わたしの通っているレクイドン高校では、今11年生(高校2年生)が喫茶店での注文の仕方を勉強しています。教科書にはデザートと飲み物を注文し、お金を払うという内容の会話文があり、まずはそのとおりに練習します。そのあと先生がクラスをいくつかのグループに分け、次の時間までにメニューを作ってくるように指示を出しました。このときわたしは、教科書で勉強した食べ物や飲み物をきれいに紙に書いてくるということなのだろうなと思っていたのですが、それは大きな勘違いでした。
数日後、生徒たちは思い思いにデザインし、工夫を凝らしたすばらしいメニューを作ってきてくれました。ここクイニョンには、日本食レストランは数えるほどしかないのですが、うれしいことに、日本の食べ物をたくさん載せたメニューもありました。人気のあるものでは、「寿司」「ラーメン」「お好み焼き」など。そして、意外だったのが「もち」でした。また、横には白い「お餅」ではなく「大福」の絵や写真がありました。
どうして「もち」が人気なのだろうと不思議に思っていたのですが、ある日、カフェでメニューを見ると、そこに「Mochi」があるではありませんか!それは確かに生徒たちがメニューに載せていた大福のことでした。ここクイニョンで大福なんて食べられるのかと驚きましたが、考えてみれば、ベトナムのデザート「チェー」の中には、白玉団子のようなものや小豆などの豆類が入っていますし、案外ベトナムの人たちの口にも合うのかもしれません。
インターネット世代で、ベトナムにいながらも様々な日本の情報を得ることが得意な生徒たちが、メニューに「もち」を載せているのを見ると、「ちゃんと自分たちの身近にある日本を思い出してくれたんだなぁ。」とうれしくなりました。いつか日本人のわたしたちが「もち」と言われて連想する、鏡餅やきなこ餅などの白いお餅も紹介したいです。