私が活動しているバリ島東部のクルンクンは、銀細工や精密画等手工芸で有名な町です。同じバリ島のデンパサールやウブドと比べるとお世辞にも豊かとはいえませんが、のんびりとした平和な町です。
クルンクンMGMP(=日本語教師会)は毎月必ず集まり、近況報告をしたり、相談したりと活動しており、11月の会合で1月にクルンクンで文化祭を行おうと話し合っていました。
しかし、メンバーのほとんどは20代の若手教員で、会長でさえ29歳。経験が浅く、バリ大会への予選を兼ねたスピーチコンテストの審査員を依頼するのも伝手(つて)がなさすぎて難航。さらに、企業との伝手も少なく、資金不足。そんな調子のため、文化祭ではなく、スピーチコンテストのみに規模を縮小しようかという話にもなっていました。
そんな話をして何も決まらないでいるうちに時間は過ぎていき、1月7日開催予定なのに、すでに12月の終わり。
しかし、そこは若さと団結力でカバーします。
ある先生は前日の夜八時まで審査依頼の電話をかけまくり、ある先生はのどを痛めながらも立派な会場を一夜にして設営しました。
そして、私たち日本語パートナーズもただ見ていただけではありません。
けん玉や浴衣を借りてきて、伝統的な遊びや浴衣の体験コーナーを造り、当日はインドネシア人の名前を漢字で書くという書道のコーナーを運営しました。生徒が作って大好評だった海苔巻きは、バリ島に派遣されている日本語パートナーズが一丸となって教えたものです。
こうして「ないない」づくしながら、手作り感あふれる文化祭を無事に開催することが出来ました。クルンクンMGMPの先生方の「文化祭を開催したい」という強い思いに、“日本語パートナーズ”とそのネットワークが結びついた結果、とても良いイベントになったと思います。
先生方は口々に「この経験をもとにぜひ、来年もします!」と言ってくれています。
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海苔巻きの作り方はバリの日本語パートナーズが教えました
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インドネシア人の名前を漢字にします
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門は事前に作りましたが、それ以外はほぼ一日で製作・設営しました
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