私の日本語パートナーズ(NP)としての任期も、いよいよ残りわずかです。派遣先の国立第15高等学校に行くときも、記憶に残るようにしっかりと大地に足を踏みつけながら、脳裏にこの光景を刻みながら、朝早い住宅街を歩く私です。
朝4時、近くのモスクから聞こえてくるアザーンとともに起きる毎日が6か月続きました。それから支度をして、5時45分に家を出て、警備のお兄さんにランドリーの袋を渡し、アンコット(ドアの開いたミニバス)に乗るために住宅街の中のデコボコ道を歩きます。バンドンの朝は、ひんやりとして気持ちがいいです。
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住居のスタッフと一緒に
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突き当りの黄色の建物が私の住まい
道路にでて向こう側に渡ると、車体の上が水色で下が緑のアンコットがきます。
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右手に見える水色と緑の車がアンコット。これで毎日学校へ
私は手をかざし、止まったアンコットに頭をぶつけないように乗り込みます。頻繁に走っているアンコット。朝の顔なじみと会い、お互いにこり。「キリ」(左の意味)と言うと止まってくれます。どこでも降りたいところの左側で止まってくれるので、このことばになったそうです。約5分、3000ルピア(約30円)払って、校門まで歩く入り口で降ります。これが私の月曜日から金曜日までのNPとしての出勤です。
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国立第15高等学校の校門前で
私が6時ごろに職員室に入ると、だんだんと生徒が登校してきて、先生方も職員室に入ってきます。先生も生徒もみんな私の手を取って、額にあてて、ときには頬を寄せ合って、「オハヨウゴザイマス。ミワコセンセイ」と。私が来てから、職員室も日本語が飛び交っています。それから、カンターパート(CP)の先生に今日の授業の確認をし、プロジェクターの準備をし、CPの先生と教室に向かいます。
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「ここは職員室です」と話す練習の授業
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紙飛行機を作り、生徒たちの夢を乗せて「365日の紙飛行機」を歌う
このような日々の中で、NPとしてどれだけ役割を果たせたかは疑問です。でも、インドネシア人の先生方、生徒たちも、知り合った人たちも、そして日本人の私も、国を超えての相互理解が少しずつできたのではないかと実感しています。
さよなら、バンドン。ありがとう、インドネシアのみなさん。再会を願って。