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百人一首で日本文化を学ぶ

百人一首をする生徒達の写真1

派遣先校の高校三年生の授業では、国際交流基金が出版した日本語教科書『あきこと友だち』を使用していますが、その第6巻の読解コーナーで百人一首が紹介されています。実は、私が子供の頃から親しんでいる数少ない得意分野です。すごく愛着があるので生徒たちにもう少し詳しく紹介することにしました。日本から百人一首を持参しており、週1回の日本クラブで、既に何度かカルタや坊主めくりを生徒達とやっていたので、生徒たちも多少の予備知識があったことも幸いしました。

授業では作者が生まれた年代や作者の性別や職業のほか、百人一首が生まれた場所やそのきっかけとなる出来事、さらにはすべてを紹介することはできませんが、歌がどのような内容なのかをクイズ形式で尋ねた後で、正解を分りやすく解説しました。できるだけ視角で分かってもらえるように努めましたが、それでも私の日本語の説明が難しくなった時にはタイ人のCP(カウンターパート)の先生が助け船をだしてくれました。

百人一首をする生徒達の写真2

百人一首の歌の内容でいちばん多いのは恋の歌です。遡ること八百年以上前の日本人の恋愛観が現在と大きく異なっていたとしても、今の日本人やタイ人にも充分に理解できる内容であることに、生徒達も驚きや親しみを感じてくれたようです。恋の歌の次に多いのが四季の歌です。特にたくさん詠まれた秋に焦点をあて、黄色や赤色に染まった日本の秋がいかに美しいか、ことばや写真だけではなく実際に日本に出かけて、秋の美しさを肌で感じてもらえたらと願っています。

百人一首が誕生した京都の嵐山や今はない小倉山荘に描かれた百枚ほどの襖を想像してみたり、いまも美しい松島や天橋立、そして富士山が奈良・平安の昔から歌に詠まれるほどの観光地として有名だったことも写真と共に紹介しました。

日本の文化を理解するうえでも百人一首は、またとない副読本のような気がします。皆さんも活用されてはいかがでしょうか。

Writer
タイ バンコク
原田 晴義さん

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