人生で花は常に祈りと癒しを与えてくれる存在です。そんな花への思いはタイの文化にも見られます。そこで中一から高三までの生徒がいる日本語クラブで、両方の文化に共通して長い伝統をもつ花文化に目を向けて、日本の「生け花」を体験してみることにしました。
まず一回目は、日本とタイの形から見える花表現の違いを、パワーポイントで作品例を見ながら学習します。タイでは花や花びらの部分を折ったりピンで留めたりして形を作りますが、日本では茎や葉の部分も含めて花表現の重要な役割を担うことに気づかせます。そして花の生け方は違うけれども、どちらも仏前に供えるという始まりがあるということや「生け花」には生け方の種類がいくつかあることを簡単に説明しました。
二回目は、実際に生けてみます。2~3人のグループでテーマや花材について話し合い花と花器とハサミは家から持ってきますが、花については、やはり花の部分だけを持ってきたグループもありました。もしものときのために学校でも少し花を買っておいたのでよかったです。葉物は花屋さんにはないので、学校の裏庭からいただきました。剣山の代わりにオアシスをつかいました。
生徒が自由な発想で生けられるように、自由花に挑戦です。花の部分だけを持ってきた2人チームはどうしてもその花が使いたいというのでテーマを聞いてみると「あかちゃん」という返事でした。お母さん役の葉っぱをアドバイスすると、あふれるほどのかわいらしさや喜びを表現できました。
茎を短く切りすぎて花ばかりになってしまって笑い転げているグループはテーマが「ジュラシック・パーク」、なにやら静まり返って真剣な表情のグループは「愛」など「生け花」の表現力に挑戦しました。
どのグループも「生け花」の特徴のアシンメトリーを意識し、日本とタイの花文化のコラボによる作品を、楽しみながら創り上げたと思います。