日本語パートナーズとして派遣される前にも何度か訪れたことのあるインドネシアですが、旅行ではなくこの地で生活をしてみて一層強く感じるようになったことは、人々が「食べる」ことをとても大切に考えているということです。この1ヶ月間、派遣されている2つの高校でそれを感じさせる場面に幾度となく遭遇してきました。
タイトルの「Sudah makan?」は「もう食べた?」という意味ですが、これが「こんにちは」より使用頻度の高い挨拶代わりになるほどです。ことさら朝食は重要で、たとえ朝時間がなくて朝食を食べ損ねたとしても職場について必ず腹ごしらえをし、朝食を食べていたとしても、10時半頃お菓子や果物などをつまんでいます。また、私の派遣校のうちの1校では全職員に毎日軽食が配られたりもします。教職員だけでなく、もちろん生徒も休み時間に教室で早弁をしていたり、体育の授業の後には必ず食堂で食事をしたり、売店などで買い食いをしている姿が見られます。
お昼になると、先生たちは一つの机の周りに集まり、あるいは机のスペースが狭い場合は床に円を作って座り、一緒にご飯を食べます。もちろん、日本でも同僚や友人と一緒に食事をしますが、その様子とは少し異なります。家から持ってきたお弁当や買ってきた食べ物を皆で分け合って食べるのです。大きなバナナの葉っぱや紙をお皿代わりにそれぞれのお弁当の中身を出して、狭い空間に肩を寄せ合い色々なおかずやご飯を手で混ぜながら食べます。私がお弁当を持参していなくても、快く私を輪の中に招き入れてくれるのです。
私は日本で働いていたとき、時間に追われ真っ先に犠牲にするのは「食べる」ことだったような気がします。皆で冗談を言い合って笑いながら食事するひとときは、私にとって新鮮で心地よい時間でした。どんどん太っていくことに怯えながらも、「食べる」ことが私を癒してくれています。