる場面は日本でも見たことがある人は少ないのではないかと思います。
自己紹介のとき生徒から「さくらはいつ咲きますか」と質問を受けていたので、まず「さくら」を弾きました。つづいて「津軽じょんから節」。思った以上に生徒もCPの先生も楽しそうなので、さらに何曲か弾かせてもらいました。
終わろうとすると、「生徒が三味線を弾かせてほしいと言っている」とCPの先生が言います。もちろん大歓迎です。一人の生徒が前に出て弾くと、次々と手があがり、出てきて弾きます。ガムランやギターを弾く人も大勢いるようで、出てきた生徒がどんな楽器をやっているか、CPの先生が教えてくれます。
こんなふうにして、日本語の授業で毎日、三味線ワークショップのような時間が生まれています。
「三味線を弾きながら日本の歌を歌えますか」と生徒から聞かれますが、私はできません。ギターならなんとかなるので、こんど一緒にやりましょうとギターが趣味のCPの先生と話しています。