11月の今月の“日本語パートナーズ”に「赴任地を深く知るために」と題して書いた内容に加え、もう一つ私が取り組んできたものがあります。それは赴任地サラブリー県の歴史、特に日本との関わりと観光について情報を得ることです。
サラブリー県は赴任先の連絡を受けて初めて知りました。しかし、赴任してみると自然豊かで、石灰岩や大理石からなる、切り立つ山々は墨絵を思わせる独特な景観です。またアユタヤ時代から軍事拠点として、交通の要衝として開発されてきた歴史があります。第2次世界大戦時には日本軍がこの地に駐留していたことから連合軍の空襲を受け多くの人が亡くなるという悲劇も起きています。ゲンコーイの町にあるワット・ゲンコーイには空襲で亡くなった人々の慰霊碑と明治時代に入植しこの地で斃れた日本人の慰霊碑が並び建っています。
生徒からは観光地の貴重な情報をもらいました。日本語のスピーチコンテストでサラブリー県の観光地を紹介した生徒の原稿には、自慢の観光地とお土産のことが書かれていました。また授業で観光地紹介のグループ活動をした時は、すぐにでも行ってみたい観光地の紹介がありました。そして生徒たちが一生懸命覚えた日本語で誇らしげに話す姿を見たとき、私自身の勉強のためだけでなく生徒たちに何か残してあげたいと思い、日本語の観光案内書を作成することを思い立ちました。
案内書の日本語は生徒にはまだ難しいですが、いつか日本人に日本語でサラブリー県のことを紹介する機会が訪れることを期待して、参考になればと思い生徒に託すことにしました。
作成に際しては、タイ国政府観光庁発行の英文観光案内書をベースに独自に調査した内容や写真を加えています。詳しい地域情報をいただいたカウンターパートの先生や社会科の先生、地域を案内頂いた先生方に感謝します。そして生徒へ配布する冊子を準備いただいた学校のご厚意に感謝します。