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担当高校では2年生は5つの外国語の中から一つを選んで第二外国語として1年間その言語を学びます。日本語クラスは4組あり、授業の頻度は週1回1コマです。授業スケジュールの関係で私は週に2つの組の授業にしか入れませんし、授業の前後に生徒と交流できる時間はありません。各組の最初に入った授業で私は生徒に自席の場所を告げて気軽に遊びに来てほしいと伝えました。しかし私を見かけたら呼びかけや挨拶はしてくれますが、私の席に来る生徒はいませんでした。私にはどうすることもできない事情や理由はありますが、いつしか私は生徒との間の年齢の壁を感じるようになりました。

寂しさを感じながら赴任から2カ月が過ぎようとする4月中旬に一人の生徒が私を訪ねてきました。大学受験を終えた3年生です。話をするうちに私との交流を望んでいる生徒がいることを知りました。その日を境に生徒が来てくれるようになりました。
今では生徒が気軽に私を訪ねて来てくれるようになりましたし、幾人かの生徒とはSNSを活用して交流しています。

先日卒業試験を終えた3年生は卒業式までの間自習をして過ごします。学校にお願いして希望者が参加できる日本語クラスを開設しようかと思いましたが止めました。生徒のニーズが多様であり多岐にわたるからです。例えば日本語を学びたいというニーズ一つとっても生徒によって日本語のレベルや学習スタイルなどが異なります。全体対応ではなく個別対応をするべきだと考えました。

私は生徒との交流について次のような反省をしています。
私との交流を希望する隠れた需要を掘り起こす努力をしなかった、SNSを活用するなど他の交流手段を考えなかった、私が日本から持参した物を展示している日本コーナーへ案内するなど交流の場を広げる工夫をしなかった。
生徒との間に年齢の壁はあると思いますが、その壁を高くするのも低くするのも日本語パートナーズ次第ではないでしょうか。

那須さんと生徒たちの写真
家庭科の授業で作ったプディングの差し入れ
日本語教材を持ったふたりの生徒の写真
日本語を独学している友達同士。それぞれの教材は異なります。
Writer
台湾 新北
那須 英夫さん

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