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コミュニケーションをとるということ 学校訪問顛末記

JF(国際交流基金)スタッフの学校訪問があった。漢字の授業だ。念入りに準備したつもりが、散々な結果だった。スタッフの厳しくも的を射た指摘はすべてその通りだ。一言でいえばCP(カウンターパート)の先生とのコミュニケーション不足と私の思い込み。
PPTを見せて読み、意味を確認。水習字で書いてみせる。空書で書き順を確認、筆ペンで紙に書く。これを漢字ごとにやる。内心気になっていたがそのままにしていたことが露呈した。

習字を教える大川原さんの写真
初期は後ろを向いて空書していた。途中から、生徒がきちんと書いているか見ようと、斜め前で書くようになっていた。これも当日注意されてしまった。

PPT、こんなに凝った作りが必要だろうか? 私の説明は、CPがタイ語に翻訳するまで生徒はわからない。水習字で書いて見せても効果はないんじゃないのか? 直後に筆ペンで書く生徒の文字は、とめ、はね、はらい、など全く意識していない。もちろん書き順も。できているのは37人中1人。4か月やっても、1人。次第に意義を見出せなくなっていた。この時点で、「このままでいいですか?」とCPに相談すればよかったのだ。

また約80分で12、3個の漢字を学習。中間で息抜きのパズルやゲームをやったらとは感じていたが、いつも時間が足りなくなりそうなので、作りためた教材を使う機会はなかった。

今回、授業の初めに、漢字ゲームを入れるという提案、さらに時間があればテキストの練習問題もするという。時間内に終わらないと思い込んで、急いだ。生徒の書いた文字を見るのもかなり急いだ。そこで、すかさず、「ただ書いたのを確認するだけ」との指摘。今では全員書いているので確認だけということはないのだが。ところが時間は十分あった。
「漢字お願いします」で丸投げされたと思い込み、空回りしていた。予定通りに決められた範囲の漢字を終わらせようと汲々としていた。生徒を見ていないとの指摘にその通りと深く反省した。
一方CPは事前に私のPPTを見て、しっかり準備した。いつもより堂々として見えた。私をフォローする余裕もあった。さすがJFの研修を繰り返してきただけのことはある。JF研修は凄い。

Writer
タイ バンコク
大川原 啓子さん

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