昨年10月半ばからのバンドンでの生活のなかで、もっとも印象に残っているのが子供たちと一緒に過ごした山の学校での一日です。
私の派遣先である第15国立高等学校のスンダ語の先生、ロザニ先生ご夫妻は、ライフワークとして自費で 恵まれない子供たちのために山の学校を開校しています。2010年からはじめられて、もう6年になるそうです。 バンドン市から車で約1時間かかる山の上にある学校です。そこには、ご夫妻の自宅と、すぐそばに真新しい 教室がいくつかあり、子供たちが遊べる施設もあります。自然がいっぱいで、パパイヤ、バナナの木がたくさんあり、空気も新鮮です。
学校の休みの土曜日、私の派遣先高校のエンダン先生、タチ先生と私の三人で訪問しました。その日は快晴で山の上から見るバンドンの風景も格別でした。爽やかに顔をかすめる風が、涼しさを運んでくれます。
到着して一休みしてから、オープンハウスに行くと、子供たちや父兄が私たちを待っていてくれました。 ロザニ先生が私たちのことを説明され、日本語の先生、エンダン先生が私のこれからすることを通訳してくれました。この山の学校には、ご両親が仕事で面倒を見られない、また学校にいけない幼稚園から高校生までの子供たちを預かり、授業のための専門の先生も雇われているようです。
私は「手をたたきましょう」という歌を歌い、笑う、怒る、泣くのジェスチャーを子供たちと一緒にしながら、日本の子供の歌をみんなで楽しみました。それから、もっていった新聞紙で、5月5日のことを少し説明してから、みんなに兜作りにチャレンジしてもらいました。すらすらとできる子、途中からわからない子たちのところには、そばに行って、他の先生にも手伝ってもらいながら、全員がきれいに作り終わりました。そして、その兜をかぶり喜ぶ子供たちの笑顔に、少し日本文化が伝えられたかなと。すてきな笑顔、いつまでも忘れないでねと思いを込めて山を後にしました。