台湾の人々は恐らく世界一親日的で、日本文化や日本に関する様々な情報があふれています。さて、ここでどんな文化紹介をしたものかと考えました。赴任先は台北だし、先生方はJLPT(日本語能力試験)1級を取得、大学での授業と掛け持ちしている。日本の文化について生徒に説明する程度のことは十分に詳しい。生徒にテーマを与えて、レポートさせたりしたものは、感心するほどの出来栄え。その上、当初のカリキュラム通り授業を進めるという先生のねらいもあって、諸条件から文化紹介の時間はあまり取れない。自分にできることをアピールしたが、なかなかお呼びがかからない。日本語パートナーズの派遣が始まったばかりの台湾事情か、1期ならではの悩みか?
しびれを切らし、ついに強引に浴衣を着る文化体験を全員に行き渡るように告知しました。これが大成功。先生方が次々と自分のクラスでも着つけてほしいと予約してきて、結局赴任先男子校で56回、先生とスタッフに18回、他の女子校で20回、大汗かきながら、2週間にわたって着付けました。
ある先生は浴衣を着て買い物のロールプレイや、アニメ映画の主題歌合唱などをして、授業をまとめてくださいました。また浴衣にまつわるさまざまなことも説明できました。浴衣を着た時、なぜ懐に手を入れるのかについて検索までした先生もいらっしゃいます。んー、負けそう。やっぱり体験が1番だと納得しました。次もこの手でいきます。
また、台湾には日本に関心が強い人たちがたくさんいますから、様々な人たちと交流ができます。台湾歌壇(短歌を詠む会)や友愛会(美しい日本語を学ぶ会)や日本語を話す高齢者のデイケアセンタ―にも出かけて行きました。これらでお会いした台湾人の皆さんは日本人と全く変わらない流暢な日本語を話されます。私たちの活動は外にもどんどん広がっていっています。