マレーシア三期である私たちの滞在も残り本当に僅かになってきました。赴任当初を振り返る機会も多くなった、そんな日々です。
さて、みなさんは「書道」と聞くと、どのような印象を受けるでしょうか? 私は幼少の頃より書道教室に通っていたこともあり、どちらかというと各々が静かに集中して打ち込む時間、といったイメージでした。
しかしCP(カウンターパート)の先生と一緒に授業を実際に始めるとどうでしょう? わたしの先生は絵を描いたり、デコレーションするのが元々好きだということもあり、生徒たちにも自由に書かせ始めました。
最初のうちは、それぞれ名前などを書いたりしていましたが、そのうち知っている漢字を書いてみたり、〇〇は日本語で何と言うの?と積極的に質問が飛び始めたり。
そういえばこちらに赴任した際、書道のクラスを開きたくて、必死に書道用に半紙を探していた自分を思い出します。固定観念で、どうしても書道には半紙がなくては!と思っていたのですよね。実際は、本当に紙なんて何でもいいんです。むしろ今となっては、色紙の方が文字に彩りが出る気がしたりして。
知っている単語を書いてみる、知らなくても興味のある単語を先生に聞いて、初めて書いてみる。日本語に触れる。きっと筆の運びだとか、終筆(とめ・はね・はらい)を一生懸命伝えることよりも、自分たちが頑張って覚えてきた文字を楽しんでもらうことの方がずっと大事で、難しいことは後からでいいのだと思いました。
書道を教えるぞ!と意気込んで拍子抜けした時代もありますが、今となっては、どんなクリエイティブな作品が仕上がるか、楽しみな自分がいます。
書道を伝えようとして、新しい書道の楽しみに気づかされる、そんなマレーシアでの日々がとても楽しいです!