11月20日はベトナムでは「先生の日」です。日頃、教えてもらっている先生に感謝する日。生徒たちは担任の先生に花束やプレゼントをします。偶然に前日の19日は、私の誕生日でした。前の日まで、私は何も言わなかったのですが、ふとCP(カウンターパート)の先生に話してしまいました。
当日、ファンチャウチン高校のCPの先生のクラスに行くと黒板に「たんじょう日、おめでとうございます」の言葉が書いてあり、ケーキや花束、盆栽まで用意してくれていました。そして放課後、近くの食堂にクラス全員が集合し、みんなで甘いものを食べました。
慣れない外国での生活ということで、いろいろ困ったこともありましたが、この生徒たちの気持ちに触れ、一気に苦労が吹き飛び、私の胸に熱いものがこみ上げてきました。そしてCPの先生の配慮に感謝しました。
この生徒達の気持ちに応えたいと、私はカードを作りました。一人一人の名前を書き、「ありがとう」の言葉と共に、それぞれのカードに違った漢字1字を大きく書きました。後日、生徒に渡すと粗末なものであるのに、とても喜んでくれました。漢字の読み方を尋ねてくる生徒もいたので、意味も丁寧に教えました。
カードを渡した後、教室の後ろの方に行くと、カードの端をはさみで切っている生徒がいるではありませんか。普段、日本語の授業に熱心ではない生徒です。何をしているのと聞くと、その生徒は笑顔で自分の手帳を指さし、この中に入れるというのです。その様子から、カードを大事にしようとの気持ちが伝わってきました。生徒と気持ちが通じ合ったように思います。まさに教師冥利に尽きるできごとです。
生徒一人一人を理解し、いかに励ますかが私の課題です。今後も生徒と「信を通わせる」ことを第1に日本語パートナーズの活動に頑張りたいと思います。