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この町でたったふたりの日本人

ジャワ島中部に位置する、スマラン県ウンガランに派遣されています。“日本語パートナーズ”としてインドネシアに来てから、私は右手で何回握手をしたことでしょうか。

先生と握手をする氏家さんの写真

日本でも、初対面の時などに握手を交わすことはあります。でも、ここでは日常の光景です。高校では朝の登校時や昼は廊下でのすれ違いざま、下校前の別れ際に先生と生徒、先生同士で握手する姿があちらこちらで見られます。にこやかに声をかけ合って互いの健康を確かめたり、相手への敬意を示したり、そっと手を握る習慣が素敵だなと思える毎日です。

校舎の外観写真

国道沿いにあるクリーム色の校舎が美しい、ウンガラン第1国立高等学校。全校生徒数は3学年合わせて1200人で、そのうちの250人ほどが、週2回の日本語の授業を履修しています。「ゆきせんせい!」と笑顔で握手してくれる生徒も増えてきて嬉しいですが、この高校に“日本語パートナーズ”が着任するのは初めて。差し伸べるその手からは、ドキドキした気持ちが伝わってきます。
彼らをさらにドキドキ、ワクワクさせているのは、もうひとりの日本人の存在でしょう。留学生の村上亜瑠さんです。

留学生の村上さんの写真

彼女は家族の勧めと自らの決断で、10か月間の留学先にインドネシアを選んだ高校2年生。奇しくも私と同じく8月から、ウンガランで暮らしています。

生徒たちと話す村上さんの写真
亜瑠さんは得意の英語でコミュニケーションをとり、クラスメイトともすっかり打ち解けています。

学校では、イスラム教のお祈りや先生方の都合で授業が始まらなかったり、休日は近隣の町の渋滞で予定が大きくずれたりして、しばしば戸惑うことも。「日本との違いに驚かされることも多いけれど、インドネシアに来てよかった。」ひと月の間で感じたことは、彼女も私も変わりありませんでした。

氏家さんと村上さんの写真
旅行先でのツーショットに、SNS上では「似ているね」と反応がありました。

「日本の高校生活について教えてあげたい。」「色鮮やかなふりかけを使って、みんなでおにぎりを作りたい。」現役高校生とティーチングアシスタント。この町でたったふたりの日本人で力を合わせ、今度は私たちが生徒をあっと驚く笑顔にしようと思っています。

Writer
インドネシア 中部ジャワ州
氏家 由希子さん

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