ミンガラーバー。10月中旬の金曜日、ヤンゴンに派遣されている“日本語パートナーズ”(NP)同期、横山さんと村松さんがマンダレーを訪ねて来てくれました。3人で会うのは赴任の時以来、約5ヶ月ぶりです。互いの配属先が姉妹校同士のヤンゴン/マンダレー外国語大学なので、こちらの日本語科の先生方全員に2人を紹介、教室、施設等を案内したあと、先生方を含め皆で会食しました。ここにはヤンゴンから単身赴任の先生も何人かいらっしゃるので、いろいろと話もはずんだ様子でした。
翌土曜はお二人の先生の案内で、マンダレー近郊の見どころを一緒に回って交流しました。やはり由緒あるパゴダ等が主でしたが、なかなか地方に出る機会のない2人のNPには、大都会ヤンゴンとは違った田舎の風景を楽しんでもらえたようです。
翌日曜、休暇を利用しての計画通り、私たちNP3人は早朝発の船でマンダレーからバガン(世界屈指の仏教遺蹟)を目指しました。
エーヤワディー川は、木の葉状のミャンマーの国土を、太い葉脈のように縦断して海に注ぐ大河川で、両岸がはるか遠くになったり近くなったりする中を、船はときに蛇行しながらゆっくりと進んでいきます。
岸辺は叢林(そうりん)が続きますが、時にサバンナ風だったり芒(すすき)の群生が現れたり、辺りは日本の河川とは異なる広大な様相を呈しています。
大地ははるか地平線まで見渡せ、そのかなたまで蒼穹(そうきゅう)が拡がり、白い積乱雲がその青さを際立たせています。
こうした風景が延々と続く中、朝7時に出航した船は、ようやく夕方4時前に、何もない砂地だけのバガンの船着き場に到着しました。
まさしく風景と時がゆったりと流れるものの、「単調」ならぬ「悠久」な時の流れを感じさせられる、稀有(けう)な水行(すいこう)でした。
又その後、バガン全体を見渡せるビュータワーから見た、叢林に点在する大小の仏塔遺蹟群のパノラマは、まさに古(いにしえ)を彷彿とさせる光景でした。