日本語パートナーズの私に、日本語で何か質問しようという授業でのこと。手を挙げた生徒から、「日本と台湾はどこが違いますか」と聞かれて、「そら、きたー」と思いました。赴任地は台北なので、日ごろから「こういうところは日本と変わらないな」とか、「こういうところは日本とは違うな」と漠然と感じていました。いつか私にはこういう質問があるだろうと思っていながら、整理していなかったので、自分なりのベストアンサーをまだ見つけていませんでした。
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咄嗟の私の答えは「台湾人は親切だと思います。」でした。地理的なことや天候、食べ物のことは簡単に話せます。何かの制度・政策や経済、教育の観点からは比較内容を精査しなければ話すことは出来ません。しかし、他国の文化習慣の違いの中で生活する今、人の違いはつぶさに感じているので、自然に出た答えでした。
見て見ぬふりをする、時にそうしてあげるのが気遣いかなと思える多くの都会の日本人と比較すると、台北では、まだ日本の田舎に行けば出会えるような、人のストレートな優しさとぬくもりが感じられます。私たちが居心地の良さを感じるのは、漢字圏のアジアの国だから、というだけではないと思います。中国大陸からのある観光客も、「一番の違いは人だ」と、同様のインタビューの質問に答えていたそうです。(これは図書館に来て、よく私と日本語フリートークをする学生の話です。)
一方「あなたはどこが違うと思いますか。」と、質問した彼に聞いたところ、「日本に行ったことはないですが、行ったことがある人から、日本は台湾よりずっときれいだと聞きました。」との答え。「ごみは一つも落ちていない。」と。私は、「そうですね。私は世界のいろいろな国に行きましたが、日本は本当にきれいだと思います。」と力強く答えました。
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