12月下旬、高校の試験休みを利用し、“日本語パートナーズ”4人でカリマンタン島の先住民族・ダヤック族の村を訪ねました。
空港から車で6時間、ダヤック族の村に着き、村のリーダーに挨拶した後、森の中のでこぼこ道を車で進める所まで行きました。あとは歩いて上ったり下ったり川を渡ったりして、その日泊まる高床式の家屋にたどり着きました。そばには川が流れていて、そこがシャワーやトイレでした。
夜になると、村人が集まり、私たちの歓迎会が開かれました。一緒に食事をし、伝統楽器の演奏と踊りが披露され、酒がふるまわれ、私たちも一緒に踊りました。
歓迎の演目の後に、私達からの友情の証として、津軽三味線の演奏を準備していました。ここまでの長く険しい道のりの中、傷をつけないように慎重に運んできた三味線を、暗がりの中、わずかな明かりをたよりに組み立てます。演奏予定は1曲、受けているようなら様子を見て2曲と考えていました。
そうして弾き始めると、三味線の音にダヤックの打楽器の音が一つ二つと重なり、そのうち歌が重なり、踊りだす人も出てきました。信じられない展開に背筋が震えました。
三味線とダヤックの共演は延々と続きました。三味線の手ほどきもして、ダヤックの人が上手に弾けると、場はいっそう盛り上がりました。
「私がもっと若ければ日本へ行って三味線を勉強したい」と長老が言いました。
このときの動画を見返すと、真っ暗でほとんど何も見えませんが、熱気と楽しさは確かに伝わってきて、やはり本当にあったことなんだ、と振り返っています。
派遣前研修でインドネシア語を教えてくれたカリマンタン出身の先生が、この動画をみてこんなメッセージをくれました。
「彼らの歌には森林に対する愛、管理保全、社会のマナーや掟が含まれています。何回も聞きます。懐かしい。感動です。」
生涯忘れられない旅を企画してくれた森山さん、ご一緒したみなさま、ありがとうございました。