一年中暑いタイですが、季節は3~5月の暑季、6~10月の雨季、11~2月の乾季に大別されます。今は比較的涼しい乾季。部屋でエアコンをつける時間も短くなり、爽やかな秋晴れと言えそうな日が多くなりました。駅前のカフェに流れていたヴィヴァルディの「秋」も、12月のバンコクにはぴったりの響きです。
また、タイは仏教が根付いた国ですが、季節の行事としてクリスマスもお祝いします。街にはイルミネーションが灯り、派遣先の学校でもクリスマスのイベントが行われました。外国人の若手教師がサンタになるのが恒例らしく、私も中国人の先生やフィリピン人の先生と一緒に真っ赤な衣装に身を包み、汗をぬぐいながら生徒にお菓子を配りました。
そんな12月のある日、高校2・3年生に俳句の授業を行ってみました。
教科書に載っている俳句に関するコラムで導入してから、春夏秋冬の季語にはどんなものがあるか、生徒たちに考えてもらいました。その後、実際に五七五のリズムで俳句を詠むことに挑戦しました。
クリスマス Central World で あそびます
Central Worldはサイアムにある大型商業施設です。「セントラルワールドで」は日本語では10音ですが、タイ語で発音すると「センタンワーで」と7音に収まりました。
ソンクラーン タイのおまつり あついです
ソンクラーン(水かけ祭り)を季語として使ってくれました。ソンクラーンはタイが一番暑くなる4月に行われるのですが、春でも夏でもなく「暑季の季語」でしょうか。
クリスマス 今夜はおやすみ 雷をきく
「雷」は冬の季語ではありませんが、タイの気候には合っているのでOKにしました。ベッドの中で雷の音に耳を澄ませるクリスマス…字余りに不思議な迫力があります。
限られた授業時間の中で、俳句の持つ独特の余韻にまで理解を深めることは難しかったのですが、生徒たちなりに、タイならではの俳句を詠んでくれました。日本とは違う「季節のとらえ方」が見つかった12月でした。